No.010 ティンクル あきつく
小ちゃな頃ね……あたし花の妖精に出会ったの
突然彼女が話し出した。
「花の妖精?」
「うん。花の妖精。フワフワしててとっても綺麗だったの。あたしの命の恩人__かな」
「ふぅ~ん」
花の妖精か……どんな妖精だったんろう?なんて頭を過った瞬間……思い出した
「あっ、俺も小ちゃな頃__ティンクルに出会ったよ」
「ティンクル?」
「あぁ」
沢山の流れ星が流れた夜だった
バルコニーから外に出て、裏山のお気に入りのの場所に向かった。
真っ暗な闇の中は怖かったけれど、行かなきゃいけない。何故かわからない気持ちに突き動かされて懐中電灯片手に裏山に向かったんだ
「ッスン、クッスン……えぇん…ッスン」
小ちゃな女の子が泣いていた。
「どうしたの?」
「ふぅえぇーーん。お星さまがピューンってなったの」
「お星さまがピューン?」
コクンと女の子は頷いた。
「ねぇ、君の名前は?」
「っすん、っすん ティ…ク…ル」
良く聞き取れなかったけど2回は聞いちゃいけない気がして ティンクルと勝手に呼ぶ事にした。キラキラする光を纏っていたから。
「どうして泣いてるの?」
聞けば流れ星を追い掛けて、思わず家を出ちゃったんだと言う。
真っ暗は危ないから、近くの洞穴に二人で入って朝を待った。
二人で居るのは何だか心地よくってティンクルと一緒にいつの間にかぐっすり眠っていた。
チュンチュンチュンチュン
小鳥の声で目覚めた時には、ティンクルは消えていた。
「キラキラしてたし__名前もティンクルだし、やっぱり星の子だったのかな?」
そんな事を思いながら屋敷に戻ってベッドで微睡んだ。
いつかの星降る夜の思い出
♪♪♪
「美作さん、すごく優しそうな笑顔になってるよ」
「俺は、いつも優しいよ」
「うふふっ そうでした。そうでした優しいお兄ちゃまでした」
牧野が双子の家庭教師を引き受けてくれて、その縁で美作に働き出した。
時折帰りに一緒に飯を食いに行く。
休日も双子に呼ばれて一緒に出く。
いまだ___優しいお兄ちゃん止まり。
いや、一生優しいお兄ちゃん止まり……かな?
あの日、閉じ込めた恋だから閉じ込めたままにしている。
本当は触れたくて触れたくてたまらない癖に。
この場所を失うのが怖くて閉じ込めたままだ。
「美作さーん」
今日も元気いっぱいに牧野が手を振っている。
「おっ、おはよう」
「昨日さぁ、芽夢ちゃんから電話があってね週末軽井沢に行かないかって」
「あぁ、言ってたな。 絶対牧野連れて来いって命令されたよ」
「あははっ、命令?」
「あぁ、あいつ等怒らせるとスゲェ怖いんだぞ。だから宜しく頼むな」
そんな会話が交わされて__久しぶりにやって来た。ティンクルと出会った場所に。
俺達が一番乗りだったようで、夕食の準備が整うまで二人で散歩する事にした。
とっておきの場所を見せたくて裏山に回って連れてった。
一歩足を踏み入れた瞬間__
「ここ……ははっ……そっか……そうだったんだね」
「うんっ?どうした?」
「…………美作さん、美作さんは運命って信じる?」
牧野の呟く声がする。
「あぁ、信じるよ」
たとえ報われない恋だとしても……
何度生まれ変わっても牧野に恋をするだろう__そう思うから。
牧野の顔に大輪の花が咲き
「美作さん……あなたが好きです」
耳を疑った。
「えっ?」
「ゴメン。迷惑だよね……それでもあたしはあなたが好きです」
真っ直ぐに牧野の頬に涙が伝う。
牧野をギュッと抱き締めてキスを交わした。
ティンクルは牧野で
花の妖精は俺だった。
あの日の出会いは__今日へと続いていた。
ティンクル
ティンクル
キラキラ光る
キラキラ輝いて見えたのはきっと恋したから


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突然彼女が話し出した。
「花の妖精?」
「うん。花の妖精。フワフワしててとっても綺麗だったの。あたしの命の恩人__かな」
「ふぅ~ん」
花の妖精か……どんな妖精だったんろう?なんて頭を過った瞬間……思い出した
「あっ、俺も小ちゃな頃__ティンクルに出会ったよ」
「ティンクル?」
「あぁ」
沢山の流れ星が流れた夜だった
バルコニーから外に出て、裏山のお気に入りのの場所に向かった。
真っ暗な闇の中は怖かったけれど、行かなきゃいけない。何故かわからない気持ちに突き動かされて懐中電灯片手に裏山に向かったんだ
「ッスン、クッスン……えぇん…ッスン」
小ちゃな女の子が泣いていた。
「どうしたの?」
「ふぅえぇーーん。お星さまがピューンってなったの」
「お星さまがピューン?」
コクンと女の子は頷いた。
「ねぇ、君の名前は?」
「っすん、っすん ティ…ク…ル」
良く聞き取れなかったけど2回は聞いちゃいけない気がして ティンクルと勝手に呼ぶ事にした。キラキラする光を纏っていたから。
「どうして泣いてるの?」
聞けば流れ星を追い掛けて、思わず家を出ちゃったんだと言う。
真っ暗は危ないから、近くの洞穴に二人で入って朝を待った。
二人で居るのは何だか心地よくってティンクルと一緒にいつの間にかぐっすり眠っていた。
チュンチュンチュンチュン
小鳥の声で目覚めた時には、ティンクルは消えていた。
「キラキラしてたし__名前もティンクルだし、やっぱり星の子だったのかな?」
そんな事を思いながら屋敷に戻ってベッドで微睡んだ。
いつかの星降る夜の思い出
♪♪♪
「美作さん、すごく優しそうな笑顔になってるよ」
「俺は、いつも優しいよ」
「うふふっ そうでした。そうでした優しいお兄ちゃまでした」
牧野が双子の家庭教師を引き受けてくれて、その縁で美作に働き出した。
時折帰りに一緒に飯を食いに行く。
休日も双子に呼ばれて一緒に出く。
いまだ___優しいお兄ちゃん止まり。
いや、一生優しいお兄ちゃん止まり……かな?
あの日、閉じ込めた恋だから閉じ込めたままにしている。
本当は触れたくて触れたくてたまらない癖に。
この場所を失うのが怖くて閉じ込めたままだ。
「美作さーん」
今日も元気いっぱいに牧野が手を振っている。
「おっ、おはよう」
「昨日さぁ、芽夢ちゃんから電話があってね週末軽井沢に行かないかって」
「あぁ、言ってたな。 絶対牧野連れて来いって命令されたよ」
「あははっ、命令?」
「あぁ、あいつ等怒らせるとスゲェ怖いんだぞ。だから宜しく頼むな」
そんな会話が交わされて__久しぶりにやって来た。ティンクルと出会った場所に。
俺達が一番乗りだったようで、夕食の準備が整うまで二人で散歩する事にした。
とっておきの場所を見せたくて裏山に回って連れてった。
一歩足を踏み入れた瞬間__
「ここ……ははっ……そっか……そうだったんだね」
「うんっ?どうした?」
「…………美作さん、美作さんは運命って信じる?」
牧野の呟く声がする。
「あぁ、信じるよ」
たとえ報われない恋だとしても……
何度生まれ変わっても牧野に恋をするだろう__そう思うから。
牧野の顔に大輪の花が咲き
「美作さん……あなたが好きです」
耳を疑った。
「えっ?」
「ゴメン。迷惑だよね……それでもあたしはあなたが好きです」
真っ直ぐに牧野の頬に涙が伝う。
牧野をギュッと抱き締めてキスを交わした。
ティンクルは牧野で
花の妖精は俺だった。
あの日の出会いは__今日へと続いていた。
ティンクル
ティンクル
キラキラ光る
キラキラ輝いて見えたのはきっと恋したから


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