Let's be happy togetter 第15話

一応…。そう一応!
荷物の中に入れておいた桜子から貰ったベビードール。
ど、どうしよう。
まさか本当に着るなんて思ってなかった。
『Let's be happy together』 第15話
とりあえず着てはみたものの…。
スケスケであたしのザ・普通の体は丸見え。
この姿であの何もかも完璧な男の前に出ろって?
大体これ何のために着るの!?
どうしてショーツのサイドが紐なの!?
下着って大事な所を守るためにあるんじゃないの~っっ!?
こんなの何も守れないでしょうよっっ。
これじゃ逆に裸より恥ずかしいかもしれないっっ。
プールに落ちて冷えた体を温めるためにお風呂に入った後、
せめてもの抵抗としてバスローブで隠してみたけど
ベッドに腰掛ける道明寺に
あっけなくそのバスローブを取られてしまったあたしは
下着と呼ぶには頼りなさすぎる
このスケスケの布を纏ってこいつの前に立っている。
「やべぇな、コレ」
そう言って視線を落とした道明寺は
胸の間にあるリボンを指でなぞる。
「やっぱ可笑しいよね?
ごめん、すぐ着替えてくるからっ…!」
慌てて踵を返そうとした腕を掴まれた思ったのと
ベッドの上に押し倒されたのはほぼ同時で
「オレに見せるために着たんだろ?脱ぐなよ。
別にこんなのなくてもお前なら何だって可愛いけどよ。
恥ずかしがりながらもオレを誘ってるお前はすげぇクるな」
「これどうなってんの?」
意地悪く笑うこいつはベビードールの裾をペラッと捲ったり
ショーツの紐を片方スルリと引っ張ってほどくと
「へぇ?」とか言ってる。
よ、よかった…。
よくわかんないけどなんか楽しそうにしてる?
とにかく幻滅はされてないみたい…。
どこを見てればいいのかわかんなくて
しばらく泳がせていた視線を道明寺を向けてみると
4年前は思わず泣いてしまうほど怖かった道明寺の男の顔が
あたしをまっすぐに見下ろしていた。
だけど快感を知ってしまったあたしの体は
熱を帯びた獲物を狙うような瞳に見つめられるだけで
この先を想像してゾクリと背中を震えさせていた。
やべぇ…。頭おかしくなりそうだ。
なんだってこいつはこんなに振り幅がデケェんだ。
確かにオレは『お前が求めて来るまで手を出さねぇ』とは言ったが
そもそもこのどこまでも奥手な女に
男を誘うなんて大胆な事が出来るはずがねぇと思ってたのも事実。
だからどっかでスキンシップしてるうちに
雰囲気に流されてくれればいいか、くらいに思ってた。
実際、プールサイドじゃもうちょっと…って感じだったしよ?
あとは…あれだ。
タマがオレらにはまだ早いとか言ってたFiftyナントカってDVD。
気になってちょっとググってみて内容をざっと知ったオレは
最悪、あんなスゲェのするよりはマシだって思わせようとか…
…いや。まぁ、ちょっとオレも興味はあんだけどよ。
って、今はそんなのはどうでもいい。
こっちは焦らしに焦らされまくって
ちょっとしたスキンシップでも煽られてキツい状態だってのに
こんな格好して誘ってくるとかもう反則…いや、もう犯罪レベルだ。
それでも真っ赤な顔して小さく震えるこいつを見れば
オレのためにどれだけ勇気を出して頑張ってんのかはわかる。
とっくに脆く崩れちまった理性をかき集めて
暴走しねぇように大事に大事に…
そう何度もしつこいくらい言い聞かせてこいつを抱いた。
……はずだった。
「はぁぁぁ……大事にするってなかなか難しいモンだな」
ポツリと呟くオレの腕の中には夢の世界へ行ってしまった牧野。
ベビードールはやっぱり脱がしておくべきだったと
気付いたのは抜かずの3回戦が終わった頃。
焦らされまくっていたオレのムスコは
何度イッても牧野のあの姿を見るだけで
もっともっと…と貪欲に牧野を求めた。
結局そこから追加で3回した頃に牧野が意識を手放すように
眠っちまって、さすがにこれ以上はやべぇと我に返って今に至る。
…ってかすでにアウトか?
そもそもが前に4回やっちまって
あの誓約書を突き付けられたんじゃなかったか?オレ。
それをいくらこいつから誘ってきたっつったって
禁欲から解放された途端に記録更新してどうすんだよ。
起きたら今度こそあの誓約書にサインしろってキレられるんじゃねぇの?
このピンチを切り抜けるいい案はねぇか?
こいつがオレの暴走を帳消しにしちまうような何か…。
欲望をたっぷり吐き出して
心地よい疲れはあるものの
スッキリ冴え渡るオレの脳みそは名案をはじき出す。
まずは
ベトベトになったシーツを見たらまた
洗濯するとか言い出すんじゃねぇかと
風呂で体を洗ってやってるうちに
新しいのに取り替えさせておいた甲斐もあって
昼過ぎになってようやく目を覚ました牧野は
ベッドの上で枕を抱きしめたまままったりしていて
オレの予想に反して文句を言ってくる様子はない。
…というよりまだ疲れで頭がぼーっとしてるだけか。
なら今がチャンスだと
まだ眠そうにほわわんとしてる牧野を急かして部屋を出る。
「ねぇ…どこ行くの?」
「ちょっとな…。来ればわかる」
船内のある部屋の前につくと
「とりあえず、ここで簡単に支度してくれっから」
そう言って扉を開けると控えていたスタッフに引き渡す。
牧野が支度してる間に自分も済ませて
しばらく待っていると、牧野がスタッフに連れられてやってくる。
「……ねぇ、これってもしかしなくてもさ」
自分の格好とこのチャペルを見れば
いくらぼーっとした頭でも何をしようとしてるのかわかったらしいこいつ。
「ハワイでもどうせ式も披露宴もやるけどよ
あっちはどっちかっつーと会社のためって感じになるし
だからその前に2人だけで誓っとくのも悪くねぇだろ?」
そう言って手を差し出せば
困ったようにクスッと笑ったこいつはそっと手を重ねてくる。
「何だか静さんの結婚式思い出すね…
あの時もあんた誓っとくか、とか言ってたじゃん?」
「あれはお前に誓わせたかったんだよ。
キョトキョトしてばっかで心配かけまくりやがって…」
あの頃を思い出してムッとするオレ。
「う゛…別に心配かけようとしてたわけじゃないよ」
「それにやっぱりこうやって
お前のそばにいたって結局安心はできねぇんだ。
まぁ、オレがお前じゃねぇとダメなんだからしょうがねぇよな」
離れてた4年はお前が
そばにいないどころか、連絡もマメにしてやれねぇオレに愛想尽かして
他の誰かとどうにかなっちまうんじゃねぇかって思うと
気が狂いそうで常に不安が付きまとっていた。
でも結局、こうしてお前のそばにいて
抱いたからってこの不安は消えるわけじゃねえ。
地位も名誉も金も掃いて捨てるほどあっても
そのどれもがお前1人縛る事も出来ねぇ意味のねぇもので。
お前の前では、オレはただの男でしかねぇんだ。
だからこそオレは…。
「オレは一生こうやってお前を求め続けちまうんだと思う。
まぁ、その1つに夜の営みってヤツも入るんだが…
そっちは…うん、まぁ。あんま無理させねぇように気をつけっからよ」
バツが悪くて視線をそらしたオレに
「…道明寺、あの誓約書まだ持ってる?」
そう言った牧野の声にドキリと心臓が跳ねた。
…やっぱ6回はマズかったか、マズかったよなぁ。
でもまぁ、こいつが1回しか無理だって言うなら従うつもりだ。
本音を言えば1回なんかじゃ全然足りねぇが
抱きしめて眠るだけでも心は満たされる。
覚悟を決めて一応用意していた誓約書を取り出して
牧野の目の前でサインをして牧野にもペンを渡す。
ペンを受け取った牧野はしばらく黙り込んだかと思えば
誓約書を手に取ってビリ…ッと破った。
呆然と破れた誓約書を見つめるオレに牧野は小さく笑う。
「…そりゃ夫婦間の決め事ってのも大事だと思うけどさ。
あたしは何か問題にぶつかった時は2人で話し合えばいいと思う。
大体、愛し合う行為なのに回数を誓約書で決めるのって悲しいもんね」
「…それでいいのか?」
「うん。それがあんたの愛情だって言うなら仕方ないでしょ?
あっ!だからって全部受け止めるなんて言ってないからね!?
これはあくまでも気持ちの問題だから!
今日みたいに意識飛ぶまでとかありえないんだからっっ!」
キッと瞳に勢いが戻るこいつにクッと笑う。
いくらここにいるのがオレら2人だからって油断しすぎだっつーの。
別に施錠してるわけでもねぇし、ここはプールと同じ公共施設だ。
誰が覗いてるかわかんねぇんだぞ?
純白のドレスで宣言する事じゃねぇだろ。
それでもどうしようもなく愛しさがこみ上げてきて
たまらず腕を引き寄せてぎゅっと抱き寄せる。
「道明寺?」
「…っつーか、司って呼べよ。お前も道明寺になんだぞ」
「……司、かぁ。へへっ。なんか照れるね」
「つくし…2人で幸せになるぞ。
…愛してる。一生お前を愛し続ける」
「あたしも…あんたを愛し続けるよ」
そう言って今までで一番
綺麗に笑ったつくしと誓いのキスを交わした。
長めのキスの後、
ゆっくりと唇を離して見つめ合うと
どちらからともなく笑うと恋人繋ぎで歩き出す。
チャペルを出る直前、
オレは足を止めて振り返る。
祭壇の物陰に視線をやると
「…おい。てめぇら。
ずっと覗いてんのはわかってんだぞ」
ニヤリと不敵に笑う。
「…司?どうしたの?
覗いてる…って誰もいないと思うんだけど…」
「いや、なんでもねぇ。
そんな気がしたが気のせいかもな。ま、これもファンサービスだ」
「へ?なにそれ?」
「んー…お前は知らねぇ方がいい。
それよりよ…部屋戻ったら、もう1回しねぇ?」
「はぁぁっ!?」
「ちょっと眠ったしイケるだろ?…な?」
「…あ、あ…ありえないっつーのっっ!」
そんなつくしの声と同時に
チャペルの重厚な扉がパタンと静かに閉じた。
全てのつかつくファンへ。
____Let’s be happy together!
~ fin ~
アミダの神様がアンカーに選んだんだのは
まさかまさかのメンバーで1番ユルいkomaだったのですが。
いかがでしたでしょうか?楽しんで頂けました(・・;)?
最後の祭壇の影にいたのは誰だったのか。
蘭丸さんのお話で出てきた副編集長ズかもしれないし
ガチリレーメンバーかもしれないし
読者の皆さまかもしれません。
そこはご想像にお任せしまーす♪
蓋を開けてみれば
3日の猶予ってなんだ?って感じで
1巡目と2巡目の間に1日休んだだけで
結局全員が翌日アップで15話でフィニッシュを迎えました。
あちこち飛び回るバトンを
見失わずに追いかけて下さった読者の皆さま。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
そのうちメンバーそれぞれのサイトにて
ご挨拶も上がるかとは思いますが
まずはアンカーを務めさせて頂いたkomaより
代表して御礼申し上げますm(_ _)m
とりあえず本編は完結致しましたが
プロットなしのガチリレー故に
「あれ?そういえばあそこはどうなった?」なんて箇所や
「いやいや、ここの裏話とかあんだろ」とかとか?
気になる部分もあるかもしれません。
そんな、続編・番外編をメンバーが書くことは
ひとまず禁止したりはしておりませんので
おかわりがあればその部分を書いたメンバーをつっついてみてください(笑)
もしかしたら書くかもしれませんよ(笑)?
今回のこの企画。
読者の皆さまより
メンバーの方が絶対楽しんでおりましたが(笑)
負けないくらい楽しんで頂けていれば幸いです♪
ではでは。
またkomaも改めてご挨拶させて頂きますが
ひとまず…
ありがとうございましたっ!!
つかつく♥コラボ ガチリレーメンバー一同♪

いつも応援ありがとうございます♡
- 関連記事
スポンサーサイト