スカートの中 25 類つく
類の少しだけ茶色の髪がキラキラと光ってるのを見た瞬間、あたしの意識が戻ってきた。
で、Go で、ハートで、この人は、あたしを知ってたんだ。
へぇー
って……
えっ?えっ?えっ?
ちょっ、ちょっ、ちょっと待って……
あの道を何故通ってたの?
通学路? ううん違う。
プルプルと首を振る
会社? ううん違う。
もう一度プルプルと首を振ってから……
類を見る。
「あの__類は、なんであの道を?」
だよね。だよね。コレ話したら全部バレちゃうよね
だから、嫌だった。だって俺、絶対にストーカーみたいじゃん。
退くよね? 退くよね?
絶対に退くよね……
そうだ
「ツ、ツバメが居たんだ。ホラッあのコンビニに巣作ってたんだ」
「あぁー 作ってた作ってた。うんうん」
「あれを見に行ってたんだ」
「へぇー そうなんだ」
へぇー と思ったものの
あそこのツバメの巣って例年作るので有名だけど……
秋から冬にかけては藻抜けの空なわけで……
っん?っん?うんっ?
あたしが車の中の類を初めて見かけたのは、ツバメの巣なんてない時期だったもん。
頭の中がこんがらがって
「あのさぁ、その他の時期は何してたの?」
「えっ?」
珍しく類の瞳が微かに揺れている。
この瞳……何度目だろう?
と思ってからあたしは、重大な事に気が付いた。
一度目は、一緒に暮らし出す事が決まった日
二度目は、寝室を一緒にする事が決まった日。
三度目は、婚約が決まった日。
えっ?と思って
目の前の類を見れば
「__退かない?」
なんて聞いて来る。
コクンと一つ頷けば
「つくしを見てた___」
あたし、あたしを見てた?
あぁ、あたしをね。
ふぅーーーん
あっ、夕焼け空だ。真っ赤で綺麗。って
「えぇーーーーーーぇえっーーー」
俺の可愛いつくし……
ポカンとしながら無言になった。
窓の外をみて、一つ頷いてニコッと笑ってから
心底驚いて声を上げ出した。
この短時間で色んな表情するんだなぁーって関心して魅入ってしまった。
表情豊かって絶対につくしの為に存在する言葉だよね。
うん。間違いない。
一通り驚いて落ち着いたのか?
零れ落ちそうな瞳で俺を見て
「__なんで?あたしを見てたの?」
「わかんない__気が付いたらあんたを見てた」
目をパチクリさせて
「で、あのコンビニに来てたの?」
そう聞かれて俺が「うん」と頷けば
じゃぁ肉まん頬張った姿とかも見られてたの?なんて頓珍漢な事を聞いて来る。
見てた__肉まんになりたいって思いながら見てた。
それだけじゃない
見てた。見てた。
全部見てた。
この先は、死んでも言えないけど……
夏休み期間は、寂しいからバイト先まで見に行ってた。
でもって……バイト先は買い取った。
だから、つくしのバイト先……途中から女子だけになったでしょ?
あっ、チーフの男性社員とマネージャーの男は、ラブラブカップルだったから良しとしてたんだ。
あははっ、これは死んでも内緒だけど……
モニーターチェック……俺のパソコンやスマホからいつでも覗けたから……つくしの出勤日は楽しみで仕方なかった。
そうそう、買収したお店.....
すごく繁盛店になちゃって、チェーン店も増えちゃって
去年、二部上場したんだよ……
実は、あの店だけじゃないんだ。
あんた関連で買収したお店や企業……みんなメキメキと売り上げ上げているんだよね。
あははっ
でもそんな事を言ったら退くよね?
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