イノセント 47 司つく
つくしの指先が司の頬に触れる。
頬に触れられているのにも関わらず、司がつくしの指先から感じたのは、どこか遠い所への思い。ただそれだけ。
ぐっとつくしを抱き寄せて
「そんなに俺に欲情してんのかよ?」
耳元で囁く。
つくしの心は一気に現実に舞い戻ってくる。
一瞬、そう一瞬……つくしの心は17のあの日に舞い戻っていたのだ。
「だ、だ、誰が___」
司の腕を必死に解こうとすれば、その行為が司の劣情を煽動する。
抱き締められたままに深い口づけを落される。唇の隙間から生き物のように舌が入れられて、生き物ののように蠢く。優しく舌を絡めとられた次の瞬間、ビクンッとつくしの身体が小さく揺れた。緩やかに開いた唇から舌が抜き差しされる。擦り合わされる感触が甘い痺れをつくしの身体に齎していく。司の片手が後頭部を包み込むように添えられる。
まるで生き物ののように口の中を縦横無尽に舌が蠢く。舌の裏側を刺激されれば、つくしの身体に熱が加わる。
舌先を甘噛みしながら強く吸い上げたあと、唇を解放すれば、二人の唾液が絡まりながら糸をひく。
「ぁあっーーっ」つくしの口から吐息が零れる。熱い熱い吐息が。
「クククッ……身体は正直だよな」
心が欲しくて溜らない癖にわざと意地の悪い物言いをする。
愛してる。そう言えばいいのに__つくしの指先から感じた自分ではない違う男への思いがその言葉に蓋をする。
「なぁ、その身体すげぇよな__誰にも見せられないよな」
耳元で囁きながら、耳の形に添って舌先を這わせながら息をふきかける。
ビクンッ ビクンッ つくしは、刺激に耐えるかのように眉間に皺を寄せながら
「だ、だ、誰に見せるっていうのよ」
「あぁ、お前の身体は誰にも見せはしない。俺だけのモンだ」
そう言いながら舌先を耳から首筋に這わせていく。水滴を唇で拭き取っていくように舌を上下させながら、鎖骨の窪みに舌をゆっくりと這わせるのだ。
背中に一筋の電流が走りガクガクと脚が震える。指を噛みながら必死で声を抑える。
固く閉じられた脚の隙間から指が入れられる。
「ぃやっ」
小さく放たれた言葉と共につくしの身体が跳ね上がる。
「嫌じゃなくて、もっとだろ?」
言葉でつくしをいたぶりながらゆっくりと円を描き孔の中に指を挿れゆっくりと抜き差しを繰り返す。
抗い切れない快楽が背筋を閃光のように駆け上がる。
堪えようとすればする程に。
執拗に司は、言葉を求める。
「言えよ、なぁ、俺が欲しいって言えよ」
耳を舐められ、指は包皮を剥いて花芽を弄る。
「ぅっ……ぅぅっ」
身体が溶けて溶けて溶けていく。
トロトロに溶けていく。
いっそこのまま溶けきってしまえばいいのに……
イキそうになる瞬間に指が刺激を止める。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ___」
息が切な気に上がる。身体の疼きに屈してしまいそうになるのを必死に耐える。
「一言俺が欲しいって言えば楽になるぞ」
つくしは唇を噛み締めて首を振る。
司は、つくしを抱きかかえ水から上がり、濡れたままの身体のつくしをベッドに沈める。
白い裸体がベッドに縫い付けられる。
司の瞳がつくしを映し、つくしの瞳が司を映す。
司の真っすぐ射抜くような視線から目を逸らす様に、つくしは目を瞑る。
全てを手に入れたいのに、全てを手に入れられない歯痒い思いが司の心を貫き、嬲るようにつくしの身体を弄ぶ。イキそうになる度に動きを止めて耳元で囁く。
「いつものように、俺が欲しいって言えよ。なぁ」
その度につくしは首を振る。蜜をダラダラと太腿まで垂らしているのにも関わらず、道明寺を思いながら抱かれる事が罪だと言う様に首を振る。
「ったく、今日は随分と頑だな。じゃぁ、口でやれよ」
ニヤリと笑ってからつくしの後頭部を掴みあげ、口内を陵辱するように、熱い塊をつくしの口にいれ動かした。
「ウグッ」
喉の奥を激しく突き動かされる。司のものが動く度に苦しくてえづくのに、容赦なく司は腰を動かしつくしの口内を蹂躙する。
「うぐぐっ」
苦しくてくぐもった声が出ても、それをまるで楽しむかのように腰を揺らし続け、白い精をつくしの口内に放った。
「ぅぅっっ」
つくしの口許からタラリと白い筋が流れる。
自分だけを見ろ。自分だけを愛せと
愛する者に恥辱を与え、執拗に執拗に攻め続けた。
「......お願い......あなたのを頂戴」
そう言われた瞬間、司の頬は喜びで歪む。
二匹の蛇のように絡み合いながらお互いの身体を貪りつくす。
情念が愛を曇らせていく。
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