スカートの中 26 類つく
何故かこの場に不釣り合いな事を聞いていた。
「類って、朝苦手だよね?」
「うん」
「じゃぁ、あたしを見に来る日ってどうしてたの?」
「目覚まし時計かけてた」
へぇー目覚ましかぁー って
「えっ?目覚ましで起きれるの?」
目覚ましじゃ起きれない。って言うから、あたしがいつも起こしてた。逃避行中は、加代さんに迷惑かけちゃうから電話をして起こしてた。
なのに、なのにだ、類は「うん」なんて屈託なく笑ってる。
もぉう。今度から一人で起きて貰うからね!
いやいや……
今はそんな事じゃないんだ。
いやっ、
そんな事か。
うんっ?
やっぱりそんな事じゃない?
あぁーもう一体全体何がどうなって、コレがどうなってるんだか全くもって解らない。
でもやっぱり
「類、今度から朝は一人で起きてね」
そう言い渡す。
「やだ」
ヒョッ?やだ?やだってなんだ?
「好きな人に起こして貰って初めて朝頑張ろうって思えるんだもん」
だもん?だもんって、あんた子供かい!
なんて思うのに、ちょっぴり口を尖らせながら訴える類は、母性本能くすぐりっぱなしで、あたしの胸をキュンキュンさせる。
胸キュンキュンさせてる場合じゃないんだけどなぁーなんて思ったら、お腹がグゥ~っと鳴り響いた。
まぁなんてタイミングが良いお腹なんだろう。いやっ、悪いか?
どっちにしろお腹は、ペコペコなわけで一旦保留してから夕飯を食べる事に落ち着いた。
お腹がいっぱいになったら、深刻な話するのが面倒になちゃって、婚約破棄についての話は、後日に持ち込みとなってお風呂に入った後……今日も仲良くベッドに飛び込んでた。
しかも、しかも
「キスしてもいい?」
そう聞かれたあたしは、コクンと頷いてた。
頷いた瞬間___あたしは、何があっても類と離れられないんだろうな。って解った。
だって……
類とのキスは、虹色に輝いている。色んな色が混ざり合いながらも一つ一つがはっきりと主張しあって、なのに……色んな色が混ざりあってとても美しい。
類の手が触れる箇所には、甘美な疼きが襲ってくる。抗えるわけがない。
その瞬間
一生黙っていようと思った言葉が溢れ出た
「類、愛してる」
言わないと決めていた言葉がフワリと漂えば
「知ってるよ……あんたが俺を好きだって言う事くらい」
優しく微笑みながらそんな言葉を返してくる。
「……いつから?」
「最初から知ってた」
嬉しそうに笑いながら言葉を続ける。
「キスしてもいい?」
あたしは、類に問う。類の頭がコクンと揺れた。
二人で奏でる極上の調べ…….
類の瞳には
あたしだけが
あたしの瞳には
類だけが
幸せに笑って映ってる。
パジャマのボタンが一つ一つ外される。
今宵も、赤い花が咲く。
白い裸体に幸福の赤い花が咲き、極上の音が響き渡る。
あたしは、類を愛してる。
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