ずっとずっと 70
「薫、かおる~朝だよ、起きて」
つくしの声がする。
いつもの日常が、幸せな朝が始まる。
微睡みの中、幸せを感じる。
瞬間、僕は昨日の出来事を思い出す。
君は、許してくれたの?
君は、もう一度僕を受け入れてくれたの?
君が許してくれたなら
もう僕は、僕だけを愛して欲しいとは、願わない。
ただ、傍に居て‥…
「っん…おはよう」
「昨日かおるちゃんから貰ったロゼッタがあるよ。薫好きでしょ〜?一緒に食べよ。さっ、早く!早く!」
明るくそう言うつくしの腕を引き寄せ、抱きしめる。
「黙ってて、本当にごめん。」
「‥ううん。お仕事だもん……色々あるよね。それなのに‥…あたしこそ心配かけてごめんね。」
「違う‥僕は‥…」
「薫、もういいの‥もう何にも、何にも言わなくていいの‥…」
彼女は、僕を抱きしめ返してくれた。
「つくし‥…」
僕は、全てを話す。
東京で三条さん、西門さんに会った事、ナダーの婚約者が大河原さんな事も話す。
「薫‥… それはどういう意味? 薫達は、あたしの友達をどうしたいの?」
「三条さんの事も、大河原さんの事も偶然なんだ…ただ、本当に偶然なだけなのかは僕にはわからない。」
「西門さんの事は?」
「東雲会長と京社長の紹介だよ。筒井のお爺様が偉く興味をもって、西門本邸にお邪魔してお茶を頂いた。若宗匠を偉く気に入って後援会に入る事になったんだ。」
「そう‥… 何か邪魔をするとかはないよね?」
「それは無いよ。つくしの大切な友達だろ? 友人を盛り立てる事はしても、邪魔をしたりする事は絶対にないし、君の大切な人達なら僕にとっても大切な人達だよ。」
「薫‥…ありがとう。」
あたしは後で知るのだ。
あたしの友人に、宝珠が筒井が手を貸すと言う事は、様々な影響があると言う事を‥…
確かに、あたしの友人は繁栄するだろう。
ただそれは彼等が、宝珠の筒井の敵とならなければという条件でだ。
***
すっかり冷めてしまった朝食を、つくしが温めなおしてくれる。
クスリと笑い
「薫が温め直しを食べるなんて、あたしと暮らすまで無かったんじゃない?」
「うん。そうかもしれないね。」
「やっぱり、そうだよね〜 作り立ての方が美味しいもんね。」
「うーーーん。それまで食事が美味しいとか、考えた事なかったから良く解らない。でも、好きな人と一緒に食べてる今の食事の方がずっと美味しいよ。つくしと食べる食事は全部美味しいもの。」
耳まで真っ赤に染めあげて
「薫、あたしちょっと恥ずかしいかも‥」
そんな彼女が、愛おしくてたまらない。
つくしと一緒に過ごせる時間が、僕にとっての生きてる証。
つくしと一緒に過ごす時間が、僕にとっての幸せ。
RRRR‥… つくしのスマホがなる。
「ごめん‥…電話出るね」
つくしが部屋を出て,誰かと話している。
相手は誰? 類君?
僕は待つ。
「類からだったよ。来週早々会うことになったよ‥…行ってもいいよね?」
駄目だと言えるわけもなく‥…
「勿論だよ。‥…ちゃんと帰って来るよね?‥…‥なぁんてね。冗談冗談。こんな冗談言われたら困っちゃうよね。ゴメン!」
まるで幼い薫が、「行かないで」と言っているようで‥…
薫を抱きしめて
「話しが終わったら連絡するから迎えに来てくれる?」
一瞬驚いた顔をして、その後嬉しそうに
「本当に、迎えに行ってもいいの?」
初めて出逢ったあの日の様に、桜色に頬染めて薫が問うてくる。
「運転手よろしくお願いします。」
あたしは、わざと戯けて言葉を返す。
「薫、あのSPの事なんだけど‥…」
「類君と会う時は、待ち合わせ場所まで車を使ってくれれば付けなくていいよ。」
「あっ、そうじゃないの‥…」
「っん?」
「TSUTSUIに参加してるなら、つぅ爺が付けてる筈だって。それが普通だって。」
「カオちゃんが言ってた?」
「うん‥…」
「うんそうだね。お爺様に直接は聞いていないけど、多分付けてるとは思う。」
「そうだよね。」
「そっか、嫌だよね。僕の方で付けたから、もう不要だと後で話しておくよ。」
「ううん‥そうじゃないの。」
「っん?」
「あたしね、ちゃんと覚悟出来たから‥…わざわざ、あたしに断らなくてもSP付けてくれて構わないから‥」
「それって‥…」
僕は自分自身を恥じた。
彼女の行動を縛ろうとしていた自分の心を‥…彼女は、全てをわかって許してくれているのだろう。
僕は彼女を見つめた。
「隙あり!!」
つくしが、僕のおでこをピンっと弾いた。
「むふっ、見つめてたでしょ?」
可愛い天使がニッコリと微笑んでくれる。
僕の幸せの全てを持つ天使がここにいる。
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つくしの声がする。
いつもの日常が、幸せな朝が始まる。
微睡みの中、幸せを感じる。
瞬間、僕は昨日の出来事を思い出す。
君は、許してくれたの?
君は、もう一度僕を受け入れてくれたの?
君が許してくれたなら
もう僕は、僕だけを愛して欲しいとは、願わない。
ただ、傍に居て‥…
「っん…おはよう」
「昨日かおるちゃんから貰ったロゼッタがあるよ。薫好きでしょ〜?一緒に食べよ。さっ、早く!早く!」
明るくそう言うつくしの腕を引き寄せ、抱きしめる。
「黙ってて、本当にごめん。」
「‥ううん。お仕事だもん……色々あるよね。それなのに‥…あたしこそ心配かけてごめんね。」
「違う‥僕は‥…」
「薫、もういいの‥もう何にも、何にも言わなくていいの‥…」
彼女は、僕を抱きしめ返してくれた。
「つくし‥…」
僕は、全てを話す。
東京で三条さん、西門さんに会った事、ナダーの婚約者が大河原さんな事も話す。
「薫‥… それはどういう意味? 薫達は、あたしの友達をどうしたいの?」
「三条さんの事も、大河原さんの事も偶然なんだ…ただ、本当に偶然なだけなのかは僕にはわからない。」
「西門さんの事は?」
「東雲会長と京社長の紹介だよ。筒井のお爺様が偉く興味をもって、西門本邸にお邪魔してお茶を頂いた。若宗匠を偉く気に入って後援会に入る事になったんだ。」
「そう‥… 何か邪魔をするとかはないよね?」
「それは無いよ。つくしの大切な友達だろ? 友人を盛り立てる事はしても、邪魔をしたりする事は絶対にないし、君の大切な人達なら僕にとっても大切な人達だよ。」
「薫‥…ありがとう。」
あたしは後で知るのだ。
あたしの友人に、宝珠が筒井が手を貸すと言う事は、様々な影響があると言う事を‥…
確かに、あたしの友人は繁栄するだろう。
ただそれは彼等が、宝珠の筒井の敵とならなければという条件でだ。
***
すっかり冷めてしまった朝食を、つくしが温めなおしてくれる。
クスリと笑い
「薫が温め直しを食べるなんて、あたしと暮らすまで無かったんじゃない?」
「うん。そうかもしれないね。」
「やっぱり、そうだよね〜 作り立ての方が美味しいもんね。」
「うーーーん。それまで食事が美味しいとか、考えた事なかったから良く解らない。でも、好きな人と一緒に食べてる今の食事の方がずっと美味しいよ。つくしと食べる食事は全部美味しいもの。」
耳まで真っ赤に染めあげて
「薫、あたしちょっと恥ずかしいかも‥」
そんな彼女が、愛おしくてたまらない。
つくしと一緒に過ごせる時間が、僕にとっての生きてる証。
つくしと一緒に過ごす時間が、僕にとっての幸せ。
RRRR‥… つくしのスマホがなる。
「ごめん‥…電話出るね」
つくしが部屋を出て,誰かと話している。
相手は誰? 類君?
僕は待つ。
「類からだったよ。来週早々会うことになったよ‥…行ってもいいよね?」
駄目だと言えるわけもなく‥…
「勿論だよ。‥…ちゃんと帰って来るよね?‥…‥なぁんてね。冗談冗談。こんな冗談言われたら困っちゃうよね。ゴメン!」
まるで幼い薫が、「行かないで」と言っているようで‥…
薫を抱きしめて
「話しが終わったら連絡するから迎えに来てくれる?」
一瞬驚いた顔をして、その後嬉しそうに
「本当に、迎えに行ってもいいの?」
初めて出逢ったあの日の様に、桜色に頬染めて薫が問うてくる。
「運転手よろしくお願いします。」
あたしは、わざと戯けて言葉を返す。
「薫、あのSPの事なんだけど‥…」
「類君と会う時は、待ち合わせ場所まで車を使ってくれれば付けなくていいよ。」
「あっ、そうじゃないの‥…」
「っん?」
「TSUTSUIに参加してるなら、つぅ爺が付けてる筈だって。それが普通だって。」
「カオちゃんが言ってた?」
「うん‥…」
「うんそうだね。お爺様に直接は聞いていないけど、多分付けてるとは思う。」
「そうだよね。」
「そっか、嫌だよね。僕の方で付けたから、もう不要だと後で話しておくよ。」
「ううん‥そうじゃないの。」
「っん?」
「あたしね、ちゃんと覚悟出来たから‥…わざわざ、あたしに断らなくてもSP付けてくれて構わないから‥」
「それって‥…」
僕は自分自身を恥じた。
彼女の行動を縛ろうとしていた自分の心を‥…彼女は、全てをわかって許してくれているのだろう。
僕は彼女を見つめた。
「隙あり!!」
つくしが、僕のおでこをピンっと弾いた。
「むふっ、見つめてたでしょ?」
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