スカートの中 27 類つく
愛する彼女の唇から紡ぎ出された言葉は、この上ない幸せを俺に齎す。
知ってたよ__あんたが俺を愛してるって
俺等が出会う前から俺は、あんただけを見つめてた。
あんたが、俺だけを見つめてたように。
キスしていい?
そう聞かれた瞬間、俺の心は嬉しさで震えた。涙が出そうになって慌てて俯いてコクンとすれば……
つくしの指が俺の頬に触れ唇と唇が合わさった。
唇が合わさった瞬間
かつて感じた事のない様な嬉しさがこみ上げて来る。
力の限りでつくしを抱き締める。
愛してる 愛してる 愛してる
あんたの百万倍愛してる。
恋は、より多く愛した奴の負け。誰かが言ってったっけ?
でも……それは違う。
恋は、より多く愛した奴が極上の幸せを感じる事が出来るんだ。
だって……
俺、凄い幸せだ。
幸せで幸せで気が狂いそうな程に幸せだ。
愛するつくしを抱き締めながら俺は、全てを謝る決意をする。
「つくし……ごめん」
「なんで……謝るの?あたしが嫌いになちゃったの?」
この期に及んで嫌いになちゃったはないよね?
ねぇ、そんなに俺の事好きだって思っていてくれてるって錯覚してもいい?
「嫌いになるワケないよ」
つくしの黒い瞳が揺れながら
「じゃぁ なんで?」
全ての勇気を振り絞って
「あんたの可能性を俺が、花沢が、全て潰してしまった……」
キョトンとしながら俺を見て
「あたしの可能性?……類、何言ってるの?」
つくしを放したくなくて、隠していた思いを懺悔する。
「つくしだったら何でもなれる。あんたが望めばどんな男もあんたを放っておかないし、あんたが描いた未来を手に入れる事ができる。それなのに……俺があんたを愛したばっかりにあんたの未来を狭めてる」
「___類、何言ってるのか解んない。あたしが望んだらって……あたしモテないし。ホラッ就職だって経済誌以外は全滅だったでしょ」
「ごめん……花沢の上層部が全部邪魔をしたみたいなんだ。あんたの就職活動......全落ちすれば花沢に入社するからって」
そう、つくしが関わったお店や企業が軒並み業績を上げてるもんだから__ゲン担ぎの大好きな上層部の人間達は、こぞってつくしを欲しがったんだ。
「えっ?経済誌は受かったよ?」
「それは、邪魔しなかったみたいなんだ」
「__じゃぁ、いいよ」
「えっ?」
驚いたのは、俺だった。
「あたしの第一志望……ここだけはちゃんと手出ししないように阻止してくれたんでしょ。だからいいよ」
そう言ってニッコリ笑った後に
「それにあたし、普通の恋はしてみたかったし、今もしてみたいけど……でも、多分……ううん絶対類しか欲しいって思えないから。あたしは、類しか手に入れられないよ」
「____本当にいいの?」
「うーん、朝ちゃんと一人で起きる?」
「__努力するように頑張る」
「朝ご飯しっかり食べる?」
「つくしが居てくれたらちゃんと食べる」
そんなやり取りが幾つかあって、
「じゃぁ、もういいよ。___あっ、もう一個だけ忘れてた……」
そう言った後に......
真っ赤になってモジモジしだした。
モジモジ、モジモジして
うーーーん だの
はぁっー だの散々言った後に......
「ずっとずっとあたしを愛してくれる?」
幸せに色をつけるとしたら何色だろう?
そんなことを考えながらつくしを目一杯抱き締めて俺は、つくしに誓う
「勿論だよ。つくしがもう俺なんて要らないって言っても付いて行く」
「うぷぷっぷぷっ__要らないなんて言わないよ」
真っ赤になって笑うつくしをもう一度抱き締める。
やっ、痛いー やらなんやら言ってるけど、嬉しくて嬉しくて
ギュッと
ギュッと抱き締める。
俺の女神が腕の中にいる。
明日は最終回♪

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