ヒーロー 中編 いつかあなたと......番外編
生まれる前から大好きだった。俺の可愛いマリア。
つくしちゃんの大きなお腹を良く触らせてもらった。
「ジョアン、いい男になりなさい」
ママに、マミーに良く言われた言葉。
マリアが居る所はすぐ分かる。どんなに人混みに紛れてもマリアの居る場所がキラキラと輝いているから。
マリアが7つ俺が9つの時__マリアのパパが現れて俺の前からマリアが消えた。
寂しくて悲しくて身体が二つに裂けちゃうかと思った。
大泣きする俺にママは
「ジョアン、いい男になりなさい」
いつもの言葉を言ったんだ。
サマーバーケーションは、藤堂の屋敷で過ごすのが恒例になったのは翌年からだ。
夏の間は、マリアと一緒にいれる。マリアに少しでもかっこ良いと思われたくて、勉強も運動も遊びも人の2倍、ううん3倍頑張った。
マミーもパミーも滅茶苦茶に俺とマリアを可愛がってくれた。
時折、楓さんや忍さんとも食事をとった。
司さんは、ちょっぴり苦手だけど__つくしちゃんには、滅茶苦茶可愛がられてる。
頭脳明晰の俺は、3度目の夏に気が付いた。道明寺財閥の大きさに。マリアと俺の身分の違いに___
このままじゃマリアを手に入れられない。慌てふためいて俺は、綿密に人生計画を立てた。
手始めに行ったのは、パパやママに許しを得て株式投資を始めることだった。感覚が掴めた俺は、両親には内緒にして次のステップに進んだ。
俺の名義じゃ出来る事が限られて来るから__バイヤールのパピーにお願いし指示通りに売買してもらった。お陰である程度の財産を築く事が出来た。
15の年に会社設立を果たした。売り上げは順調に伸びている。
株式投資、会社経営幾つかの実績を作った上で藤堂を継がせて貰いたい__そう願い出た。マミーもパミーも驚きながら大喜びしてくれた。
ママが捨てた柵を俺は求めた。 マリアを手に入れるため。
なのに、なのに___マリアの目に俺はお兄ちゃんとしてしか映らない。
無邪気に腕を絡ませながら
「ジョアンお兄ちゃん」
ふざけながら可愛い笑顔で、可愛い声で俺を呼ぶ。
愛おしくて愛おしくて
残酷な俺のマリア。
日々、薫り立つ花のように美しく美しく成長する愛おしいマリア。
マリアに注がれる沢山の賞賛の眼差し。
まだまだねんねのマリアは、そんな視線に気が付きもせず
「ジョアン、ジョアン」
俺の名を呼ぶ。子犬のようにじゃれつきながら。
* ****
マリアの20才の誕生日__
真っ赤に燃え上がるような深紅のドレスを身に纏いマリアは俺の前に現れた。
「ジョアン、ジョアン、ねぇどう似合う?」
あどけなさの中に見え隠れするあまりの妖艶さにムクムクと嫉妬心が燃え上がった
「__似合わない」
ムスッと答えれば
__大きな黒い瞳で俺を見つめ、ギュッとドレスを掴む
「ジョアンのバカ__大嫌い」
「バカはないだろう?似合ってないから似合ってないっていっただけだ」
退くに退けなくて___
嫌いって言われた事がショックで語気を荒くした瞬間
桜子ちゃんの声がした。
「マリア、マリア、はいコレ。ジョアンに渡すんでしょ?」
桜子ちゃんが俺とマリアを交互に見てから__
「ジョアン」
俺の頭を一つ小突いてブートニアを胸に挿した。
深紅のドレスと同じ色の薔薇のブートニア___
マリアの髪に挿された深紅の薔薇と一緒のブートニア
「ジョアンのバカ__」
ポタンッ
ポタンッ
マリアが涙を流す……
「マリア?」
「ジョアンなんて、ジョアンなんて……」
ポタンッ
ポタンッ
「__ごめん。ごめん。ごめん。泣かないで。マリア。ごめん。ごめん。お願いだから泣かないで」
「__じゃぁ、責任とって」
「な、な、なんの責任?」
「泣かした責任__」
「取る。取る。取るから泣きんで」
マリアの涙を見たくなくてワケもわからず叫んでた。
「うん__約束だよ?」
「約束する」
「約束破ったら、ジョアンの事大嫌いになるよ」
「絶対に破らないから」
次の瞬間、20年間俺を魅了し続けてる笑い顔を浮かべた。
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
つくしちゃんの大きなお腹を良く触らせてもらった。
「ジョアン、いい男になりなさい」
ママに、マミーに良く言われた言葉。
マリアが居る所はすぐ分かる。どんなに人混みに紛れてもマリアの居る場所がキラキラと輝いているから。
マリアが7つ俺が9つの時__マリアのパパが現れて俺の前からマリアが消えた。
寂しくて悲しくて身体が二つに裂けちゃうかと思った。
大泣きする俺にママは
「ジョアン、いい男になりなさい」
いつもの言葉を言ったんだ。
サマーバーケーションは、藤堂の屋敷で過ごすのが恒例になったのは翌年からだ。
夏の間は、マリアと一緒にいれる。マリアに少しでもかっこ良いと思われたくて、勉強も運動も遊びも人の2倍、ううん3倍頑張った。
マミーもパミーも滅茶苦茶に俺とマリアを可愛がってくれた。
時折、楓さんや忍さんとも食事をとった。
司さんは、ちょっぴり苦手だけど__つくしちゃんには、滅茶苦茶可愛がられてる。
頭脳明晰の俺は、3度目の夏に気が付いた。道明寺財閥の大きさに。マリアと俺の身分の違いに___
このままじゃマリアを手に入れられない。慌てふためいて俺は、綿密に人生計画を立てた。
手始めに行ったのは、パパやママに許しを得て株式投資を始めることだった。感覚が掴めた俺は、両親には内緒にして次のステップに進んだ。
俺の名義じゃ出来る事が限られて来るから__バイヤールのパピーにお願いし指示通りに売買してもらった。お陰である程度の財産を築く事が出来た。
15の年に会社設立を果たした。売り上げは順調に伸びている。
株式投資、会社経営幾つかの実績を作った上で藤堂を継がせて貰いたい__そう願い出た。マミーもパミーも驚きながら大喜びしてくれた。
ママが捨てた柵を俺は求めた。 マリアを手に入れるため。
なのに、なのに___マリアの目に俺はお兄ちゃんとしてしか映らない。
無邪気に腕を絡ませながら
「ジョアンお兄ちゃん」
ふざけながら可愛い笑顔で、可愛い声で俺を呼ぶ。
愛おしくて愛おしくて
残酷な俺のマリア。
日々、薫り立つ花のように美しく美しく成長する愛おしいマリア。
マリアに注がれる沢山の賞賛の眼差し。
まだまだねんねのマリアは、そんな視線に気が付きもせず
「ジョアン、ジョアン」
俺の名を呼ぶ。子犬のようにじゃれつきながら。
* ****
マリアの20才の誕生日__
真っ赤に燃え上がるような深紅のドレスを身に纏いマリアは俺の前に現れた。
「ジョアン、ジョアン、ねぇどう似合う?」
あどけなさの中に見え隠れするあまりの妖艶さにムクムクと嫉妬心が燃え上がった
「__似合わない」
ムスッと答えれば
__大きな黒い瞳で俺を見つめ、ギュッとドレスを掴む
「ジョアンのバカ__大嫌い」
「バカはないだろう?似合ってないから似合ってないっていっただけだ」
退くに退けなくて___
嫌いって言われた事がショックで語気を荒くした瞬間
桜子ちゃんの声がした。
「マリア、マリア、はいコレ。ジョアンに渡すんでしょ?」
桜子ちゃんが俺とマリアを交互に見てから__
「ジョアン」
俺の頭を一つ小突いてブートニアを胸に挿した。
深紅のドレスと同じ色の薔薇のブートニア___
マリアの髪に挿された深紅の薔薇と一緒のブートニア
「ジョアンのバカ__」
ポタンッ
ポタンッ
マリアが涙を流す……
「マリア?」
「ジョアンなんて、ジョアンなんて……」
ポタンッ
ポタンッ
「__ごめん。ごめん。ごめん。泣かないで。マリア。ごめん。ごめん。お願いだから泣かないで」
「__じゃぁ、責任とって」
「な、な、なんの責任?」
「泣かした責任__」
「取る。取る。取るから泣きんで」
マリアの涙を見たくなくてワケもわからず叫んでた。
「うん__約束だよ?」
「約束する」
「約束破ったら、ジョアンの事大嫌いになるよ」
「絶対に破らないから」
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