月夜の人魚姫 46R 総つく
「うーーーーん」
思わず声が出た。
「つくし様」
後ろを振り向けば、買い物袋を携えた瀬戸さんだった。
「あっ、お帰りなさい」
「遊様から先程連絡がありました。なんでも沖縄にお好きな方を迎えに行かれたとか」
コクンとあたしは頷く。
「ようございました。と言う事なので私は、竜崎の邸に戻らせて頂きますね」
そう言いながら来た時と同じように、荷物を抱えながら、迎えの車に乗って帰っていった。
「次は、未悠様の番でございますね。頑張ってくださいましよ」
温かい笑顔と言葉を遺して。
瀬戸さんを見送ったあと……部屋に戻って急ぎの仕事を片付けた。
「はぁっ、一先ず終了っと」
書類を片付けてから冷蔵庫に行って缶ビールを取り出す。
何時の間にか空が夕暮れ色に染まっている。夕暮れ色はオレンジで赤でそして朱色だ。透き通ったそれらの色が幾つか重なって空を彩っている。
「綺麗な夕陽……」
一人呟いたあと、夕陽を肴にソファーに腰掛けて、ビールを煽る。
「うーーん美味い」
ふとみれば、いつのにまにかマナーモードを間違えて押してしまっていたようで、スマホが点滅している。
慌てて確認すれば遊からのラインだ。
ミュウ、石垣島に着いた
今、莢の家の前でドキドキしてる。
時間を見れば、彼此れ2時間前に莢先生の家に着いたようだ。
今頃感動の再会中かな?そんな事を考えて微笑んだ。
逢えたかな?
そう打てば
ピロリンッ
俺の家族だ!そんな言葉と共に画像が送られ来る。
目を真っ赤に腫らしながらも大口開けて笑っている莢先生と、遊に良く似た風花ちゃんと、これまた真っ赤な目をした遊の3人が写った画像だ。
おめでとう!
あたしは、ありったけの思いを込めて文字を打つ。
ピロリンッ
今度は、つくしちゃんの番だから。そう言って莢が不敵に笑ってるぞ。
じゃぁ、俺らはこれから夕飯を食いに行くから。
そんな返信が帰って来る。
莢先生が不敵に笑ってる? っん? どういう事?
えっ?えっ?
ガチャリッ
リビングの扉が開く音がする。
って、誰?誰? ど、ど、泥棒?
落ち着け、落ち着け......
ここのマンションは、セキュリティーがしっかりしてる。
うんと、
ここの鍵は、えぇえとえぇてと雪さんが持ってる筈。
ってことは、雪さん?なんか忘れ物?
後ろを振り向こうとした瞬間……
大きな手がフワリとあたしを包み込む
「___牧野」
懐かしい呼び名と共に。
名前を呼ばれ抱きしめられた瞬間、西門さんへの思いと一緒に、涙が溢れ出す。
後から後から溢れ出す。
くるりと向きを変えられ口づけを落とされる。身体の奥底がゾクゾクと痺れ出す。
「西門さん__」
愛おしい男の名を呼ぶ。
ダブルガーゼのシャツワンピースのボタンが
一つ
また一つと
西門さんの手で外されていく。
パサリッ
ワンピースが床に落ちる。
「___綺麗だ」
あの日のようにあたしを見て綺麗だと言う。
その言葉だけで充分過ぎる程にあたしの心は、身体は、満たされていく。
西門さんの手があたしの全身を羽根のように撫で上げる。
まるで宝物をそっと扱うように。
優しく優しく愛撫する。
ブラのホックが外されて胸が露になる。むしゃぶりつくように、あたしの胸に顔を埋める。
彼の舌があたしの胸元を愛撫する。乳首を吸われた瞬間、声が出る
「あっ‥うっ‥‥」
「相変わらずココが弱いんだ」
乳首を舌で転がしながら、意地悪く笑う。
その顔に、その言葉に、あたしは激しく劣情している。
あたしは、あの日のように淫らな顔で彼を誘う。
ショーツの中は、トロトロに溶け出し熱を帯びている。
あたしの身体は、熱く熱く彼を求めている。
火、水、金、土、日 0時更新


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