ずっとずっと 63
薫の通ったイエールを見に行く。
ニューヘイブンの中に、散らばるように点在する伝統あるイエール大学。
ここに薫が通っていたのかと思いを馳せながら、手を繋ぎ美しい町並みを歩く
「薫は何故イエールにしたの?」
「一番は、亡くなった父の母校だったからかな。僕もこの街で暮らしてみたいって、思ったのさ。」
「そうなんだ。」
「つくしは、なぜ京大?」
「うふっ、一番は国立の大学だったから。かな? あははっ」
「っん? どういう意味?」
「そうだよね。薫とあたしは、本来なら住む世界が違う人間だもんね。うふっあのね、国立だと学費が安いの。それが一番の理由。でも、2番目の理由のがあたしにとっては重要かな?」
「っん?それはなに?」
「うん。それはかおるちゃんの存在。かおるちゃんが居なかったら京大には行かなかったかな〜」
「じゃぁ、僕はカオちゃんに感謝しなきゃいけないなぁー。そうなると一生神楽夫婦には頭が上がらないなぁー」
「うふっ、悠斗にも?」
「うん。悠斗のお陰で僕は僕で居られたからね。」
「そっかぁ〜。だったら悠斗も同じように感じてるかもね。」
「えっ?」
「うふっ、悠斗は薫が大好きで感謝してる。って、事だよ〜」
僕は、つくしの物の考え方がとても好きだ。
シンプルな物の考え方をするのに真実をきちんと見る心。
優しく深い心を持つ、つくし。
傷つき易いのに、人を傷つけるなら自分が盾になろうとするつくし。裏切られても傷つけられても、許してしまう優しいつくし。
僕はつくしの手を強く握る。
「うん、そうだね。きっと悠斗は僕の事が大好きだね。ありがとうつくし。」
「うふっ、両思いだね♪ あっ、かおるちゃんが妬いちゃうかな?」
可笑しそうに笑うつくし。
僕は、彼女を知れば知るほどに愛してしまう。
愛おしい僕の婚約者。
***
カウチに腰かけ、2人で話しながらつくしの髪を梳く
「亜矢さん達は明日のお帰り?」
「うん。明日の昼頃って言ってたよ。そう言えば、お爺様達がお土産買って来るから楽しみにしててって言ってたよ。」
「マグノリアベーカリーのカップケーキかなぁ〜?ジュニアズのチーズケーキかなぁ〜?むふっ楽しみ〜」
「僕のお姫さまは、食べる事ばかりだね。」
ぷ〜っと頬を膨らませる僕のつくし。可愛い可愛い僕のつくし。
「ねぇ、つくし」
「っん?」
「つくしからキスしてくれないかな?」
「‥…」
「だめかな?」
うな垂れる僕に、掠めるようなキスをくれたつくし。
真っ赤になって俯いている僕の聖女。
聖女で、妖婦な僕の愛する女性。
つくしの顎を持ち上げ、僕はキスをする。
僕は幸せに酔いしれ、同時に恐怖した。
この幸せを失いたくないと恐怖した。
彼女は微睡み、いつものように、僕の膝の上で寝てしまう。子猫のように‥…
彼女を見ながら、僕は考える。
昨日出会った男達のことを。
つくしの愛した、2人の男。
つくしを、愛した2人の男。
花沢類 と 道明寺司
彼等2人は表と裏のように、静と動 のように
違うのに似ていて、似ているのに違う
花沢類は、どうやってつくしを諦める事が出来たのだろう?
いや、まだ諦めてはいないのか?
道明寺司は、なぜつくしを裏切る事が出来たのだろう?
なぜ手に入れる事の出来た愛するつくしを手放せたのだろう?
諦める事の出来ない執着を、裏切る事のない愛を、僕はつくしに捧げる‥…
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