ずっとずっと 11
「うぅ~ あづいぃ~」
毎日この一言から朝が始まる毎日。京都の夏は暑いったらありゃしない。まだ梅雨が明けたばかりだというのに茹だるような暑さが続いてる。
なのになのに、そんな暑さもなんのその~お盆明け、NYのあいつに会いに行く予定のあたしは朝起きる度にウキウキしてる。あいつに会うのが楽しみで仕方ない。
チケット買った!
英会話も随分上達した!
大学生になって少しは綺麗になった?
…うーんこれは難しいかぁ。
な~んて考えながらも、ニヤニヤは止まらない。
あまりに長い夏休み。流石に授業が無いと暇でしょうがないな~。
暑い夏はゆっくり寺院巡りという感じでもないし、長いお休み期間はかおるちゃんはホームスティにいってしまう。
そんなあたしに、万理さんから天の声。
「つくしちゃん夏休みの間知り合いのお店のお手伝いをしていただけないからしら?蓉子先生も懇意にしてるお店だから変な所じゃないと思うの、どうかしら?」
万理さんが言い終わるより先に
「ありがとうございます!!よろしくお願い致します。」
と言うあたし。
紹介されたお店は、な、なんと一見さんお断りの高級料亭 “多神楽” 聞けば ここ “多神楽” の仲居さん達は、プロ級のプロだというじゃないか。
普段バイトなんて、とらないらしいのだけど…だ、大丈夫か?あたし。
かおるちゃんに話したらクスクス笑って
「多分ね、蓉子叔母さん達のつくしちゃん自慢のせいだと思うよ~~ 気楽にいって大丈夫よ~」
「えっ”” …イヤイヤ それじゃ余計拙くないのかなぁ…蓉子先生の評判ガタ落ちになったらどうしようぅ」
「所作も綺麗。着物も着れる。英会話もOK。なににもましてつくしちゃんの笑顔は天下一品だから大丈夫!!私からも太鼓判を進ぜよう~」
……事も無げに言うかおるちゃん。それでもグジグジするあたし…
「もうOKしちゃったんでしょ?万理さんの顔潰しちゃうと悪いんじゃないのぉ~ それに中々出来る経験じゃないからもったいないよ~」
「…ウゥッ…」
あたしの落としどころを良く知るかおるちゃんだった。
勇気をもらったのか貰えなかったのかよく解らないまま、女は度胸…イヤイヤ愛嬌でしょ~ なんて独りでノリ突っ込みをしながら訪れた “多神楽”
呼び鈴を押す。
「どうぞおはいりやす」 裏門が開く。
裏門をくぐり抜けた瞬間、大きな壁にぶつかる。
ふわりと香の匂いが立ち込める。
「あんだよ たくっ!!気をつけろよ」
かぐわしい香の匂いとは相反する邪見な言葉。
「ごめんなさい」
上を見上げるとF4に負けず劣らずの美しい男が立っていた。
「あっ、お前!学食に居たやつじゃん。ここで何やってんだよ」
見知らぬ男があたしに問うてくる
「…誰?学食って…大学の?」
自分の事を知らない奴が居たなんてと驚きだとばかりに
「学食は学食に決まってるだろ! それ以外どこがあるんだ お前バカか?」
あまりに横柄な態度に頭に来たけど、こんな所で時間をくってはいけないと思い直したあたしはいつもよりもわざと丁寧に
「お前ではなく、ほ・し・の・つ・く・し と、申します」 と慇懃無礼に言い放つ。
瞬間男が大笑いしながら
「アッハハッハ腹いてぇ お前すげぇな~ 久しぶりに見たわ」
「……」
無言になるあたし。
「俺は神楽悠斗(かぐらゆうと) 京大3回生。でもってここ俺んち。で、お前何の用?」
「ですから、神楽さん私はお前ではなく星野つくしです。」
「ワリィ ワリィ で、星野つくしは何の用だよ?」
説明しようとすると
「あっ、やべぇっ 忙しくっておめぇと話してる場合じゃなかったんだったわ」と、言い捨てその場を去って行った。
「はぁっ~」 だーっつの!!
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毎日この一言から朝が始まる毎日。京都の夏は暑いったらありゃしない。まだ梅雨が明けたばかりだというのに茹だるような暑さが続いてる。
なのになのに、そんな暑さもなんのその~お盆明け、NYのあいつに会いに行く予定のあたしは朝起きる度にウキウキしてる。あいつに会うのが楽しみで仕方ない。
チケット買った!
英会話も随分上達した!
大学生になって少しは綺麗になった?
…うーんこれは難しいかぁ。
な~んて考えながらも、ニヤニヤは止まらない。
あまりに長い夏休み。流石に授業が無いと暇でしょうがないな~。
暑い夏はゆっくり寺院巡りという感じでもないし、長いお休み期間はかおるちゃんはホームスティにいってしまう。
そんなあたしに、万理さんから天の声。
「つくしちゃん夏休みの間知り合いのお店のお手伝いをしていただけないからしら?蓉子先生も懇意にしてるお店だから変な所じゃないと思うの、どうかしら?」
万理さんが言い終わるより先に
「ありがとうございます!!よろしくお願い致します。」
と言うあたし。
紹介されたお店は、な、なんと一見さんお断りの高級料亭 “多神楽” 聞けば ここ “多神楽” の仲居さん達は、プロ級のプロだというじゃないか。
普段バイトなんて、とらないらしいのだけど…だ、大丈夫か?あたし。
かおるちゃんに話したらクスクス笑って
「多分ね、蓉子叔母さん達のつくしちゃん自慢のせいだと思うよ~~ 気楽にいって大丈夫よ~」
「えっ”” …イヤイヤ それじゃ余計拙くないのかなぁ…蓉子先生の評判ガタ落ちになったらどうしようぅ」
「所作も綺麗。着物も着れる。英会話もOK。なににもましてつくしちゃんの笑顔は天下一品だから大丈夫!!私からも太鼓判を進ぜよう~」
……事も無げに言うかおるちゃん。それでもグジグジするあたし…
「もうOKしちゃったんでしょ?万理さんの顔潰しちゃうと悪いんじゃないのぉ~ それに中々出来る経験じゃないからもったいないよ~」
「…ウゥッ…」
あたしの落としどころを良く知るかおるちゃんだった。
勇気をもらったのか貰えなかったのかよく解らないまま、女は度胸…イヤイヤ愛嬌でしょ~ なんて独りでノリ突っ込みをしながら訪れた “多神楽”
呼び鈴を押す。
「どうぞおはいりやす」 裏門が開く。
裏門をくぐり抜けた瞬間、大きな壁にぶつかる。
ふわりと香の匂いが立ち込める。
「あんだよ たくっ!!気をつけろよ」
かぐわしい香の匂いとは相反する邪見な言葉。
「ごめんなさい」
上を見上げるとF4に負けず劣らずの美しい男が立っていた。
「あっ、お前!学食に居たやつじゃん。ここで何やってんだよ」
見知らぬ男があたしに問うてくる
「…誰?学食って…大学の?」
自分の事を知らない奴が居たなんてと驚きだとばかりに
「学食は学食に決まってるだろ! それ以外どこがあるんだ お前バカか?」
あまりに横柄な態度に頭に来たけど、こんな所で時間をくってはいけないと思い直したあたしはいつもよりもわざと丁寧に
「お前ではなく、ほ・し・の・つ・く・し と、申します」 と慇懃無礼に言い放つ。
瞬間男が大笑いしながら
「アッハハッハ腹いてぇ お前すげぇな~ 久しぶりに見たわ」
「……」
無言になるあたし。
「俺は神楽悠斗(かぐらゆうと) 京大3回生。でもってここ俺んち。で、お前何の用?」
「ですから、神楽さん私はお前ではなく星野つくしです。」
「ワリィ ワリィ で、星野つくしは何の用だよ?」
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「あっ、やべぇっ 忙しくっておめぇと話してる場合じゃなかったんだったわ」と、言い捨てその場を去って行った。
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