明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

Let's be happy together 第6話

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邸に戻った俺は早速タマに指示をした。


「タマ、プールの水をローションに変えてくれ。」

「ローション? ローションって言うと、化粧品の保湿液の事ですか? 坊ちゃん、どれだけの量になると解っておいでです?何を考えているんですか?」

「な、何をって、、」


邸のプールは25mの競技用だ。確かに使うローションの量は半端ねぇだろう。
しかしそこを使わねぇと牧野に怪しまれてしまう。
それにいくら何でも牧野とチョメチョメするためとは言えねぇ、、
っつーか、タマこないだ話したじゃねぇかちったぁ察しろよ!


折れ曲がった腰でもどーんと下から睨まれる事で、タマには何でも見透かされているような気になった司は必死で言い訳を考えていた。


「それはだな、、総二郎達が、、」

「西門の坊ちゃん? 何を仕込まれましたか?」

「し、仕込まれちゃいねーよ。あいつらにいつも、、そうだ! あいつらだ。」

「あいつら?」

「おう、あいつらいつもこの俺様に変な事ばかり言ってくるからよ。ちょっと仕返ししねぇとと思ってな。ほら、ローションってベタベタするじゃねぇか。そこに落としゃちっとは反省すんじゃねーかとな。」


おお、中々上手い事言ったんじゃねーか?

司は上手く言い訳出来たと思って開き直るが、相変わらずタマに凝視され背中に汗をかいていた。


「そうですか。まぁ、坊ちゃんも帰国されたばかりで羽目を外したいのでしょう。ご用意いたしますので、準備が出来るまで数日お時間を下さい。」

「おう。頼んだわ。」





***


「それでは失礼します。」


らくらくホンを閉じたタマはふぅと息を吐いた。



バタバタバタバタ、、、


「来たね。」



バターーーーン!


「タマ、入院ってどう言う事だ?」

「はぁっ、はぁっ、、タ、タマさん大丈夫ですか?」


知らせを聞いてすぐに向ったのであろう、司とつくしは乱れた髪で肩を上下に震わせていた。


「ちょっと、転んでしまってね。」

「転んだ?何やったんだよ。年寄りなんだから無茶すんじゃねーよ!」


ギロッ


司は心配そうにベッドへと一歩足を踏み出すが、タマに睨まれる。


「道明寺、あんたが先輩に何か言ったんじゃないの?」

「俺がぁ?!」


ふううと、またタマは盛大に息を吐いて二人を黙らせた。


「そうだよ。つくしの言う通りだ。あたしは坊ちゃんの言い付けをやってる時に転んだんだ。」

「俺の?どう言う事だ?」

ギロッっと司を睨むタマ。

「つくし、そこの引き出しを見ておくれ。」

「ここ、、ですか?」


つくしがサイドテーブルの引き出しを開けると何やらシャンプーの詰め替えらしきパッケージの物が出て来た。


「○C ローションバス トロケアウ?
な、何ですかコレ?」

「お風呂で使うローションだよ。ローションに抵抗がある女性向けに作られた物だ。」

「な、な、、な、ロ、ローション?!」

「ばっ、タマ!」

「道明寺?!」

つくしはパッケージを手にしたまま司を掴みにかかり、司はつくしに詰め寄られ顔をヒクつかせる。

お聴き!!二人とも!

「「・・はい。」」

タマの一喝に二人は固まり、タマはゆっくり話し始めた。


「坊ちゃんから邸のプールの水をローションに変えてくれと言われてね、ローションを用意しようとしたんだ。」


つくしはただでさえ大きな目を溢れそうなほど真開き、口をあんぐりとさせている。


「だが、ローションをそこまで用意するのに問題が起きた。」

「何の問題だ?」


爪を食い込まれるようにつくしに掴まれ、痛みを感じながらもバレた事への不満を表す司。


「ローションを大量に運ぶとなれば、工場から直接運ぶ事になるんだよ。タンクローリーを使って何往復かするだろうねぇ。だが、そんな物が邸に運ばれれば目立ってしょうがない。それが週刊誌に知られればどうなるか分かるだろ?」


タマの理由を聞き、司ばぐうの音も出なかった。


「だけどね、坊ちゃんがなぜそんな事をするのかあたしはピンと来たんだ。ローションって保湿液かと思ったが、あっちの方に使うやつなんだねぇ。」


そう言ってニヤリとタマは笑う。

つくしは真っ赤になって、口をパクパクさせていた。


「坊ちゃんがはじめから上手くリード出来るとも思えないし、つくしだってそうだ。このままじゃ、坊ちゃんのお子を抱く前にあたしが先に逝っちまうかと思ってね。何とかしようとそれを見つけたのさ。」


タマはつくしの手元を指差し、ウンウンと頷く。


「それで風呂場にそのローションを入れようとして転んじまったんだ。坊ちゃんの役に立てばと思ってやったんだがね、まさか骨を折っちまうとは思わなかったよ。」


ふぅとまた息を吐くと、骨折した所に痛みが走ったのかタマが顔を歪ませる。


「そ、それでタマさん脚を骨折したんですか?脚のどこを骨折したんです?」

「付け根だよ。手術が必要だそうだ。このままじゃ歩く事も出来ないからねぇ。」

「「なっ、、」」


口を閉ざす二人。

タマはそんな二人をチラッと見ては、口元を動かさないようにほくそ笑んだ。


「まだ、あるんだ。」

「へ、まだ?まだって何ですか?」

「タマ、何だ?何がある。言ってみろ!」


司がタマに近寄り、つくしも後を追って来た。
タマを心配するあまり二人の表情に余裕はない。


「奥様に知られたよ。」


とたんに二人はビクッとなり、つくしは青ざめた。


「クソッ、確かにババアの耳に入るのはしゃーねぇ。怪我をしたのがタマとなれば隠す事は無理だろうな。・・で、何て言ってるんだ?」


苦虫を噛んだように司がタマを睨む。

つくしはすぐには状況が分からないようで司とタマを交互に見ていた。


「呆れてましたね。NYの4年間の努力をご自身で潰すなんてとおっしゃってました。」

「チッ。」


舌打ちをしてつくしから顔を背ける司。

つくしは事の重大さをやっと理解出来た。


「タマさん、それで道明寺のお母さんは何て言って来たんですか?」


震える声でつくしが問いかける。


「責任を取れ。だそうだよ。」

「責任?誰に、、ですか?」

「誰って、あんたさ。つくし、あんたに責任を取れって奥様はおっしゃったんだよ。」

「あたしーーー???!!」


また目を飛び出しそうなほど驚いてつくしは自分を指差し、司もぐるっと振り返った。


「奥様はつくしが原因で坊ちゃんがそんな馬鹿な事をしたのだから、つくしに責任を取らせろとおっしゃった。なんせローションを大量買いしようとしたんだ。世間に知られたら道明寺の株価だって左右されるだろう。それくらいのスキャンダルになったかもしれないんだ。つくしの責任は重大だよ。」

「え、、でも、それって道明寺が勝手に、、」

「つくし!」

「はいっ。」


タマに一喝され、思わず気をつけをするつくし。


「あんたしかいないんだ。この坊ちゃんの暴走を止められるのは、、」

「そ、そんな、、」

「道明寺財閥のためだよ。数万人という道明寺財閥の社員の生活を守るためにはあんたしか出来ない事だ。迷う理由なんて無い!これはあんたに与えられた使命だよ。」

「あう、あう、、そんな~、、、」


つくしが泣きそうになりながら困りはてていると、司はゆっくり一歩後退りし後ろに振り返り震えていた。


タマはそんな司の様子を視界の隅に入れて、またほくそ笑む。


「だからつくし、あんたこれからは坊ちゃんの側で坊ちゃんを見張っててくれ。馬鹿な事をしないようにね。」

「見張っててって、あたしまだ大学生ですよぉ。」

「大学ったって英徳だろ。坊ちゃんに永久就職するんだ。もう大学行かなくても卒業なんて出来る。」

「えっ、永久就職ーー?!」


タマの更なる爆弾発言につくしは素っ頓狂な声を出し、後ろで司は緩んだ顔を大きな手でも隠せないでいた。


「それが責任の取り方だ。奥様も納得してらっしゃる。つくし、覚悟決めな!」

「そんな、そんな、覚悟って、、道明寺?!」


ここでやっと司の方を振り返ったつくしは司の崩れまくった顔を見て、四面楚歌になっている事に気付く。


「~~~~このっ、馬鹿男ーーー!!」



ドゴッ

ガラガラ、ガッシャーン





Let's be happy together

第7話につづく。







*・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・*


いかがでしたでしょうか?
会心のlemmmon節、私らしくお話を繋げたと思ってます。
私のお話お初の方はナンジャソリャってなってるかもしれませんが、、


さてリレーの次なる走者ですが、






それは、



Everything*Love
蘭丸さんです。


花男二次をはじめて今日でひと月の蘭丸さん。
そんな蘭丸さんをつかつくコラボに誘ったのは何を隠そう私です。
まだお話を書きはじめたルーキーですが、やってくれるでしょう。
やってくれると信じてます。


それでは蘭丸さんバトン宜しくお願いしまーす。


この後9・10・11日のいづれかのam6:00に蘭丸さんが第7話をアップします。
猶予は3日あるので、みなさん楽しみに待ってて下さいね。



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