No.050 お得だよ あきつく
冬の街を歩くのが好きになったのは__
「寒いね~」
そう言うつくしの手を握りコートのポケットに入れる様になってからだろうか?
それとも
「うわっ、綺麗」
そう言いながらイルミネーションを見上げるつくしを後ろから抱き締めて二人の世界に浸れる様になってからだろうか?
つくしが来るのを待つ間とりとめも無くそんな事を考える。
「美作さーん」
ほらっ、向こうから手を振りながら息咳きってやってくる。
「待った?」
「っん?今来た所」
「ホント?」
そう言いながら手を取って自分の頬にくっ付ける。
「うわっ、冷たい。もう沢山待ってたんでしょ」
「いやっ、それほどでも」
「ほらっ、やっぱり。待たせちゃってごめんね」
「まだ約束の時間迄あるから。俺が早くついただけだから」
「もぉ、こんなに冷えちゃって__だったらお店の中とかに入って待ってればいいのに」
つくしを思いながら待つ時間も楽しいもんなんだよ。それに……こうやって俺の手を温めてくれるだろう。この一瞬が俺にとって極上の幸せなんだ。
我ながら乙女チックだと思うから言わない。いやっ、言えないかな?
「ねぇねぇ、今日はどこに行ってみる?」
「あっ、ゴメン。今日は独断と偏見で行く先決めてあるんだ」
「美作さんセレクトデートってこと?」
「うん。今日は全部俺」
「うわっ、楽しみ。あっ、でも」
「分かってる。分かってる。約束は守る」
「だったら宜しい」
ニッコリと笑う。
二人の約束っていうのは
デートの時は、徒歩&公共機関の活用。やも得ない事情の時のみタクシーの使用を許可する。
記念日以外は、基本割り勘。ただし2000円以内の飲食に関しては奢ったり奢られたり可。ただし一方的な奢りは不可
高価なプレゼントは勿論不可。ただし記念日は一般的な相場にのっとって可とする。
まぁ、他にも色々あるんだけど__取りあえずこの三つが重要だ。
就職と同時に実家を出て自活している俺を気遣っての提案だ。
美作___身内の俺が言うのもなんだけど……割合大手だ。まぁなんだ一流企業ってやつだ。しかも、割合優秀な俺は成績も良かったりして査定がいいからかボーナスなんかも良かったりする。それに福利厚生が整ってるんできちんと給与内の生活をして貯金なんつぅもんもしてるんだけどな。融通の利かないつくしは、頑にこの三つを守らせようとする。
そんな姿も可愛かったりするんだけどな。たまに素直になって俺の思いに答えて欲しい所だ。
でも__今日は特別だ。
「つくし__」
「っん?」
手を繋いで俺のポケットに入れる。思わず嬉しくて笑みが零れ出る。つくしを見れば一緒に笑っていてくれジンワリと嬉しさがこみ上げる。
「なんか楽しいね」
「あぁ、そうだな」
ただ歩いてるだけなのに楽しいなんてお得だね。なんて笑っていうもんだから__ツボに入って大笑いした。
大笑いついでに俺セレクトのデートは予定を変更した。
「なぁ、つくしお得好きだよな?」
「えへへっ」
「マジお得情報があるんだけど話しに乗んない?」
「えっ?なになに?どんなお得」
「っん?タダで超面白くって幸せを感じる」
「ひょおぉーー なにそれ。お得に見せかけた悪徳商法とかじゃない?」
「いやっ、それが違う」
瞳を上に向け、あぁじゃないこうじゃないと真剣に考えてる。
「うーーーん わかんない。教えて教えて」
つくしの耳元に唇を近づけて
「俺の嫁さんになる……どう?」
つくしの顔が真っ赤に染まった。
ちょっとフライングしちゃったけど今日は記念日だ。
だから贅沢デートいいよな?
二人でいれば何かとお得だよ


Reverse count50Colorful Story 応援してね♪
「寒いね~」
そう言うつくしの手を握りコートのポケットに入れる様になってからだろうか?
それとも
「うわっ、綺麗」
そう言いながらイルミネーションを見上げるつくしを後ろから抱き締めて二人の世界に浸れる様になってからだろうか?
つくしが来るのを待つ間とりとめも無くそんな事を考える。
「美作さーん」
ほらっ、向こうから手を振りながら息咳きってやってくる。
「待った?」
「っん?今来た所」
「ホント?」
そう言いながら手を取って自分の頬にくっ付ける。
「うわっ、冷たい。もう沢山待ってたんでしょ」
「いやっ、それほどでも」
「ほらっ、やっぱり。待たせちゃってごめんね」
「まだ約束の時間迄あるから。俺が早くついただけだから」
「もぉ、こんなに冷えちゃって__だったらお店の中とかに入って待ってればいいのに」
つくしを思いながら待つ時間も楽しいもんなんだよ。それに……こうやって俺の手を温めてくれるだろう。この一瞬が俺にとって極上の幸せなんだ。
我ながら乙女チックだと思うから言わない。いやっ、言えないかな?
「ねぇねぇ、今日はどこに行ってみる?」
「あっ、ゴメン。今日は独断と偏見で行く先決めてあるんだ」
「美作さんセレクトデートってこと?」
「うん。今日は全部俺」
「うわっ、楽しみ。あっ、でも」
「分かってる。分かってる。約束は守る」
「だったら宜しい」
ニッコリと笑う。
二人の約束っていうのは
デートの時は、徒歩&公共機関の活用。やも得ない事情の時のみタクシーの使用を許可する。
記念日以外は、基本割り勘。ただし2000円以内の飲食に関しては奢ったり奢られたり可。ただし一方的な奢りは不可
高価なプレゼントは勿論不可。ただし記念日は一般的な相場にのっとって可とする。
まぁ、他にも色々あるんだけど__取りあえずこの三つが重要だ。
就職と同時に実家を出て自活している俺を気遣っての提案だ。
美作___身内の俺が言うのもなんだけど……割合大手だ。まぁなんだ一流企業ってやつだ。しかも、割合優秀な俺は成績も良かったりして査定がいいからかボーナスなんかも良かったりする。それに福利厚生が整ってるんできちんと給与内の生活をして貯金なんつぅもんもしてるんだけどな。融通の利かないつくしは、頑にこの三つを守らせようとする。
そんな姿も可愛かったりするんだけどな。たまに素直になって俺の思いに答えて欲しい所だ。
でも__今日は特別だ。
「つくし__」
「っん?」
手を繋いで俺のポケットに入れる。思わず嬉しくて笑みが零れ出る。つくしを見れば一緒に笑っていてくれジンワリと嬉しさがこみ上げる。
「なんか楽しいね」
「あぁ、そうだな」
ただ歩いてるだけなのに楽しいなんてお得だね。なんて笑っていうもんだから__ツボに入って大笑いした。
大笑いついでに俺セレクトのデートは予定を変更した。
「なぁ、つくしお得好きだよな?」
「えへへっ」
「マジお得情報があるんだけど話しに乗んない?」
「えっ?なになに?どんなお得」
「っん?タダで超面白くって幸せを感じる」
「ひょおぉーー なにそれ。お得に見せかけた悪徳商法とかじゃない?」
「いやっ、それが違う」
瞳を上に向け、あぁじゃないこうじゃないと真剣に考えてる。
「うーーーん わかんない。教えて教えて」
つくしの耳元に唇を近づけて
「俺の嫁さんになる……どう?」
つくしの顔が真っ赤に染まった。
ちょっとフライングしちゃったけど今日は記念日だ。
だから贅沢デートいいよな?
二人でいれば何かとお得だよ


Reverse count50Colorful Story 応援してね♪
- 関連記事
スポンサーサイト