明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

きっと明日は 総つく

爪を噛む__一人寂しく爪を噛む。
愛しても、愛してもどうにもならなくて__爪を噛む。

夕方から降り始めた雨は時間を経つ事に……強く激しくなっていく。まるでつくしの心の中のように。

つくしは立ち上がり外を見た__

刹那

窓ガラスに映った顔がとても醜く見えて__慌ててカーテンを勢い良く閉めた。


パチンッ
真っ暗だった部屋に灯りを付ければ疾うに冷めてしまった料理が目に入って来る。

「来るって言ったのに__」

ツゥッーーーと頬に涙が伝う。つくしは哀しい心を押し隠すように口角をあげ笑顔を作る。

「大丈夫、大丈夫__あたしは、まだ頑張れる」

一人呟いて……冷めてしまった料理を片付ける。会える事を楽しみに男の喜ぶものを丹誠込めて作った。楽しみにしていた分だけ辛さが募る。

「総……総……」

両手で力一杯自分を抱き締めながら愛する男の名を呼ぶ。愛して愛して止まない名を。

身分違いの恋__懲りた筈なのにもう二度としないと誓った筈なのに……つくしは総二郎の心と出逢ってしまった。

だったら出逢わなければ良かった?
つくしは自問自答する。そして首を振る__総二郎の心の深い部分と出逢う事が出来てとても幸せだと。

だけど__会えない夜は心の中に哀しみが生まれ疑わなくてもいい事まで疑ってしまう。もう自分の事は飽きてしまったのか?他に好きな人が出来たのではないか?そんな事まで考えてつくしの心は絶望に打ち拉がれる。



「俺を信じて待っていて欲しい」

総二郎に言われる度につくしの心が喜びで震える。身分違いの恋だと、成就しない恋だと諦めているのにも関わらず総二郎の言葉に縋って心が震える。期待に胸を膨らませても辛い結果が待っている……そう知っている筈なのにも関わらず心が歓喜の声を上げる。一縷の望みに縋り付きたくなる__


まるで窒息してしまいそうになるほどに一日一日とつくしの心の中に愛が降り積もっていく___


「ふぅっーーー」
暗い考えはお終いとばかりに目を瞑り吐息を吐いた。


ピンポーン
チャイムの音がする。幸運の音がする。逸る心を抑えながらドアスコープを見てみれば__総二郎が立っている。嬉しさを隠し切れず満面の笑みを浮かべながら目一杯ドアをあけて迎え入れる。


「ごめんな。遅くなって__何度かスマホに連絡いれたんだけど……ってか、お前また電源切ってないか?」

「__えっ?」

慌ててスマホを確認すれば__総二郎の言う通り電源が切れている。

「やっぱな__ラインはいつまで経っても未読だは。電話にはでねぇはで、コッチの方が生きた心地がしなかった」

「__ごめんね」

「いやっ、遅れちまったのは俺だし悪いのは俺だ____あっ、でもちょっと待てよ。悪いのはやっぱりつくしだな」

総二郎の戯けた物言いにつくしの心は、一気に幸せな気分で満たされていく。


「悪いのは、総ですよぉーだ」

首を振り態と頬を膨らませて言い返す。会えた事がただただ嬉しくて溢れる程に笑顔画出て来る。

「ったく、ガキみたいな顔しやがって」

クシャリと笑いながら手を伸ばしつくしを抱き締め頬に指をそっと這わせる。

「なぁ、やっぱり悪いのはお前だわ__お前一人で勝手に色々考えて泣いたろ?」

「…な……な…泣いて何かないもん」

「化粧とれとれで泣いてないもないだろうよ?」

「…………」

つくしが下を向けば顎をクイッと持ち上げキスを落とす。深い深い蕩ける様なキスを。舌先がつくしの歯列をなぞり上げ口腔内に割り込んで行く。ゆっくりとゆっくり弄ぶかのように。言葉も何も要らない程にお互いがお互いを求め合う。強く深く絶頂を迎える。愛する者を抱く喜びと、愛する者から抱かれる喜びを噛み締めながら

「つくし逝くぞ」

二人同時に果て快楽に漂う。総二郎の美しい指先が宝物を愛でるようにつくしの髪を撫でる。

「ったく__お前、ホント悪りぃわ」

「__もう、何それ」

「最初に話しがあったのに__ったく、誘惑に負けちまった」

「……ゆ、ゆ、誘惑って誘惑なんてしてません。総があたしを誘惑したんでしょ」

ムギュッと総二郎の腕を抓る

「痛っ__ホントお前ばっかりは」

「総二郎が意地悪な事言うからだよぉーだ」

嬉しそうに目を細めながら総二郎は目の前の女を見つめ軽くキスをする。

「なぁ、結婚しよう」

唐突に紡がれる結婚の2文字につくしは、あんぐりと口を開け目の前の男をただただ見つめる。

「返事は?」

「なんで?」

「なんでって__プロポーズの答えがそれか?ったく、色気ねぇなぁーって。おいっ泣くな」

「__っすん__だって__だって__っすん」

「なぁ、それってOKってことか?」

でも、でもと答えを言い渋るつくしに向けて

「西門の関係者には全部了承させてきた……だから心配するな……だから俺のものになれ」

「__でも__後悔しない?」

「はっ?後悔?後悔なんてするワケねぇだろうよ。絶対に後悔しねぇし、お前にもさせねぇよ」

「すっんっ…ぐっすん…...えぇぇぇーーーん」

「だから泣かない。返事は?」

「__うん」

「嫁さんになってくれるか?」

「はい」

二人揃って破顔する。

あんなにも激しく降っていた雨は、いつの間にか上がり星が瞬いている。




きっと明日は雲一つなく晴れ渡るだろう。








↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ





♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥


つくし仲間のJさんが今月お誕生日を迎えると聞き、
無理矢理言わせたい台詞を頂戴して__
送りつけちゃいました。(笑)



お誕生日おめでとうございます♪

関連記事
スポンサーサイト



6 Comments

asuhana  

じゅんさま

あらっ嬉しい♡

じゅんさん 大変大変 つくし仲間メッチャいないw

うひょーんだよ

楽しい誕生日をお迎え下さいね

2016/11/06 (Sun) 17:58 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/11/06 (Sun) 14:20 | EDIT | REPLY |   

asu  

さとぴょんさん

くくっく

嫁に来ないか~が頭のなかを流れたよ(笑)
何故か歌ってる顔までもが……

って……知ってるあたしも大概古い(笑)

ウキキッ



2016/11/05 (Sat) 19:20 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/11/05 (Sat) 11:00 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

yukikoさま

yukikoさーん
おはよう♪

そうそう正しく__ザつくし。
ってか、確認しろって話しですが。

無用の長物__ですよねww


うふふっ いつもありがとうねー♪
そして、そしてSS100! 伴奏宜しくね〜

2016/11/05 (Sat) 07:26 | EDIT | REPLY |   

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2016/11/05 (Sat) 01:30 | EDIT | REPLY |   

Add your comment