スカートの中 23 類つく
「ねぇ,類君、つくしちゃん、夜、周防様にお会いする事になってるんだけど、もし良かった_ご一緒しない?何かの力になって下さるはずだから」
なんて事になっていた。
で、言うが早いか___あたしは峰原夫人に連れられて、夫人が昔着たという着物に着替えさせられいる。
__周防家って言うのは、まぁなんだそのかなりの力をもった方らしく、こうしてお宅にお邪魔するなんて事も滅多に叶わない相手らしくって。
お会い出来るのは、多分__これからの花沢には、もの凄いプラスに働くって言う説明が峰原夫人からされる。
だったら、ご恩になってる花沢のため、ニコヤカに振る舞
うしかないかって心を決めた。
帯が締められ
「うーーん。つくしちゃん綺麗。あぁ、年の合う子供や孫が居たら、我が家のお嫁さんに欲しいくらいだわ。まぁ、そうだったらこんなに気軽に類君が連れては来ないわね」
なんて事を頷きなが話してる。
あたしが綺麗? 峰原夫人は、いつも優しいなぁーなんて嬉しくなちゃった。
4人で車に乗り込んで、周防のお邸に向かった__
周防のお邸は、どこからどこまでが敷地なの?って言うくらいに広かった。
迎え入れてくれたのは__
「あらっ、まぁあ、つくしちゃん」
お辞儀をするあたしの頭上で声がして、顔を見上げれば
「ミツさん……」
「久しぶり~いつもメールありがとうね。ここには何?また取材旅行?」
「あっ、はい。って__ミツさん?なんで?」
「あぁ、そっか….ごめんねぇ。私ね、周防美都子というのよ。で、隣りの主人が噂の楽ちゃん」
「あぁ、噂の楽ちゃん!」
楽ちゃんなんて軽口叩いたあとに、あっ、マズイと思って口を抑えれば
「ぷぷっ、楽ちゃんもつくしちゃんの事良く知ってるから大丈夫よ」
峰原会長夫妻が目を白黒させて、類は隣りで必死に笑いを堪えてる。
アペリティフに辛口のシャンパーニュが目の前に運ばれてくる。シャンパングラスにトクットクッと微かな音を立て注がれる。グラスの中で黄金色の液体が微かな泡を立てている。
「つくし」
類に優しく声を掛けられて我に返る。グラスを胸元まで掲げて乾杯の挨拶を交わす。
「で、で、つくしちゃん、お隣の人が噂の王子??」
あっ!!と思った時には、既に遅く……峰原夫人が
「あらっ、王子様なんてお伝えしてるの?」
嬉しそうに茶々を入れ
「実は、この二人長い期間を婚約者として過ごしているのですが、つくしちゃんが普通の家のお嬢さんなので、中々踏み切れないようなんです……実は、周防様につくしちゃんの強力な助っ人になって頂けないかとお伺いさせて頂いたんですが__もう既にお知り合いだったとは......」
「ほぉっーそれはそれは。さて儂等は、何をすればいいかね」
ドンドンと話が進んじゃうと焦ったあたしは、慌てて首を横に振り
「滅相もございません…..こうやってお会い出来ただけで充分です」
そう口にすれば、周防氏は口許を綻ばせながら
「ふむ。そうじゃ、仲人なんかどうかね?」
えっ?
いまなんて言った?
仲人とか__なんとか? 言った?
ふーん 仲人かぁー
って?って? えっ?えっ?えっ?
仲人って、仲人って?
あたしと類の?
えぇーーーーーえぇーーー
アワアワするあたしを余所に
「あら、それは良い考えね~うふふっ」
ミツさんが___嬉しそうに微笑んで
「ありがとうございます」
ビー玉色の王子が真っ白な歯を見せて爽やかに笑ってる。
ポチッとお願いします♪

♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
- 関連記事