ずっとずっと 13
連いた先は、KAGURAホールディングス本社ビル。
待ち構えていたのは、満面の笑みで祥子専務を待つ神楽代表取締役社長。
「祥子さん仕事が沢山たまってますよ」
なんていいながら目じりが下がりっぱなし
「ところで、そちらのお嬢さんはどなたかな?」
真面目な顔で聞いてくる。
「星野つくしさん。ほらぁ~ 万理さんと蓉子さんが散々自慢してたお嬢さんよ~ ようやっと念願かなって万理さんが“多神楽”にならって紹介して下さったのよ。ほらあそこなら身元のしっかりした方しかいらっしゃらないからって。でね~な、なんとよ~ かおるちゃんとも悠斗とも同じ学校のお友達なんですって♪♪」
「ホォホォーそりゃすごい」
大袈裟に頷いてる。だけど絶対に、祥子専務の笑顔しか見てない筈だ。
思わず道明寺を思い出して、親近感が湧き
「星野つくしと申します。どうぞよろしくお願い致します」
満面の笑みで挨拶した。
「KAGURAホールデングス代表取締役社長の神楽 貴士です。祥子さんに付き合ってくれてありがとう。」
ありがとう をもの凄く気持ちよく伝えてくれる大企業の社長。さすが祥子専務の愛するご主人だ。
物怖じしないあたしを、なぜかえらく気に入ったようで、残りのバイト期間 KAGURA本社で祥子専務について働けと言う。
絶対に絶対に祥子専務を引き留める作戦だと思うのだが…
我が意を得たりとばかりに祥子専務はイキイキする。
「では、明日からはこちらに来て私の同行をお願いしますね」
流石お金持ちは他人の話を聞かずに話を進めるなぁ‥…
あれよあれよの間にバイトの契約書にサインしていたあたしだった。
思わぬ展開になり、頭がいたくなりそうだけど、祥子女将もとい祥子専務は、本当に素敵な女性なので大学の始まるまでお世話になる事を決心した。
決心したらなんだかワクワク楽しみになってきたからあたしも現金なもんだ。
「顔しかめてみたり、ニタニタしたり一人で百面相かよ」
肩を震わせ、クックッ笑う悠斗。相変わらず嫌味な男だ。
暇だった筈の夏休み。いつの間にか忙しくなりそうな夏休みに変わっていた。
春菜ちゃんの家庭教師と万里さんからの英会話のレッスン、蓉子先生のお稽古は午前中にしてもらう。
午後はKAGURAで仕事。
仕事と言っても祥子専務について挨拶周りするのがメインで、空いた時間に秘書課の先輩に教わりながら書類をまとめる手伝いをする感じだ。
それにしても祥子専務は、すこぶるパワフルで仕事が出来る女性だ。
なのに、祥子専務の周りにはいつも温かで穏やかな空気が流れている。
経済界の重鎮と呼ばれるような人達も祥子専務をものすごく可愛がっていて、時間が空くと「お茶せえへんか?」と連絡してくる。
そんなこんなで祥子サロンのティータイムは、いつも賑やかで笑いが絶えない。
重鎮の方達は、“多神楽” で祥子専務がすでに紹介して下さっていた方達で、KAGURAであたしを見かけると「しぃちゃ〜ん」と嬉しそうに話しかけて下さる。
驚いたことに、つぅ爺こと筒井の爺様は、世界的大企業の ジュエルグループ総帥だった…‥…
“多神楽” に、毎日来る時点でどっかの社長さんかなぁ〜とは思っていたのだけど、想像の範囲を超える大企業の総帥で本当にビックリだ。
だけど、目の前のつぅ爺は、相変わらずの好々爺。
「祥子ちゃ〜ん しぃちゃ〜ん 昨日話してた限定のケーキ買ってきたよ〜」
なんて言いながら色んな人物を引き連れてやって来ては、嬉しそうにお喋りして帰って行く。
困ったのは、つぅ爺はKAGURAでも相変わらずで‥…
会議の場以外(私の役目はないから名前を呼ぶなんてないのだけど)は、他の重鎮の方達の前でも、筒井総帥なんて呼ぼうものなら拗ねて「つう爺様」と呼ぶまで返事もしない。
かろうじて「様」をつけて呼ぶのを許可してやってるんだ位の態度でいるから、困ったもんだ。
帰る時に必ずと言ってよい程、あたしに “宿題” を与えてくる様になった。
つぅ爺の出す宿題とやらは、あたしの知識欲を刺激するものばかりで、楽しくて仕方がない。
つぅ爺に、作成した資料を携え口頭説明すると 必ずと言って良い程のダメだしの嵐だ。
それでも、その中の一つ二つを宝物のごとく掬い上げ、褒め讃えてくれる。
祥子専務は、あたしの横でその様子を楽しげに見守り、息詰まると的確な助言を与えて下さる。
お盆明け…1週間のお休みをもらい、あいつのいるNYへいざ出発!!
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待ち構えていたのは、満面の笑みで祥子専務を待つ神楽代表取締役社長。
「祥子さん仕事が沢山たまってますよ」
なんていいながら目じりが下がりっぱなし
「ところで、そちらのお嬢さんはどなたかな?」
真面目な顔で聞いてくる。
「星野つくしさん。ほらぁ~ 万理さんと蓉子さんが散々自慢してたお嬢さんよ~ ようやっと念願かなって万理さんが“多神楽”にならって紹介して下さったのよ。ほらあそこなら身元のしっかりした方しかいらっしゃらないからって。でね~な、なんとよ~ かおるちゃんとも悠斗とも同じ学校のお友達なんですって♪♪」
「ホォホォーそりゃすごい」
大袈裟に頷いてる。だけど絶対に、祥子専務の笑顔しか見てない筈だ。
思わず道明寺を思い出して、親近感が湧き
「星野つくしと申します。どうぞよろしくお願い致します」
満面の笑みで挨拶した。
「KAGURAホールデングス代表取締役社長の神楽 貴士です。祥子さんに付き合ってくれてありがとう。」
ありがとう をもの凄く気持ちよく伝えてくれる大企業の社長。さすが祥子専務の愛するご主人だ。
物怖じしないあたしを、なぜかえらく気に入ったようで、残りのバイト期間 KAGURA本社で祥子専務について働けと言う。
絶対に絶対に祥子専務を引き留める作戦だと思うのだが…
我が意を得たりとばかりに祥子専務はイキイキする。
「では、明日からはこちらに来て私の同行をお願いしますね」
流石お金持ちは他人の話を聞かずに話を進めるなぁ‥…
あれよあれよの間にバイトの契約書にサインしていたあたしだった。
思わぬ展開になり、頭がいたくなりそうだけど、祥子女将もとい祥子専務は、本当に素敵な女性なので大学の始まるまでお世話になる事を決心した。
決心したらなんだかワクワク楽しみになってきたからあたしも現金なもんだ。
「顔しかめてみたり、ニタニタしたり一人で百面相かよ」
肩を震わせ、クックッ笑う悠斗。相変わらず嫌味な男だ。
暇だった筈の夏休み。いつの間にか忙しくなりそうな夏休みに変わっていた。
春菜ちゃんの家庭教師と万里さんからの英会話のレッスン、蓉子先生のお稽古は午前中にしてもらう。
午後はKAGURAで仕事。
仕事と言っても祥子専務について挨拶周りするのがメインで、空いた時間に秘書課の先輩に教わりながら書類をまとめる手伝いをする感じだ。
それにしても祥子専務は、すこぶるパワフルで仕事が出来る女性だ。
なのに、祥子専務の周りにはいつも温かで穏やかな空気が流れている。
経済界の重鎮と呼ばれるような人達も祥子専務をものすごく可愛がっていて、時間が空くと「お茶せえへんか?」と連絡してくる。
そんなこんなで祥子サロンのティータイムは、いつも賑やかで笑いが絶えない。
重鎮の方達は、“多神楽” で祥子専務がすでに紹介して下さっていた方達で、KAGURAであたしを見かけると「しぃちゃ〜ん」と嬉しそうに話しかけて下さる。
驚いたことに、つぅ爺こと筒井の爺様は、世界的大企業の ジュエルグループ総帥だった…‥…
“多神楽” に、毎日来る時点でどっかの社長さんかなぁ〜とは思っていたのだけど、想像の範囲を超える大企業の総帥で本当にビックリだ。
だけど、目の前のつぅ爺は、相変わらずの好々爺。
「祥子ちゃ〜ん しぃちゃ〜ん 昨日話してた限定のケーキ買ってきたよ〜」
なんて言いながら色んな人物を引き連れてやって来ては、嬉しそうにお喋りして帰って行く。
困ったのは、つぅ爺はKAGURAでも相変わらずで‥…
会議の場以外(私の役目はないから名前を呼ぶなんてないのだけど)は、他の重鎮の方達の前でも、筒井総帥なんて呼ぼうものなら拗ねて「つう爺様」と呼ぶまで返事もしない。
かろうじて「様」をつけて呼ぶのを許可してやってるんだ位の態度でいるから、困ったもんだ。
帰る時に必ずと言ってよい程、あたしに “宿題” を与えてくる様になった。
つぅ爺の出す宿題とやらは、あたしの知識欲を刺激するものばかりで、楽しくて仕方がない。
つぅ爺に、作成した資料を携え口頭説明すると 必ずと言って良い程のダメだしの嵐だ。
それでも、その中の一つ二つを宝物のごとく掬い上げ、褒め讃えてくれる。
祥子専務は、あたしの横でその様子を楽しげに見守り、息詰まると的確な助言を与えて下さる。
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