Anecdote 〜喜劇の傍観者編〜 by 四葉

今日は、ホワイトなんちゃらの日らしいねぇ。
しかし、お忙しい坊ちゃんも、奥様も屋敷には、いらっしゃらない。
そのせいか、使用人達も締まりがなくていけないよ。
ちょいと目を離せば、何人かで集まって無駄話だ。
ほら、見てごらん。
階段下で、スマホ片手に、頭を寄せ合ってヒソヒソやってる。
「あんた達!何やってんだい!さっさと仕事に戻りな!」
全く、最近の若いのは、なっちゃいない。
高校時代のつくしの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいねぇ。
あの子には、気骨ってもんがあったよ。
「ホラホラ、散った散った!」
杖を振り回すあたしに、
「違うんです!先輩、コレを見て下さい!」
古参のメイドが、慌てふためいてスマホを指差した。
「一体全体、どーしたんだい?」
しかし、その疑問も、全世界に向けて配信される動画を見て納得がいった。
バッチリ二人の顔と音声が撮られ、どんな言い逃れも出来やしない。
「はぁーーーー、ったく、もう十代じゃないんだから、坊ちゃんも、つくしもどーにかなんないかね」
大きな溜息をつきつつも、あたしゃ、幸せな気分だったよ。
いっそ子供でも出来りゃ、結婚への弾みもつくかと思っていたが、これは、これで、全世界が認める既成事実。
「つくし、もう後戻りは出来ないよ。覚悟決めて、道明寺に来るんだねぇ」
この屋敷に、再びつくしが来る日まで、こりゃ、死んでも死に切れないよ。
thank you♪

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