紅蓮 84R つかつく
目の前で美しく笑う妻を愛していた。
妻に良く似た娘が誕生し幸せの絶頂に居た。
男の幸せに影が差したのは愛する娘の身体ウェヌスのえくぼを見つけた時だった__妻にも、男にもない腰に並んだえくぼ。
親友だった男の腰に2つくっきりと並んでいたえくぼ。
膨れ上がる疑心暗鬼の心を晴らすために、秘密裏にDNA鑑定を行った。
結果は___100パーセントの親子関係の否定。
愛する妻が、時折見せていた淋しそうな瞳の理由全て理解した。
裏切りが解った瞬間__男の中で何かが壊れ波旬になった。
誰かに話せば、打ち捨てろと言われる事は解りきっていた。
だが男は、妻を死ぬほどに愛していたのだ。
だから男は、自分の精神を守るために__全てに目を瞑り、その代わり、時が来たら彼女の一番大事にしているものを怖そうと心に決めたのだ。
時が訪れたら壊すために男は、妻に良く似た娘をこよなく愛した。
傍から見れば、幸せな一家がそこには存在していた。
妻と出会った頃を彷彿させる美しい娘に成長した。
娘の18の誕生日___
男は、楽し気に妻の不貞を娘に語りその結果がお前なのだと言い放ち、娘の純潔を奪ったのだ。
*-*-*-*-*-*
目の前の男に幾度抱かれただろう?
怖い__辛い__逃げ出したい
なのに
「早くこちらに来なさい」
悋気の含まれた声で男に呼ばれれば、機会仕掛けのマリオネットのように身体が動く。
男の指先が、頬から首筋、胸元を這い回る。
舌が乳首を舐め回せば、口端から吐息が零れる。
嫌な筈なのに両手を差し出し、縛られるのを待っている。
目の前の男がニコリと笑い私の手を縛り上げていく。
「__いい子だ」
男の大きな手が娘の頭を撫でながら、足を大きく開かせて、怒張した塊で最奥を突き上げた。
朝も昼も夜も無いほどに__何度も何度も貫かれ、幾度も幾度も絶頂を迎えた。絶頂の中涙を流した。
快楽からなのか
哀しいからなのか
辛いからなのか
自分が何故泣いているのか解らなくなるほどに涙を流した。
幾度も幾度も繰り返され、半分壊れた美しい人形が出来上がる。
ほんの少し気が触れた娘には、愛してもいない見知らぬものとの結婚が決まった。
漸く、男に抱かれる事はなくなると安堵した筈なのに__初夜に彼女を待ち受けていたのは、狂気を纏った波旬だった。
波旬は、娘の中に真っ白な精を放った。
月のものが訪れずに、妊娠が発覚したのはそれからふた月ほど経った頃だった。
「おめでとうございます。ご懐妊です」
医師に告げられた時には___半分残った娘の精神は崩壊していた。
婚姻関係を結んでいた男の子として娘は二つの命を産んだ。
双子を忌み嫌う風習から、一人は宗谷の当主として、一人は影として育てられた。
男にとって誤算だったのは、愛する妻は、何も見ようとも何も聞こうともせず、結果何も気づかずに、以前と変わらず、穢れない美しい微笑みを讃えながら嬉々として娘の世話にかかり切りになってしまった事だった。
自分と女__なによりも愛する妻の命を受け継いだ我が子を見たとき、男は狂気乱舞した。
同時に、男は、以前よりも妻を憎んだ。
これほど愛しているのにも関わらず、今なおどこか遠くを見つめている妻を。
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