スカートの中 20 類つく
あぁ、そうか……つくしがいるから、カーテンがヒラヒラと揺れているんだ。
光の中を漂いながら起きる前の幸せな時間を楽しむ。
「類〜類〜こっちの服でいいかな?」
腰に黒のリボンが付いた真っ白のワンピース。裾がレースのシースルーになっている。
MINEHARAの今期のワンピースだよね。
流石だなと思うのは、クローゼットの中から的確に相手に合わせた服を選ぶ所。
つくしは、絶対に口に出さないけれど……俺や父さん母さんに恥をかかせまいと必死に色々と勉強してくれる。田村もビックリするほど、花沢と取引ある所の情報を知っている。つくしに言えば
〝ホラッ、経営とマネジメントの雑誌だったからね〟
そう言って笑う。
違うよね? 学生の頃からだよね?
俺が連れ回したパーティーで、そっと俺に耳打ちしてくれたよね。花沢の創業祭の時は、俺等の知らない系列会社まで把握して耳打ちしてくれてたっけ。
母さんや父さんが、俺とつくしの婚約になんであんな猿芝居までしたか……本来なら、好いた腫れただけの人じゃないんだよ。
まぁ母さんは、野生の勘で最初から見抜いてたみたいだけどさぁ。
「類も、シャワー浴びるんでしょ?そろそろ起きてね」
「うーーーん。じゃ」
唇を差し出せば、真っ赤になって
「ちょ、ちょっ」
なんて照れてる。
ハッキリ行ってこんな所も可愛い。
って言うか……なにしてても可愛いんだけどね。
「つくし‥‥大好き。愛してる」
ガバッと抱きしめようとしたら
「ダメダメ!本当にダメ! 洋服が皺になっちゃうし、時間も遅れちゃう。峰原様は、時間厳守なんだからね」
「あい」
選んでくれた服を着て車に乗り込んだ。つくしの手を握る。すべすべで真っ白で思わず二の腕迄撫で上げたら、キッと睨まれた。
睨んだ瞳も魅惑的だけどね。あっ、つくしのボンテージなんていうのも似合うんじゃない?
うんうん。ハロウィンはボンテージにネコ耳? クククッ 勿論2人切りのハロウィンでね。
うーーん 何て言って騙そうか? うーーーん
俺は、真剣に考える。眉間に皺が寄っていたようでつくしが
「っん?難しい顔してどうしたの?」
そう言いながら、眉間を人差し指で擦る。まるでお呪いでもするかのように。
思わず笑みが溢れれば
つくしの顔にも笑みが咲く。
「つくし__あのさぁ」
「っん?」
「好きだ。大好きだ」
抱きしめてしまったら歯止めが利かなくなりそうなので……ありったけの気持ちを込めながらギュッと手を握った。
待ち合わせ時間5分前に車を降りれば……峰原夫妻が今か今かと待ち構えていたようで玄関口で歓待を受ける。
峰原会長…..血統主義のいけ好かない爺かと思っていたら、氏より育ちの爺様で……夫人と共につくしと俺を可愛がってくれる。
とは言え俺は、オマケ的な存在だけど。
峰原会長がつくしを抱きしめようとする。サッとつくしを後ろに手に隠す。
ったく!この爺様ばかりは、油断も隙もありはしない。
「本当に類君は、相変わらずだね」
可笑しそうに豪快に笑う。
峰原夫人が微笑みを携えながら
「そう言えば、今朝の経済誌のお写真拝見させて頂いたわよ。おめでとう。つくしちゃん、類君」
つくしの顔にハテナが浮かんでる。
「経済誌?__おめでとうですか?」
「えぇ、とっても可愛らしく写ってたわよ」
「可愛らしく___?」
益々ハテナが浮かんでる。
「あらっ、まだご覧になってなかった? じゃぁ、あとでお見せするわね。先ずは、中に入って頂戴な」
「お邪魔致します。あっコレ、以前話したブルーベリーのジャムとスコーンです」
「あら、嬉しいわ」
つくしが動く度、シースルーのレースが艶かしく動く。
あの中に指を這わせたいなぁーなんて邪な考えばかりが
浮かんでは消え
浮かんでは消えしている。
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