明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

Anecdote 〜西田の憂鬱編〜  by koma

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書類の山を片づけていた司様は
ふぅっと息をつかれると
「あぁ、西田。悪ぃが珈琲入れてくれねぇか?」
なんてニヤニヤしながら仰る。

「……はい」
今日はこれで12杯目。
ちなみに普段は1日通しても5杯も飲まれない方だ。


「お待たせいたしました」
「サンキュ」
今にも鼻歌でも歌いだしそうな司様は
引き出しから赤い箱を大事そうに取り出すと
その中からチョコレートを1つ口へと運ぶ。

「……やっぱ甘ぇな」
とても甘い物を食べたとは思えない
苦々しい表情を浮かべると珈琲で口直しをしている司様。

…そんなに無理して召し上がらなくても。

その言葉を口にしないのは言うだけ無駄だからです。

「でもなぁ…牧野が、オレのために作ったんだから
 彼氏としてはやっぱ食べてやるべきだと思わねぇか?」
牧野様が今年司様にお贈りになられたのは

『あんた甘さ控えめにしても甘いって文句言うから
 少しずつなら食べられるのかと思って1個が小さいチョコにしたよ』
と小さなチョコがたくさん入ったBOXでした。

それを仕事がひと段落する毎に1つ口にされる司様。

「…そうですね(棒読み)」
「そうだよなぁ…そう思うよなぁ。
 …ったく。こんなにたくさん作りやがってよー
 あいつそんなにオレの事好きなのかよっ」
なんて口では文句を言いながらも
司様のお顔はだらしなく緩んでおられます。

正直、この「本命チョコ自慢」に付き合うのも
そろそろ我慢の限界に達しようとしております。

牧野様。
来年は是非
すごく大きくて甘い甘いチョコレートを
1つだけお作りになられますよう、心からお願い申し上げます。



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