明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

ずっとずっと 59

「パパ、司さん」
グレンダとババァが一緒にやってくる。

グレンダがLUCYの会長を見つけて挨拶しながら、ババァを紹介している。

「宝珠会長、本日はお忙しい中ありがとうございます。こちらが道明寺楓会長。私の義母になる方ですの。」
「グレンダおめでとう。君達の婚約、心から祝福するよ。司君には、これから始まる合同プロジェクトに参加して貰う事になったからね。そうそう、この企画にはジュエルも参加してくれるみたいだから面白い物になると思うよ。」

横で、黙って話しを聞いていたババァも驚きを隠せないようだ。


色々な思いが駆け巡る中
最初に口火を切ったのは‥…

「では合同プロジェクト楽しみにしております。途中退席で大変申し訳ございませんが、用事がありますので、お先に失礼させて頂きます。‥…司さん、グレンダ婚約本当におめでとう。心から祝福させてもらういます。それではまたお会い出来る日を楽しみにしていますね。」


「それではお爺様、僕はお先に失礼させて頂きます。」
「あぁ、儂等2人は明後日の昼頃そちらへ着くようにするよ。」
「はい。」
「薫、しぃちゃんに、お土産買っていくって伝えておいてね。」
「ありがとうございます。喜びますよ。」

「では、また改めまして。」

完璧な微笑みを浮かべる美しい男は、会場を後にする。

宝珠薫‥…あの美しい男に愛されながらも、あの男を中々受け入れない女とは、一体どんな女なのだろうか?
何故だか一瞬、全く関係のない、つくしの事が頭を過り、ブルッと身震いをする。


***

「筒井会長、やっぱりしぃちゃんこっちに来てるんですね?」
「そうじゃよ。薫が手元から一時も離しはせんからな。」
「婚約発表はいつ頃のご予定ですか? 楽しみですね~」
「あはははっ そうじゃなぁ。 ノアもジョアンも2人の仲間じゃからしっかり応援しておくれよ。」
「「もちろん。喜んで」」


ババァとLUCYの会長、ジュエルの会長の3人が話しを始める。
「先ほど、司君にはお誘いしたのだが、孫の婚約パーティーには是非、道明寺会長もご参加下され。」
「勿論喜んで出席させて頂きます。もう近々のご予定でいらっしゃるのですか?」
「儂も、宝珠も諸手をあげて賛成しておるので、後は彼女の気持ち次第なのですがな‥…これが中々難しいようでしてな‥…道明寺会長も孫達が上手く結ばれる事を願って下され。ハッハッハ」
「えぇ勿論でございます。」

「そう言えば、道明寺会長はボランティアにはご興味はお有りですか?妻がNYでボランティア活動を行ってましてね」
「是非、是非ご一緒させて頂ければ嬉しゅうございます。」
「棗、それならば明日、道明寺会長を La Veriteに、招待してはどうじゃ? 予定は如何かな?」
「よ、よ宜しいのでしょうか?」
「あぁ勿論じゃ。こちらこそ急に誘って申し訳ない。」
「いえ。楽しみにしております。」
「それでは、後ほど場所と時間の連絡を秘書の方からさせて貰うよ。」


***


「薫様何か楽しい事でもおありでしたか?」
秘書の片倉が声をかけて来る
「っん?楽しい事? ふふっそうだね。楽しいのかもしれないね」
「宜しゅうございます。」
「そうだね。片倉にもこれから色々世話になると思うから宜しく頼むね。」
「勿論でございます。薫様の為でしたら何でも致します。」
「うん。ありがとう。」

夜のしじまを薫を乗せた車が音も無く走って行く。

「薫様、薫様 お着きになられました。」
「あぁ、ありがとう。いつの間に寝てしまったんだね。」
「珍しい事もお有りだと驚いておりました。」
「つくしの影響かもね」
「左様でございますね。つくし様は車に乗られるとすぐにお眠りになられますからね」
「ふふっ、つくしが聞いたら怒りそうだけどね。」



*********



「亜矢さん雪乃さん、今日は女子3人で何します~?」
「うふっ、先ずはゆっくりお茶を頂いて考えません?」
「そうね、そう言えば美味しいお紅茶があるのよ。」

亜矢さんが桜の花がたっぷり入った紅茶を淹れて下さった。桜の花を感じながら、薫と再会をした桜の野点を思い出していた。
「あら、しぃちゃん何を考えているのかしら?」
茶目っ気たっぷりな亜矢さんの言い方が可愛らしく、そんなもの言いが薫を彷彿させて
「うふっ、桜吹雪の中に薫が立っていた時の事を考えていました。」
「あらっ」
「うふふっ、あの日の薫、すごく笑っていたわよね」
「そうよね。」
「私、本当に久しぶりに見たのよ、あの子があんな嬉しそうに笑う所。」
「うふっそうね。しぃちゃんと居るとあの子よく笑うわよね。まるで小ちゃな時の薫を見ているみたいに。」
「えぇ」

あたしの中の薫は、いつも楽しそうに笑っている。ちょっぴり口うるさく感じるくらい心配性で、お世話したがりで、温かくていつもいつもあたしを一番に扱ってくれて‥…

「しぃちゃん、しぃちゃんに是非見て貰いたいものがあるの。」
「‥…はい。」
亜矢さんがそう言って持って来たのは、桜色の封筒の数々‥一体どれだけあるのだろう。
「うふっ、全部で2000通くらいかしらね? 薫が小さな頃は毎日手紙を書いてたのよ。由那ちゃんが大好きだった桜色のレターセットで。」
「うふっ、伊織と由那ちゃん、実はねセミナーで出逢う前に雪月堂さんで出会っているのよ。」
「うふっ、パパ達にはナイショって、由那ちゃんがこっそり私と雪乃ちゃんに教えてくれたのよね。」
「えぇ、懐かしいわね。」
「あら、話しが脱線しちゃったわね。」

「私ね、由那ちゃんと伊織に薫の事を報告するの。最初の頃はね,食事を食べてくれた。笑ってくれた。そんなことばかり。小学校に上がって、悠斗君と再会してねやっと楽しい報告を書けるようになったの。薫がやっと普通に笑えるようになったのもこの頃ね。食事も悠斗君と一緒にいると普通に食べてくれるようになった。書いている間、嬉しくて嬉しくて幸せな気分になれたのよ。少しずつ落ち着いてきて毎日書いていた手紙を、週に一度、月に一度、そして年に一度にする事が出来たの。」

「うふっ、一昨年の3月からかな?薫が生き生きしだして、その年は嬉しい報告がいっぱいになったの。野点の後からは、嬉しい事ばかり書けるようになったのよ。」
「しぃちゃん、あなたに会って薫は未来を見つめる事が出来るようになったのよ。ありがとう」


全てを話し終えた亜矢さんと3人で、邸の庭で手紙を燃やした。一枚ずつ丁寧に火にくべる。全ての手紙を燃やし終えた後‥…

「この手紙の束は、あたしの執着。なくなってしまった息子夫婦への執着。やっと燃やす事が出来たわ‥…やっと前を向いて歩いて行けるわ。」

美しい微笑みでそう言い切った。


遅めの昼食をとり終えた後‥… 

私達の娯楽の手伝いをしてと言われ、ドレスの試着をさせられた。
全てあたし用に作られたドレス。どれもこれもとても素敵なものばかり。
中でも一際目立っていたのが、淡い桜色のドレス。

「うふっ、とっておきの一枚」

なんて2人に微笑まれ、手を通すとそれはそれは素敵なドレスで‥…
思わず自分で自分に見惚れちゃうほどあたしに似合っていた。

「思っていた通り素敵ね。」
「うーん。ジャン、とっても素晴らしい出来だわ。ありがとう。」

「普段用の服は持って来て下さったかしら?」
「勿論でございます。」
並べられた洋服の数々‥…

「うん。みんなしぃちゃんに似合いそう。ジャン、あなたの選ぶもの全て合格だわ。これに合う靴やバック、アクセサリーと共に、全て日本に送っておいて頂戴。 そうね~ 春先から初夏にかけて着る洋服も送っておいて頂戴。」

いつの間にか、全て日本に送られる事に決まっていたけど、決して要りませんなんて言える雰囲気でもなく‥‥この洋服何年あれば全部着る事が出来るのかな?なんて事を考えていた。


夕食を3人でとり、楽しくお喋りをする。
夜が更けて行く。 

薫が隣に居ない事が心細く感じ始める‥…

RRR‥
「つくし?」
「うん。もう帰れる?」
「うん。連絡が遅くなってゴメンね」
「ううん。あたしこそごめんなさい。お仕事忙しくないの?」
「つくしより大事な仕事なんてないから大丈夫だよ。」
「うん‥…」
「また不安になちゃった?お婆様達とは一緒に居るんだよね?」
「うん。亜矢さんも雪乃さんも一緒に居て下さってる。」
「あと1時間ほどで着くからね。」
「うん。気をつけて帰って来てね。」
「ありがとう‥…待っててね。」


今宵も僕は君を抱く、君を組み敷き僕のものにする。

つくし‥狂おしいほどに愛している




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4 Comments

asuhana  

Re: No title

mimiさま
御主もワルよのぉ〜カッカッ (す、すみませーん)
うふっ、宝珠も筒井も優しいから〜♪♪ 刃向かわないものには牙を向けません。
刃向かわないように、牽制するだけです ムフっ

2015/12/17 (Thu) 19:20 | EDIT | REPLY |   

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2015/12/17 (Thu) 18:27 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

Re: 勝手な妄想♫

yakkoちゃん

野獣恐るべし! グレンダは基本良い子ちゃん設定でいかせて貰うよぉー じゃないとね〜
ボズウェルは、道明寺を乗っ取りしたかったくらいかな。案外吹き返してきちゃったからねぇーそれはそのままって感じなのかなぁお

しぃちゃん=つくし には、きっとならないでしょう。
類だって,つくしからそんな話しを聞いた事ないしね。 
でも、類も司も自分の仕事の事も交友関係も話さないからおあいこなんだけどね〜。

そうそう、番宣!! 24時の昼ドラ 急展開(なんせ昼ドラだからね、、急展開ここでか?ってとこでするのよぉ)ずっとずっと60は、なにしろ(笑)急展開‥… 乞ご期待!!

そうそう、
つくしはね、病んでるから、夜が怖い。一人になるのが怖い。薫がつくしの正気を保ってくれた相手だからね。

むふふっ 妄想膨らませて〜〜

2015/12/17 (Thu) 16:02 | EDIT | REPLY |   

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2015/12/17 (Thu) 15:42 | EDIT | REPLY |   

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