baroque 38
いつでも
surprise
あんたには
surprise
驚かされる
「ったく、あんたのその小動物の可愛さ反則とよ!……ハァッー あんたがどんだけバカで、どんだけ最低でも見捨てんと」
「じゃっ、じゃっ、あたしの味方になってくれる?」
嬉し気に目を輝かせながらつくしが言えば
「無理無理、無理と。最初に断わっとくけど、つくしの味方も薫の味方もせんと」
「ケチッ」
「ケチじゃないと。当たり前と。つくしも薫も大事と」
「……本当に?本当に?あたしも大事?」
インディゴちゃんはつくしをじっと見てから、つくしの身体を引き寄せて肩を優しく抱き締めながらニッコリ笑って
「大事、大事、つくしはインディゴちゃんの大事大事とよ」
「インディゴちゃんありがとう__インディゴちゃんはずっとあたしを大事でいてね。約束だよ」
「いるとよ。つくしがインディゴちゃんなんて大嫌いって言ってもアタシはつくしが大事と」
つくしの顔に安堵が広がっていく。沢山の愛を受けている筈なのに__つくしは愛に対していつも臆病だ。
「あのね、あたし薫以外とエッチしちゃっ……たの」
ブハッ
飲んでいたお茶を吐き出しそうになって、マジマジとつくしの顔をみた。
「ごふっごほ……いま、あんたなんて言ったと?」
「だから、エッチしちゃったの」
右手でストップをかけながら
「ちょっ、ちょっと待って。ネンネちゃんはエッチの意味解ってて使ってると?」
インディゴちゃんの質問に、つくしはコクンと頷いた。
「うーーんと、エッチって言うのはキスとかだけじゃなかとよ。あんなこともこんなこともするとよ」
「それくらいあたしだって知ってるよ。あたし__大学生だよ」
インディゴちゃんは米神を人差し指の腹でグリグリ押しながら
「一先ずエッチしちゃった発言は置いといて、それがなんで今回の養女になる話しと関係あると?」
「耳朶__耳朶を触ったら、薫が怒り出したの」
つくしの返答にインディゴちゃんは首を横に傾げながら
「うーーん ちっとも話しが見えて来ないんだけど__耳朶ってどう言う事」
つくしは、昨日起きたパーティー会場からの一連の事を話した。インディゴちゃんはつくしの髪を持ち上げて首筋を露にさせた。
「あちゃぁーーー これ見られたと? なんで、上手くやらんと……ハァッー 浮気するには浮気するルールがあるんよ」
「浮気じゃないよ」
「浮気じゃなかったら何と? あんたと薫は婚約者とね。婚約者がいてエッチしたらそれは、浮気っていうとよ」
「浮気じゃないっちゃ」
「あんたの〝ちゃ〟久しぶりに聞いたと。…………でも浮気は浮気と。あぁーーそんなことより、薫はどこまで把握しとると?相手は誰だかバレたと?」
「バレたら__大変な事になるっちゃ__だから、だからあたし」
「そうか__そう言うわけだったと。でも、それって裏目のような気がするとよ。キスマークだけだったら幾らでも言い訳出来たとよ」
つくしは首を振り
「パーティー会場の女性に、プールで居たとこ見られてたくらいだもん__他にも見てた人なんていっぱいいると思う」
「たまたま知り合いと一緒だったくらい言っとけばいいと」
「でも__その後は?」
「その後って、あんたまだその男と続けるつもりと?」
「だってだって__お休みが終わったらまた会おうって約束したっちゃ」
「恋したと?」
「わからない__でも楽しいんよ。一緒にいるとワクワクするんよ」
「で、その彼を守るために養女になる。そう言うわけと?」
つくしがコクンと頷いた。
「ハァッーー」
インディゴちゃんの口から盛大な溜め息が漏れた。


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