No.005 いい事思いついた! あきつく
ミャーミャー鳴いてたかららしいんだけど__なんか安易だし……男なのになんか変だよね?
それなのに
「ミャーミャ ミャーミャ」
つくしに呼ばれれば
ミャー 一声鳴いてから、嬉しくって喉をゴロゴロ鳴らしながら脚に頭をなすりつけちゃうんだ。
カラ カラ カラン
つくしがカリカリをお皿に入れてくれる。
チェッ
今日はカリカリかぁって思うけど……
お給料日前って言うの?だから仕方ないんだよね。うん、仕方ない。
だって一人暮らしのOLさんは大変なんだって。隣りの吉田さんが言ってたもん。
吉田さんって言うのは、いつも頭にピンクのターバン巻いてる元気いっぱいのおばちゃん。
ガハガハ笑いながら時折つくしに差し入れ持って来てくれる人のよいお隣さんだ。
あっ、脱線、脱線すぐ脱線しちゃうね。これ僕の悪い癖なんだよね。
先ずは集中、集中 ご飯に集中だ!
「ミャーミャ美味しかった?エライエライ全部綺麗に食べたね」
つくしが僕を抱き上げて頭を撫でてくれる。
優しく優しく僕を撫でてくれるんだ。
お腹もいっぱいだし
それに何よりも
つくしのお膝は温かくてすぐに眠っちゃう。
スゥースゥースゥー
♪♪♪
僕は、雨の日に拾われた。つくしとミマサカ2人で拾ってくれたんだ。
僕は密かに__ミマサカがパパになってくれたらいいのにって思ってる。
なんで?って
__お土産のネコ缶......超高級なんだよ。あのジューシーさ うーーん思い出すだけで涎が出ちゃう
ムニャムニャムニャ
「ミャーミャは、食いしん坊さんですねー寝んねしてても食べてる夢ですか~?」
つくしが優しく笑うの夢の中で聞く。
食いしん坊さんは、つくしだよぉなんて言い返しながら
つくしの朝は、中々に忙しい。ジリジリジリなる目覚まし時計で朝起きて、僕にお水とカリカリご飯を出して自分もご飯を食べて__お化粧して慌てて出て行く。小ちゃな時は、つくしと離れるのが嫌だから盛大に悪戯したりミャーミャー鳴いて困らせたけど、ちょっぴりお兄ちゃんになった僕は、大人しくいい子にしてるんだ。
つくしを困らせたらご飯食べれなくなっちゃうからね。
エヘッン
つくしは時折ものすごくご機嫌になって帰って来る。例えば今日だ
「ミャーミャ元気でしゅか♡」
こんな日は、決まって高級ネコ缶を持っていて
__パチンッと缶を開けた瞬間__良い匂いが漂って来る。
「美作さんからのお土産だよぉ~ ミャーミャに会いたいから日曜日遊びにくるって。良かったねぇ♪ミャーミャ」
うんっ?ミマサカが来て一番嬉しいのはつくしだよね?
だって__ミマサカがくる日は、つくしの顔が輝いてるもん。
ミャーミャー
「えへへっ、そうか、そうか、そんなに嬉しいかぁ」
つくしが嬉しそうに笑う月夜の晩だ。
月夜の晩に僕はネコ魔法をかける。
ニャンニャンニャン
つくし__早くミマサカとくっ付いちゃって僕に美味しいのいっぱい食べさせてねって。
ミャーミャー
あっ!いいこと思いついた__
日曜日__ミマサカが帰りそうになる度に邪魔をした。小ちゃな頃みたいに邪魔をした。
「ごめん 美作さん忙しいのに」
「全然__ミャーミャどうしたのかね?」
「うーん」
なんて会話が何度か繰り返されて__お互い好き同士だもん。
そりゃ
ねっ
お陰で僕は、高級ネコ缶食べ放題だ。やったね
なのに__なのに__
「あっ、あきらさん、ミャーミャに毎回そのネコ缶はダメだよ。ちゃんとカリカリ食べさせなきゃ」
あははっ ガックシ
やっぱりカリカリが
僕の毎日
でも__つくしとあきら2人が毎日幸せそうだから……まぁっ、いいかな。
ミャー
まぁっいいか。そんな幸せもありだと思う


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