ずっとずっと 15
楽しかったNY…
あいつと過ごした日々は幸せで幸せで。このまま時が止まってしまえば良いのにと真剣に願った。
帰りの飛行機の中ではあいつを思い出してちょっぴり泣いてしまったのは、あたしだけの秘密。
「約束の日まであと2年半 世界中の時計が早送りになると良いのにね」
また来るねあんたに会いに。
夏休み残りの日々は10日前と変わらずに過ぎていく。
変わった事と言えば、つぅ爺と祥子社長と過ごす時間が増え、つぅ爺からの宿題が増えた事くらいだろうか。
9月の終わりに後期授業が始まった。
「しぃちゃん〜♪」
「ん?うん?? か、かおるちゃんまで‥… しぃちゃん” 呼び??な、なんで~」
「うん。つぅ爺様の鶴の一声じゃぁ〜 筒井の爺様からわざわざ連絡あってビックリだよ〜 絶対死守せよって言ってたから しぃちゃんって呼ぶようにするね いいかな?って、呼ばないと爺様のお小言らしいからよろしくね~」
なんてことを話していたら、すぐ後ろで悠斗に
「おぉ〜カオと、しぃじゃないか」
と声をかけられた。
「あっ、ユト君 こんな時間に学校なんて珍しいね」
「かおるちゃんと悠斗って… も、もしかして知り合い??」
聞けば、かおるちゃんのお家は、誰もが知ってる立派な老舗の呉服屋さんのお嬢さんで、悠斗とは小さい頃からの幼馴染。
悠斗があたしを知っていたのは、かおるちゃんと一緒に居た所を見て覚えてたんだそうだ。
そっか、そっか~ 祥子社長が 「かおるちゃん」って、言ってたもんね~妙に納得した。
「へぇ~ 呉服屋さんなんだね。 だから着物姿が板についてたんだ〜 かおるちゃんの着物姿本当に綺麗だもんね〜」
なるほどね〜〜 合点がいくとはこの事だ。
「ちょっ、ちょっ、しぃお前って‥… もしかして、カオの事なんも知らないのかよ?」
悠斗がビックリしたように言う。
「ユト君 それは違うよ。しぃちゃんは私の事知らないんじゃなくて、私にとっての付属品は知らなくてもOKなだけだよ。」
かおるちゃんはあたしに何も聞かなかった。なぜ中途半端な時期に京都に来たのか。東京でどんな生活をしていたのかさえも。
あたしもかおるちゃんには何も聞いた事がなかった。どこの誰かなんて考えた事もなかった。そんな話をしている暇がないくらい知的好奇心が似ていたって事もあったんだけど、かおるちゃんはかおるちゃんだから…
「かおるちゃん ありがとう これかもよろしくね」
「しぃちゃん ありがとう これからもよろしくね」
同時に同じ言葉を発してて、大笑いしてしまった。
「そっか、そっか カオとしぃは、俺と薫みたいな関係ってことなんだなっ カオ良かったな」
「?????かおるって、かおるちゃんの事?」
「ちゃうちゃう。薫は薫。カオとは別人。あいつイェールに行ってるんだよ。俺と同い年なんだけど、スキップしてるから来年5月には帰って来る。そん時紹介してやるよ。」
「そっか~ ルゥさん帰って来るんだ~ あとちょっとだね。ユト君楽しみでしょ~」
「あぁ 楽しみだ」
悠斗が素直に頷いた。
「そうそうしぃちゃん ルゥさんってね、滅茶苦茶綺麗なんだよ~ 容姿端麗で頭脳明晰。もうねもうね王子さまよ王子さま!!」
久しぶりのミーハーかおるちゃんの登場だ。かおるちゃんはルゥさんの王子っぷりをこれでもかと語る語る。
そう言うかおるちゃんも、容姿端麗頭脳明晰なんだけどなぁ、ついでにかおるちゃんの隣の悠斗もそうじゃない??なんてつらつら思う。
そう言えば西門さんの事も魅惑的だのなんだの言ってたな…
確かに西門さん、顔は良いけど、たらしだよ。たらし
たらしと言えば、美作さん元気かな? あの口の軽ささえなければ美作さんも王子様みたいよねーー
王子様は類だよなぁ…類♪ 正統派 王子様♪♪
かおるちゃんが類を見たら、なんて言うんだろうなぁ などと思いつつ類を思い出す。
3月以来、「牧野解禁」と言い、月に一度は必ず京都に来てくれるようになった類。
道明寺に会いたい。寂しいなーなんて思っていると絶妙なタイミングで、ひょこりと顔を出してくれる。ふらりと非常階段に来るように自然にやってくる
家に帰るとパパやママ、進と4人で仲良く食卓を囲んでたりするからビックリだ。
先週来た時、秋刀魚のかば焼きを出したら 「牧野ん家はいつもすごいね。オレの見た事ないもんがいっぱいだよ」 ……いやいや、秋の味覚と言えば “秋刀魚” でしょ? 庶民の味方の秋刀魚でしょ? 秋刀魚のかば焼きも一般的だと思うんだけど…家族全員で突っ込みたくなったけど、あまりにも無邪気な類の笑顔にみんなで見惚れちゃったな…
いつからだったか思い出せないほど自然に、呼び名が花沢類から類に変わったんだよなぁ。
そう言えば、ポロッと類って呼んだら、あいつ俺の事も司って呼べって怒ってたなーー
「うん? 秋刀魚がどうしたの?」
不思議な顔でかおるちゃんが聞いてくる。
「あっ、た、た、食べたいかなぁーなんて」
「プッ しぃちゃんは王子さまよりも食べる事なのね~」
「…アハハッ」
「それはそうと、しぃちゃんジュエルグループで働くって本当?凄いじゃない~」
なんて、思い出したくない事をかおるちゃんが聞いてくる……
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あいつと過ごした日々は幸せで幸せで。このまま時が止まってしまえば良いのにと真剣に願った。
帰りの飛行機の中ではあいつを思い出してちょっぴり泣いてしまったのは、あたしだけの秘密。
「約束の日まであと2年半 世界中の時計が早送りになると良いのにね」
また来るねあんたに会いに。
夏休み残りの日々は10日前と変わらずに過ぎていく。
変わった事と言えば、つぅ爺と祥子社長と過ごす時間が増え、つぅ爺からの宿題が増えた事くらいだろうか。
9月の終わりに後期授業が始まった。
「しぃちゃん〜♪」
「ん?うん?? か、かおるちゃんまで‥… しぃちゃん” 呼び??な、なんで~」
「うん。つぅ爺様の鶴の一声じゃぁ〜 筒井の爺様からわざわざ連絡あってビックリだよ〜 絶対死守せよって言ってたから しぃちゃんって呼ぶようにするね いいかな?って、呼ばないと爺様のお小言らしいからよろしくね~」
なんてことを話していたら、すぐ後ろで悠斗に
「おぉ〜カオと、しぃじゃないか」
と声をかけられた。
「あっ、ユト君 こんな時間に学校なんて珍しいね」
「かおるちゃんと悠斗って… も、もしかして知り合い??」
聞けば、かおるちゃんのお家は、誰もが知ってる立派な老舗の呉服屋さんのお嬢さんで、悠斗とは小さい頃からの幼馴染。
悠斗があたしを知っていたのは、かおるちゃんと一緒に居た所を見て覚えてたんだそうだ。
そっか、そっか~ 祥子社長が 「かおるちゃん」って、言ってたもんね~妙に納得した。
「へぇ~ 呉服屋さんなんだね。 だから着物姿が板についてたんだ〜 かおるちゃんの着物姿本当に綺麗だもんね〜」
なるほどね〜〜 合点がいくとはこの事だ。
「ちょっ、ちょっ、しぃお前って‥… もしかして、カオの事なんも知らないのかよ?」
悠斗がビックリしたように言う。
「ユト君 それは違うよ。しぃちゃんは私の事知らないんじゃなくて、私にとっての付属品は知らなくてもOKなだけだよ。」
かおるちゃんはあたしに何も聞かなかった。なぜ中途半端な時期に京都に来たのか。東京でどんな生活をしていたのかさえも。
あたしもかおるちゃんには何も聞いた事がなかった。どこの誰かなんて考えた事もなかった。そんな話をしている暇がないくらい知的好奇心が似ていたって事もあったんだけど、かおるちゃんはかおるちゃんだから…
「かおるちゃん ありがとう これかもよろしくね」
「しぃちゃん ありがとう これからもよろしくね」
同時に同じ言葉を発してて、大笑いしてしまった。
「そっか、そっか カオとしぃは、俺と薫みたいな関係ってことなんだなっ カオ良かったな」
「?????かおるって、かおるちゃんの事?」
「ちゃうちゃう。薫は薫。カオとは別人。あいつイェールに行ってるんだよ。俺と同い年なんだけど、スキップしてるから来年5月には帰って来る。そん時紹介してやるよ。」
「そっか~ ルゥさん帰って来るんだ~ あとちょっとだね。ユト君楽しみでしょ~」
「あぁ 楽しみだ」
悠斗が素直に頷いた。
「そうそうしぃちゃん ルゥさんってね、滅茶苦茶綺麗なんだよ~ 容姿端麗で頭脳明晰。もうねもうね王子さまよ王子さま!!」
久しぶりのミーハーかおるちゃんの登場だ。かおるちゃんはルゥさんの王子っぷりをこれでもかと語る語る。
そう言うかおるちゃんも、容姿端麗頭脳明晰なんだけどなぁ、ついでにかおるちゃんの隣の悠斗もそうじゃない??なんてつらつら思う。
そう言えば西門さんの事も魅惑的だのなんだの言ってたな…
確かに西門さん、顔は良いけど、たらしだよ。たらし
たらしと言えば、美作さん元気かな? あの口の軽ささえなければ美作さんも王子様みたいよねーー
王子様は類だよなぁ…類♪ 正統派 王子様♪♪
かおるちゃんが類を見たら、なんて言うんだろうなぁ などと思いつつ類を思い出す。
3月以来、「牧野解禁」と言い、月に一度は必ず京都に来てくれるようになった類。
道明寺に会いたい。寂しいなーなんて思っていると絶妙なタイミングで、ひょこりと顔を出してくれる。ふらりと非常階段に来るように自然にやってくる
家に帰るとパパやママ、進と4人で仲良く食卓を囲んでたりするからビックリだ。
先週来た時、秋刀魚のかば焼きを出したら 「牧野ん家はいつもすごいね。オレの見た事ないもんがいっぱいだよ」 ……いやいや、秋の味覚と言えば “秋刀魚” でしょ? 庶民の味方の秋刀魚でしょ? 秋刀魚のかば焼きも一般的だと思うんだけど…家族全員で突っ込みたくなったけど、あまりにも無邪気な類の笑顔にみんなで見惚れちゃったな…
いつからだったか思い出せないほど自然に、呼び名が花沢類から類に変わったんだよなぁ。
そう言えば、ポロッと類って呼んだら、あいつ俺の事も司って呼べって怒ってたなーー
「うん? 秋刀魚がどうしたの?」
不思議な顔でかおるちゃんが聞いてくる。
「あっ、た、た、食べたいかなぁーなんて」
「プッ しぃちゃんは王子さまよりも食べる事なのね~」
「…アハハッ」
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