baroque 26R
あなたを求める心を
Luxure
あたしは
Luxure
もう止められない
つくしのそこは真っ赤に熟れて総二郎を迎え入れる。赤い舌がちろりちろりと総二郎の耳朶を舐り上げながら吐息を漏らす。
赤く熟れた肉襞が総二郎の一物を絡めとり締め上げる。
「うっ、ぅっ」
総二郎が堪え切れずに声を零す。総二郎が抽送を繰り返す度にジュブジュブと水音が響き渡りつくしの吐息が嬌声に変わっていく。
「あぁっーーー、あっ、あ、うぅ、あぁーーん」
絶頂を迎える瞬間
つくしの眼からバロック真珠のような歪んだ涙が一粒零れでた。
総二郎の胸に包まれてつくしが微睡む。
愛おし気につくしをすっぽりと包み込みながら長い髪を掻き分け項に口づけを落とそうとした瞬間……薄紅色の花びらを総二郎は目にした。その瞬間、つくしの背中の赤い跡が虫刺されなどではなく誰か知らない男が付けたキスマークの跡だったのだと気が付いた。
総二郎の心の中に狂おしいほどの嫉妬心が沸き起こり、つくしの全てを自分のものにしたいと燃え上がった。総二郎が初めて感じた激しい執着。
微睡むつくしの身体に舌を這わせ腿の付け根に
クチュリッ
キスマークを付ける。
「つくし……愛してる」
耳元で囁けば。つくしは、曖昧な笑顔で微笑みながら総二郎の唇に唇を重ねたあと、徐に起き上がり洋服を身に纏う。
「総、ごめん、あたし帰るね」
「つくしっ__今度はいつ?」
「ごめん。また連絡するから」
慌てて総二郎の部屋を出て行った。
自分の部屋に戻ったつくしは、己の犯した罪の重さにガタガタと震えながら大理石で出来た白い床にペタンと座り込んだ。
一体、どれくらいそうしていたのだろう__つくしは、のそりと立ち上がりシャワーを浴びた後、倒れる様にベッドに潜り込んだ。
誰の元にも平等に朝がやってくる。
カーテンの隙間から朝陽が部屋に射し込んで来る。つくしは立ち上がり遮光カーテンを開けた。
「眩しい」
つくしは、自分を戒めるかのような明るい陽射しに目を細めた。
パジャマの上にカーディガンを羽織り洗面所で顔を洗う。顔を上げれば鏡の中にはいつもと変わらぬつくしが映っている。大罪を犯したのにも関わらず__鏡の中にはいつもと同じ自分が居る事に安堵する。
タオルで水滴を拭い化粧水をつけた後、鏡の中の自分に向けてつくしは、ぎこちなく微笑んだ。つくしが笑えば鏡の中のつくしも笑いながらこちらを見ている。
鏡の中の自分に指を這わせながら
「大丈夫。大丈夫。大丈夫」
自分に向けてつくしは呟く。
*-*-*-*-*-*-*-*
いつもと変わらぬ一日がスタートする。
授業を受けた後は、どこにも寄らずに家に戻った。
総二郎から会いたいと連絡が入る__理性では、もう会ってはいけないと分かっているのにつくしは、総二郎のもとに向かい罪を重ねて行く。バレない様に細心の注意を払いながら総二郎との逢瀬を重ねているのだ。
逢瀬を重ねるごとに......感覚が麻痺し始めつくしが最初に感じた罪の意識はどこかに押しやられて行く。
つくしは、何も考えず何も見えない振りをしてただただ恋を睦事を楽しんでいるのだ。
総二郎は、沸き上がる嫉妬心に蓋をしながら何も聞かずにただただつくしを愛する。


ありがとうございます♪
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