飛んde楽園 ~レッツゴー南国~
えっ?またまた拉致られた?どこからと思ったあなたは↓
飛んde楽園 ~爆弾低気圧移動中編~
deシリーズは、~空色の時間~ 空色さまとの共同作品♪になります。
息咳切って走ったつくしを待っていたのは、空の旅。
自分がどこに何しに連れられていくのか解らずに、ベルトを付けられ離陸した。
幾分、気持ちも息も落ち着いた頃つくしが類に話しかける。
「ねぇねぇ__類」
「うんっ?なになに」
類の綺麗な瞳がつくしを愛おしそうに見つめる。見つめられたビー玉色の瞳に条件反射でボォッーとなりながら
「あのさぁー、今日は、あたしどこ行くの…かな?」
「じゃぁ、クイズ出して上げるよ」
「クッ、ク、クイズ?」
「そこの島にはスターバックスがありません」
「スタバがないとかじゃちょっとわからないかな~?」
「じゃぁ、ガソリンスタンドの数は15個です」
つくしは首を振り
「えっ?それじゃ全然解らない__かなっ?ってか、最初の問題より難易度上がってない?」
類は可愛らしく小首を傾げ
「じゃぁ、出血大サービスで、とっておきのオマケクイズだよ。こから行く所には青い橋が架かっています。さてどこでしょうか?」
「あははっ、お手上げです。青い橋じゃ、ちょっと……」
「あれっ?すっごい解りやすいクイズなのになぁ~ 残念! じゃぁ、出題者に3ポイントね。あっ、最後のは超解りやすかったから全部で5ポイントかな」
類がなんだかとっても嬉しそうに話してる。なんだかポイントが云々と気になるフレーズが出て来たようだけど__つくしは違う事を考えていて全く聞いていなかった。
「ねぇ、類__あのさぁ、このジェットって二人きり?」
キョロキョロと辺りを見回して__
「あぁ、なんだかね、あきらと総二郎が二人でチャーター便をプレゼントしてくれたんだよねっ」
「へぇっーー? って、なんで?」
「日頃の感謝の気持ちだって。大したことしてないのに、中々律儀な二人だよね」
「そうなんだ~ って、じゃぁなんで走ったの?」
「滑走路の使用時間あるからね」
「アァ~」と大きく頷いてから手をポンと打つ。
本来なら多少の余裕はある……類がつくしを急かしたのは逃げる隙を与えないためだ。連れていってしまえばどうにでもなる。経験済みだ。
ほらっ、既になんとかなってる。
「類、これ美味しいね~」
パンケーキを頬張りながらニコニコ笑ってる。いつもながら……単純と言うか受容力が強いと言うか……
「うんっ⁉ なんか付いてる?」
そんな風に聞いて来る牧野は、とっても可愛くて
胸がキュンッと鷲掴みされる。
手を伸ばして抱き締めたいと思ったけど__歯止めが利かなくなりそうなので
「何にもついてないよ。ただ…」
「ただ?」
「すっごい可愛いなって」
お得意 王子ビーム(コレ、牧野が名付けた俺の必殺技)を投げかける。
「うぅっ やられたー」
なんて言いながら胸を押さえてる。
「プッ やっぱりついてた」
「えっ?マジ? うひゃっ」
なんて言いながら口許を必死に両指で拭っている。
牧野、あんたについてるのクリームじゃなくって、愛と笑いがついているんだよ。
って……俺、南国につく前からもう既に色惚け状態?
ははっ
まぁ、気分は南国~ウキウキ気分は仕方ないよね?
あっ、そうそう着く前に
「向こうは結構暑いみたいだから.......そこの服に着替えちゃって」
「うんっ?暑い?って、な、な、南国?」
「うん。バレンタインディーは北国だったからね」
「うはっ、贅沢!」
プライベートビーチ付きのコテージに荷物を置いて二人で外に出る。
のんびりと散歩をしながら夕陽を眺める。
燃えるような赤い太陽が海に沈んでいけば、
黄昏時が広がって群青色が赤い空に混じっていく
「綺麗だね」
二人揃って陳腐な言葉を口にして、二人揃って手を出して繋ぎ合う。
ねぇ、牧野__あんたと見る景色は、たとえ
指先から熱い鼓動が伝わるんじゃないかってくらい、俺はあんたに惚れている。この瞬間も、これが夢でありませんようにと……願っている。
もういちどギュッと力を入れれば、牧野の指先からもギュッと力が返ってくる。
立ち止まり__あんたを抱き締めキスをする。幸せが胸に訪れる。
「牧野…….」
「うんっ?」
「今日はあんたにお返しする日なのに__俺、あんたに沢山の幸せを貰ってる気がする」
黄昏時でもわかる程、牧野の顔が赤らんで
「は、は、花沢類」
なんて、ワケのわからない雄叫びを上げている。
「プッ、あんた可笑し過ぎ」
「だ、だって」
可愛く唇を尖らせるから、もう一度キスをした。
「だってじゃなくて、本当だよ」
耳元にそう囁けば、精一杯背伸びをして俺の耳元に唇を近づけて
「あたしも、あたしも、類からいーーーーっぱい、いーーーーっぱい幸せもらってるよ」
なーんて可愛い事を言ってくる。
俺のココはキュンッと幸せでいっぱいだ。
ついでに……俺のココもキュンっとする。
「部屋__戻ろうか?」
振り向いてそう聞けば、震えるようにコクンと頷く。
あんな事も、こんな事もしてるのにも関わらず、相変わらず反則的な可愛さで俺の劣情を煽動させる。
さぁ、楽園でなにしよう? つづきは12時更新
ありがとうございます♡
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