君へと続く物語 ~シャンパーニュは永遠に 03~

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White Love 〜君へと続く物語〜
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クッキー written by 悠香
マシュマロ written by 四葉
マカロン written byきぃ
キャンディ written by koma
ペタペタと顔中を触る感覚に司は目を覚ます。
「ちょっ、くすっぐたい」
嬉しそうにケラケラと笑いながら叶は、司を起こす。
「パパ、パパ、パパ、あしゃですよぉー みんなきますよぉー」
「うんっ?」
枕元に手を伸ばし時計を見れば__まだ朝早い
「みん__な?」
「うんっ、ママがね、おこしてきてぇって」
「ママがか?」
「うんっ」
司は、ベッドから降りて叶を抱き上げる。
叶は、ペタッとホッペを司にくっ付けながらニコニコと笑う。
「あんね、しーたんたちがくるんだって。もうじきおふねがつくって」
「船?あぁ、あいつらまた来るのか」
「うんっ、たぁーしみだね」
ニコニコと笑う叶に司は苦笑いを返しながら
「そうだな。楽しみだな」
叶はご機嫌で司の抱きかかえる手の中で唄を歌う。
「おっ、叶は、歌が上手いなぁー」
クシャクシャと叶の顔に笑みが咲く。屈託なく笑う幼子が司は、可愛くて可愛くて堪らない。
「なぁ、叶は好きな女の子はいるか?」
「っん?おんあんこ?」
「あぁ、女の子」
「ママっ」
司は首を振り
「ママは、ダメだ。ママはパパのパパだけのもんだ」
叶は首をふり唇を尖らす
「かーとも。かーともいっちょ」
「ダメだ。コレばっかはいくら叶でも譲らねぇよっ。 あのなぁ、叶、叶のココが痛くなるくらい好きな女が出来たら誰が反対しようとも諦めんな」
「コぉコ?」
叶は、心臓をトントンさせながら司に聞く。
「あぁ、ココだココ。ココが痛いぐらいに好きなら絶対に諦めんな。それが男と男の約束だ」
「やくしょく?」
「あぁ、パパと叶の約束だ」
司の真剣な眼差しに叶はコクンと一つ頷いた。
「ヨシッ、それでこそ俺の息子だ」
「っあい!」
叶が元気よく返事をした瞬間___
「かなとーーー」
「かーとくーん」
「かなくん」
叶を大きな声で呼ぶ滋と桜子、優紀の声が聞こえて来る。
声が聞こえた瞬間__司の胸の中からスルスルと降りて
「ゆーたん、しぃーたん、たくらこーー」
名前を呼びながら嬉しそうに駆け出して行く。
ボスンッ
力いっぱい抱きついて三人の相好を崩させる。
「おめでとうーー」
「道明寺さん、おめでとうございます」
後ろから来た 類とあきらと総二郎も口を揃えて
「おっ、司おめでとう」
そう声をかけて来る
「あぁ、ありがとうよ。……ってか、お前等揃いも揃って暇なのか?」
司がジロリと見れば
「牧野に届けものをしにきた。しっかりっと仕事だよ」
ふわりと類が笑う。
「……類、悪いがココに牧野はいねぇよ。今は道明寺夫人だ」
「うーーん。牧野は牧野だからなぁー。なぁ叶」
「あいっ」
叶が勢いよく返事をする。
「うーーん、相変わらず叶はいい子だ。ハイッ」
叶の掌に宝石のような可愛いキャンディーが乗せられる。
「るーたん、あーがとぉ」
ニコニコしながら、類と手を繋ぐ。
司が苦虫を潰せば、総二郎とあきらがクスリと笑いながら
「叶が、女の子じゃなくて良かったな」
「あぁ、なっ。あれで女の子だったら類に首っ丈だよな」
笑いの渦が皆を包む。
つくしがひょこっと顔を出し
「いつまでもそんな所でいないで、お茶淹れたから早く入れば~」
そう言いながらニッコリと微笑む。
六人が口を揃えて
「「「結婚5周年おめでとう」」」
お祝いの言葉を投げかける。
仲間達の心からの思いに司とつくしが嬉しそうに破顔する。
5年前の今日___
そう、世界中に【White Love】が駆け巡った次の日___
類に、あきらに、総二郎、滋に、優紀に桜子は、朝一番で船に乗ってこの島にやってきた。目的は勿論一つだけ。
それを満面の笑顔で出迎えたのは道明寺夫妻。後ろでは小躍りしながら「君にむチュウ~」と叫んでる牧野家一同。椿お姉さん一家に西田とタマ先輩もニコニコ笑って六人を出迎えた。
ゆっくりと愛に浸って眠る司とつくしを、滋が銅鑼を叩いてたたき落し、瞬く間に用意が整えられて……二人の思い出のこの島でお式が執り行われた。
神父役は、類がかってでた。
随分と用意が良いって?
そりゃそうだ。
動画を見た類が……田村にお願いして道明寺総帥に直ぐさま連絡をとったんだ。
結果……待ってましたとばかりに話が進んだ。
何故かって?
西田からMichelメゾンの話しを聞いていた道明寺夫妻。一刻も早く司とつくしに結婚式を挙げてもらいたいと画策していたから。
Michelメゾンのヴィンテージシャンパーニュをメープルホテルのハウスワインにする事は、楓会長の永年の夢だったから。楓会長の夢は総帥の夢でもあったから。
夢が現実になるチャンスが目の前にぶら下がったんだ___のんびりなんてしていられない。
司が用意させたLoveTsukushiのキャンドルの準備とは別に西田と大河原グループが奔走して式の準備を整えた。
つくしの夢見ていた本当に大切な人達だけに見守られて式が挙げたい__そんな夢も叶えられた。
二ヶ月後に執り行われた披露宴では、Michelメゾンのヴィンテージシャンパーニュが盛大に振る舞われた。
勿論__お式の様子も、その後執り行われた披露宴の様子も世界中に配信された。
作り物でない始終笑顔に包まれたつくしの花嫁姿は、王者司にも勿体ないんじゃないって皆に思わせちゃうくらい__魅力的だった。
映画との人気と相まって___こんなご時世なのにメープルホテルでの披露宴は5年経った今でも最低2年待ちの大人気だ。
英徳人気にも再び火がついて__F4が、つくしが、居た頃のように超人気学園だ。新設された建物にあの頃のようなサロンが復活してる。
年に一度、ホワイトデーの日には、ペットボトル祭りが開催される。勿論、ペットボトルを投げつけるなんて野蛮なことじゃなくて__ペットボトル型の水鉄砲にフラワーウォーターが淹れられて水鉄砲合戦。
この日は、あの日と違って学園中が花のいい香りに包まれる。
幾つもの恋が生まれるこのお祭りは、とても大人気だ。そうそう、ここで上げられた収益は White Love基金と名付けられ奨学金の一部に使われている。
色んな人に、
色んな場所に
司とつくしの愛は波及している。
そう これが本当の
君へと続く物語。
fin
thank you♪

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