baroque 66
嫉妬が
jalousie
少しずつ
jalousie
冷静さを欠けさせていく
四人での時間___つくしにとっては、拷問のような時間だった。
男二人はお互いの腹を探り合いながら微笑を浮かべ、沙百合一人が生き生きと様々な会話を楽しんでいた。
沙百合が薫の耳元に何かを囁き、薫が妖艶に微笑む。
初めて見る薫の表情に___
ズキンッ
つくしの心が鈍い痛みをあげる。
「あっ、あの__あたし、ちょっと化粧室に」
つくしは、心の痛みを隠す様に席を立ち上がった。
化粧室に向うつくしの姿を見送りながら薫の片頬が満足げにゆっくりと上がる。
バタンッ
たったいま目にした薫の表情は、つくしが時折耳にした醜聞を裏付けるかのようで
「フゥッーー」
つくしは、大きな溜め息を吐いた。
薫は、容姿も身分も世の女性が放って置かない男だとつくしは、認識はしていた。
でも___
薫から他の女性の影を感じることなど今まで一度たりとも無かったのだ。
心がざわつく。
総二郎を好きな筈なのに__薫が他の女性と仲睦まじく過ごすのが嫌なのだ。
ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。ズルイ。
あたしはズルイ。
「でも……」
溜め息が零れる。
身勝手なのは解っている。
でも でも でも でも___薫の隣りに誰か他の女性がいるのが身悶えするほどに嫌で堪らないのだ。
薫に対して、つくしが初めて感じた嫉妬心だったのかもしれない。
ギリリッと親指の背を噛み、眉間に皺を寄せる。
鏡に映る己の姿があまりにも醜くて___嫌になる。
目を伏せ化粧室を出た。
ドアを開けた瞬間___目の前に総二郎が居て
ドクリッ 心臓が音を立てつくしは、唾を呑み込んだ。
総二郎は無言でトイレにつくしを押し込んだ。壁に押し付けた状態で口づけをする。バーボンの香りがつくしの口中に漂う。
歯茎をなぞり上げられ、舌が絡められる。
「ぁっ」
快楽が背筋を這い上がり、つくしの口から吐息が零れる。
総二郎の指先がスカートをたくし上げ、ショーツの上から秘部をなぞる。
「そ、総、だ、だ、だめ__こんな所で」
つくしの身体の向きを変え洗面台の上に手を付かせた状態に持って行く。
総二郎は、無言でストッキングとショーツをずり下げ、後ろからつくしの胸を弄る。
「そ、そ、総、やっ、ヤメテ」
総二郎のしなやかな指先が胸を揉み上げ乳首を摘みあげながら耳元に総二郎の吐息がかかる。
ビクンッ
つくしの身体軽く揺れる。総二郎の舌先が首筋をなぞりあげながら、指が花芯をなぞり秘部に侵入する。
「ヤダって言うのに、お前のココ濡れ濡れだぞ」
恥ずかしい言を投げつけられて、つくしの身体はジュワッと濡れていく。
こんな場所で受ける恥ずかしさと、総二郎の指先が与える快楽と、薫への思慕とが混濁しあい狂おしいほどに身体が悶え肉襞が総二郎の指を絡めとる。
カチャカチャとベルトを外す音がして、総二郎の熱い塊がつくしのナカに入れられる
「つくし、お前は俺のもんだ。なぁ、そうだよな?」
水音の音と腰を打ちつける音が個室の中に響き渡った。
快楽に堕ちていきながら、つくしは狂気に捕われる自分を感じていた。


ありがとうございます♪
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