レッスン その後のお話 総つく
気合いを入れてた筈の俺‥‥
気合い入れ過ぎてちょこっと落ち着けと酒を飲んだら、1杯が2杯、2杯が3杯と続き、ありえねぇくらい飲んじまって、いつの間にか寝てた俺‥…
あいつの独り言を微睡みの中で聞く‥…
「うーーーん。やっぱり色っぽいねぇー 伊達に女たぶらかしてないね~このお師匠さんは、」
俺のおでこを指でパチンと弾く。
な、な、なんだこいつは? やっぱり牧野だなぁー なんだか可笑しくなって、なんだか幸せになって、ついでにいい気分で朝まで寝てしまった。
チュンチュン
小鳥のさえずり声で目を覚ます。
当然の如く、牧野は自室に帰ったらしく、俺は一人で寝ていた。
「はぁっーー 俺なにやってんだ。」
しかも、二日酔いときてる。
頭の中で今日のスケジュールを反芻する。
ちょっと考えて‥…
あっ、昨日は牧野から酒飲もうと誘って来たから今日は久しぶりのオフの筈だ。
安堵して、俺は考える。あいつ今日何やってんだろうかって?
取りあえず、二日酔いを治す為にひとっ風呂浴びる事にした。
やっとこ素面に戻った俺は、自問自答する。
俺は牧野を好きなんか? YES
俺は牧野を愛してんか? YES
胸ねぇぞ、グラマーじゃねぇぞ、ついでに色気もねぇぞ‥それでもいいんか俺? YES
司の元カノだぞ。類の想い人だぞ。それでもいいんか俺? YES
貧乏だぞ。後ろ盾ねぇぞ。それでもいいんか俺? YES
あいつアレしろコレしろ五月蝿ぇぞ いいんか俺? YES
すげぇ偉そうに説教垂れてくんぞ、浮気なんてぜってぇー出来ないぞ、もう牧野で打ち止めだぞ、それでもいいんか俺? どんなに考えても、答えはYESしか出てこねぇ
なぁ俺‥… 牧野にいつからそんなに惚れてたんだ。
なぁ俺‥… 牧野が好きだって気が付いて、中坊ん時みたくドキドキしてるぞ
なぁ俺‥… 俺幸せになっていいか?
なぁ俺‥… 好きな女と未来を夢見ていいんか?
パタパタ廊下を走る音がする‥…
あいつの音だ。
所作が綺麗になったのにも関わらず、あいつ俺の部屋に来る時だけは、小走りで来んだよな。
バーンッ 襖が開く
「わ、わ、若宗匠、た、た、大変です。きょ、今日 重鎮の方々との会食が入ってました。」
「あっ?」
「スミマセン。今日と明日間違えておりました。」
今までのなんだかポエムのような俺とおさらばして、慌てて時間を見る。11時を指している。
「‥…それ何時からだ」
「12時半に 料亭 はなの です。」
「じゃぁ間に合う。慌てんな。牧野もだよな?」
「はい。お家元と家元夫人もご一緒です。」
「じゃぁ、お前も用意しろ。」
「はい。では40分後。」
コーヒーを飲み、着替えを済まし、牧野を待つ。
きっかり40分後、支度を終えた牧野が顔を出す。
「若宗匠、お待たせしました。」
恋心を認識した俺は、牧野に艶やかな着物姿にドキドキしちまう。
このまま押し倒したくなるが、流石にそれはヤバいな。
「まぁ、まだ時間には早いから落ち着けや。はなのだったらこっからなら20分もありゃ着くよ。」
「はい。本当に申し訳ありません‥…」
こいつにしちゃー随分と低姿勢だ。
余程申し訳ねぇと思ってんだな。 いいってことよ。
車を走らせ、10分前にはなのに着き、京都の大池、仙台の吉野、金沢の三沢 を待つ。
「おぉー。つくしちゃん待ったかね」
言いながら部屋に入って来たのは 大池。
「おぉー 今日も一段と可愛いね」
次いで、吉野。
「つくしちゃん何着ても似合うてはるけど、今日は一段と艶やかで」
最後に三沢が 嬉しそうに言いながら入ってくる。
家元も家本夫人も自分が褒められたようにニコニコしながら聞いている。
うーん、この3人の対応は、聞きしにまさるだな。
確か大池は、かなりのうるさ方だった‥筈?
それが‥…ニコニコニコニコ してやがる。 ゲッ
吉野も三沢もニコニコニコニコ してやがる。
牧野が大池に呼ばれ、三沢と吉野の間に座らせられる。
おもむろに大池が話し出す。
「さてですな。今日こちらに来て頂いたのは‥…つくしちゃんのお見合いでして」
牧野の目がキランっと輝く‥‥
おいおぃそりゃないぞ‥… 焦る俺。
牧野が俺の方を見ながら口ぱくで
「し・しょ・う・の・お・か・げ♡」なんて暢気なことを言っている。
家元も、家元夫人もニコニコしながら話しを聞いている。
ひゅーーーー 今この部屋に誰も俺の味方はいねぇ
「で、いかがでしょうかなぁー若宗匠?」
いかがって、いかがってあんだよ。俺の恋はどうなんだよ。
「ダメだ」俺は小さく呟いた。
「‥…あのぉー 若宗匠?」
「だから、ダメだ。ダメってんだろ。」
俺は、相手が誰だってぇのも忘れて怒鳴ってた。
「えぇーーー お師匠様。そりゃーないですよ。レッスンの成果ですよ。レッスンの!」
頬をぷっくり膨らませ怒ってる牧野。
「まだ、レッスンは終わっちゃいねぇー お前なんぞまだ及第点にも届いちゃいねぇー」
「えぇーーー」
俺の無作法を怒りもせずに、何故か含み笑いをする5人の面々。
「若宗匠の答えも待ってても埒があきまへんな。」
「そうどすなぁー」
「じゃぁ進めさせてもらいまひょか。」
っちょ、ちょっと待て。俺は慌てて3人の重鎮共を睨む。
大池がふざけたように
「おぉ 怖っ 若宗匠は怖いですなぁー」
「色男が台無しにならはりますよ。」
横で牧野が勝ち誇ったように笑ってやがる。
あぁー何もかも気にいらねぇーー 俺が席を立とうとした瞬間。
親父、いや家元から肩を掴まれる。
「総二郎、悋気をおこすな。」
「では、始めさせてもらいましょうか?」
「ひっ?」
「そうですな。」
「ふっ?」
「こちら、牧野つくしさん」
「みっ?」
重鎮達の紹介を受けた牧野。
俺は、何となく状況が呑み込めてきた。
家元が
「こちら、西門総二郎です。」
家元夫人が
「出来の悪い息子ですが‥…」
なんて挨拶を始めたあたりで‥…
皆の思惑を知る‥…
牧野を見ると、素っ頓狂な顔をして、ひっ ふっ みっ?
なんてワケのわからない驚き方を繰り替えしてる。
牧野、数かぞえてどうする?
紹介が一通り済むと、食事が始まる。
俺はついついニヤニヤしちまう。
牧野はあんなに驚いてたのにも関わらず、「皆さん冗談がお上手で」と、ひとしきりケラケラ笑った後‥…暢気に飯を食っている。それはそれは美味そうに。
なんだか呆気にとられ、俺等も飯を食う事にした。
流石、はなの 美味い飯だ。
食事が終わり‥…
「では、後はお若いお二人で‥…」
今回の仲人役の大池がナイスな事を言う。
三沢が大池の言葉を遮るかのように
「若宗匠、今回の見合いは、大池理事のご紹介です。わかっていらっしゃると思いますが、理事のご紹介ですからこの縁組みは若宗匠の方からはお断りは出来ません。」
きっぱりはっきり嬉しい事をいいやがる。
牧野は 「うっっく??」
なんだか妙な驚き方をしてやがる。
俺は牧野の手を掴み、深々と一礼をしてから表に出る。
「って、ワケだから。」
ひっ?
「良かったな。レッスンの成果だ。」
ふっ?
「断れねーってよ。お前も断るなよ。」
みっ?
数かぞえはもういらねぇぞ。
昨夜のリベンジに、牧野の顎を持ち上げキスをする。
「なぁ、お色気レッスン大成功だな。」
「で、もってまだまだ続くから観念しろや。」
「なぁ、お前色気欲しいんだろう?」
ついついコクンっと頷いちまった牧野。
「じゃぁ 観念しろや。牧野、俺が一生お前に色気を教えてやるよ。」
色気を教えてやるの言葉にこれまた反応したのか?
コクンと頷き‥…
「末永く宜しくお願いします。」
なんて可愛い事を言ってくる。
その辺りで覗いているであろう、5人に向かい
「お話、2人で有り難くお受けさせて頂きます。ご準備の程宜しくお願い致します。」
俺は、牧野を抱きかかえ、はなの を後にした。
明日は、俺も牧野もオフだ。
さぁ、牧野これからお色気レッスンレベルアップバージョンが始まるぞ。
心してかかれや。
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あいつの独り言を微睡みの中で聞く‥…
「うーーーん。やっぱり色っぽいねぇー 伊達に女たぶらかしてないね~このお師匠さんは、」
俺のおでこを指でパチンと弾く。
な、な、なんだこいつは? やっぱり牧野だなぁー なんだか可笑しくなって、なんだか幸せになって、ついでにいい気分で朝まで寝てしまった。
チュンチュン
小鳥のさえずり声で目を覚ます。
当然の如く、牧野は自室に帰ったらしく、俺は一人で寝ていた。
「はぁっーー 俺なにやってんだ。」
しかも、二日酔いときてる。
頭の中で今日のスケジュールを反芻する。
ちょっと考えて‥…
あっ、昨日は牧野から酒飲もうと誘って来たから今日は久しぶりのオフの筈だ。
安堵して、俺は考える。あいつ今日何やってんだろうかって?
取りあえず、二日酔いを治す為にひとっ風呂浴びる事にした。
やっとこ素面に戻った俺は、自問自答する。
俺は牧野を好きなんか? YES
俺は牧野を愛してんか? YES
胸ねぇぞ、グラマーじゃねぇぞ、ついでに色気もねぇぞ‥それでもいいんか俺? YES
司の元カノだぞ。類の想い人だぞ。それでもいいんか俺? YES
貧乏だぞ。後ろ盾ねぇぞ。それでもいいんか俺? YES
あいつアレしろコレしろ五月蝿ぇぞ いいんか俺? YES
すげぇ偉そうに説教垂れてくんぞ、浮気なんてぜってぇー出来ないぞ、もう牧野で打ち止めだぞ、それでもいいんか俺? どんなに考えても、答えはYESしか出てこねぇ
なぁ俺‥… 牧野にいつからそんなに惚れてたんだ。
なぁ俺‥… 牧野が好きだって気が付いて、中坊ん時みたくドキドキしてるぞ
なぁ俺‥… 俺幸せになっていいか?
なぁ俺‥… 好きな女と未来を夢見ていいんか?
パタパタ廊下を走る音がする‥…
あいつの音だ。
所作が綺麗になったのにも関わらず、あいつ俺の部屋に来る時だけは、小走りで来んだよな。
バーンッ 襖が開く
「わ、わ、若宗匠、た、た、大変です。きょ、今日 重鎮の方々との会食が入ってました。」
「あっ?」
「スミマセン。今日と明日間違えておりました。」
今までのなんだかポエムのような俺とおさらばして、慌てて時間を見る。11時を指している。
「‥…それ何時からだ」
「12時半に 料亭 はなの です。」
「じゃぁ間に合う。慌てんな。牧野もだよな?」
「はい。お家元と家元夫人もご一緒です。」
「じゃぁ、お前も用意しろ。」
「はい。では40分後。」
コーヒーを飲み、着替えを済まし、牧野を待つ。
きっかり40分後、支度を終えた牧野が顔を出す。
「若宗匠、お待たせしました。」
恋心を認識した俺は、牧野に艶やかな着物姿にドキドキしちまう。
このまま押し倒したくなるが、流石にそれはヤバいな。
「まぁ、まだ時間には早いから落ち着けや。はなのだったらこっからなら20分もありゃ着くよ。」
「はい。本当に申し訳ありません‥…」
こいつにしちゃー随分と低姿勢だ。
余程申し訳ねぇと思ってんだな。 いいってことよ。
車を走らせ、10分前にはなのに着き、京都の大池、仙台の吉野、金沢の三沢 を待つ。
「おぉー。つくしちゃん待ったかね」
言いながら部屋に入って来たのは 大池。
「おぉー 今日も一段と可愛いね」
次いで、吉野。
「つくしちゃん何着ても似合うてはるけど、今日は一段と艶やかで」
最後に三沢が 嬉しそうに言いながら入ってくる。
家元も家本夫人も自分が褒められたようにニコニコしながら聞いている。
うーん、この3人の対応は、聞きしにまさるだな。
確か大池は、かなりのうるさ方だった‥筈?
それが‥…ニコニコニコニコ してやがる。 ゲッ
吉野も三沢もニコニコニコニコ してやがる。
牧野が大池に呼ばれ、三沢と吉野の間に座らせられる。
おもむろに大池が話し出す。
「さてですな。今日こちらに来て頂いたのは‥…つくしちゃんのお見合いでして」
牧野の目がキランっと輝く‥‥
おいおぃそりゃないぞ‥… 焦る俺。
牧野が俺の方を見ながら口ぱくで
「し・しょ・う・の・お・か・げ♡」なんて暢気なことを言っている。
家元も、家元夫人もニコニコしながら話しを聞いている。
ひゅーーーー 今この部屋に誰も俺の味方はいねぇ
「で、いかがでしょうかなぁー若宗匠?」
いかがって、いかがってあんだよ。俺の恋はどうなんだよ。
「ダメだ」俺は小さく呟いた。
「‥…あのぉー 若宗匠?」
「だから、ダメだ。ダメってんだろ。」
俺は、相手が誰だってぇのも忘れて怒鳴ってた。
「えぇーーー お師匠様。そりゃーないですよ。レッスンの成果ですよ。レッスンの!」
頬をぷっくり膨らませ怒ってる牧野。
「まだ、レッスンは終わっちゃいねぇー お前なんぞまだ及第点にも届いちゃいねぇー」
「えぇーーー」
俺の無作法を怒りもせずに、何故か含み笑いをする5人の面々。
「若宗匠の答えも待ってても埒があきまへんな。」
「そうどすなぁー」
「じゃぁ進めさせてもらいまひょか。」
っちょ、ちょっと待て。俺は慌てて3人の重鎮共を睨む。
大池がふざけたように
「おぉ 怖っ 若宗匠は怖いですなぁー」
「色男が台無しにならはりますよ。」
横で牧野が勝ち誇ったように笑ってやがる。
あぁー何もかも気にいらねぇーー 俺が席を立とうとした瞬間。
親父、いや家元から肩を掴まれる。
「総二郎、悋気をおこすな。」
「では、始めさせてもらいましょうか?」
「ひっ?」
「そうですな。」
「ふっ?」
「こちら、牧野つくしさん」
「みっ?」
重鎮達の紹介を受けた牧野。
俺は、何となく状況が呑み込めてきた。
家元が
「こちら、西門総二郎です。」
家元夫人が
「出来の悪い息子ですが‥…」
なんて挨拶を始めたあたりで‥…
皆の思惑を知る‥…
牧野を見ると、素っ頓狂な顔をして、ひっ ふっ みっ?
なんてワケのわからない驚き方を繰り替えしてる。
牧野、数かぞえてどうする?
紹介が一通り済むと、食事が始まる。
俺はついついニヤニヤしちまう。
牧野はあんなに驚いてたのにも関わらず、「皆さん冗談がお上手で」と、ひとしきりケラケラ笑った後‥…暢気に飯を食っている。それはそれは美味そうに。
なんだか呆気にとられ、俺等も飯を食う事にした。
流石、はなの 美味い飯だ。
食事が終わり‥…
「では、後はお若いお二人で‥…」
今回の仲人役の大池がナイスな事を言う。
三沢が大池の言葉を遮るかのように
「若宗匠、今回の見合いは、大池理事のご紹介です。わかっていらっしゃると思いますが、理事のご紹介ですからこの縁組みは若宗匠の方からはお断りは出来ません。」
きっぱりはっきり嬉しい事をいいやがる。
牧野は 「うっっく??」
なんだか妙な驚き方をしてやがる。
俺は牧野の手を掴み、深々と一礼をしてから表に出る。
「って、ワケだから。」
ひっ?
「良かったな。レッスンの成果だ。」
ふっ?
「断れねーってよ。お前も断るなよ。」
みっ?
数かぞえはもういらねぇぞ。
昨夜のリベンジに、牧野の顎を持ち上げキスをする。
「なぁ、お色気レッスン大成功だな。」
「で、もってまだまだ続くから観念しろや。」
「なぁ、お前色気欲しいんだろう?」
ついついコクンっと頷いちまった牧野。
「じゃぁ 観念しろや。牧野、俺が一生お前に色気を教えてやるよ。」
色気を教えてやるの言葉にこれまた反応したのか?
コクンと頷き‥…
「末永く宜しくお願いします。」
なんて可愛い事を言ってくる。
その辺りで覗いているであろう、5人に向かい
「お話、2人で有り難くお受けさせて頂きます。ご準備の程宜しくお願い致します。」
俺は、牧野を抱きかかえ、はなの を後にした。
明日は、俺も牧野もオフだ。
さぁ、牧野これからお色気レッスンレベルアップバージョンが始まるぞ。
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