悲しみの味は蜜の味? つかつく
「ったく、頭来る!」
何度も繰り返した言葉を、つくしはもう一度いい放った。
「ばか、ばか、ばーか」
悪態をつきながら、ぽたっ、ぽたんっと涙の滴が、手の甲に落ちてくる。
「……ば……か……」
今日は、ずっと一緒だと言っていたのに。
あった瞬間から、なんだか不機嫌だし
突然の仕事とは言え、まさかの放置プレイ。
嫌味の一つも言いたくなって____大ゲンカ。
引くに引けなくなって、啖呵切って飛び出した。
「……っすん……折角、お洒落したのに……っすん」
いつもの自分とは違って、ちょっぴりセクシーでキュートな服で決めてきた。なのに……考えれば考えるほど、自分が惨めで堪らなくなった。
「髪だって、クルンッて巻いたのに……ば…か…」
つくしは、自分だけが今日を楽しみにしていたのかと思うと、寂しくて堪らなくなった。それでも何か連絡があるんじゃないかと、何度も鞄からスマホを取り出して着歴を確認する。
「ハァッー、ヤメヤメ」
スマホの電源をプツンと落としてから、両方の人差し指で口角を上げた。
気合いを入れるぞとばかりに、バシンッと頬を一つ叩けば
「あっ、痛っ」
勢いよく叩きすぎて、頬が赤くなる。踏んだり蹴ったりだ。なんて独り言を呟いてから
「ヨシッ、豪遊しよう」
クルリと踵を返した。
なのに、どこもかしこもカップルが一杯で、心がささくれだっていく。
そんな時
「あっ、つくしちゃん」
肩をポンと叩かれて振り向けば
「あっ、美香ちゃん」
「うわっ、なんかいつもと違って可愛い♡ もしや、彼氏と待ち合わせとか~?」
つくしは左右に首を振り
「いやいや、食べ放題にでも行こうかと考えてたところ」
「えぇ~、そんなにお洒落して?いや~ん、勿体ない!あっ、今から皆んなで飲み会に行くんだけど、つくしちゃんも行かない?」
一人寂しくやけ食いよりも、どうせなら皆とワイワイした方が気分も紛れる
「うん。ぜひ」
つくしは、勢いよく首を縦に振った。
「うわっ、つくしちゃんが一緒なんて喜ぶよ~」
美香と連れ立ちガールズトークに花を咲かせながら歩けば、さっき迄ささくれだっていた、つくしの心が癒えていく。
予約していた店に入れば、同じ司法修習生の男子もいて、一瞬、司に怒られるなんて思ったけれど、同じ修習生、なにが悪い。しかもだ、目の前には湯気を立てた美味しそうな料理の数々が並んでいた。
美味しいものには罪がない。楽しく食べて、楽しく飲んで、すっかり出来上がったつくしは、二件目のクラブにも先頭きって向かってた。それぞれが、それぞれにお目当ての彼がいたようで、つくしが、飲んで踊っている内に消えてった。
で、ただいま、隣り合わせになった御園生くんに盛大にクダを巻いている。
「うぃ、ヒクッ、で、で、で、で、どう思う?」
「うーーん、けしからん! 女心理解してないよね!うんうん。解る、解る! な、なんだけど、あのさ、つくしちゃん、そろそろ…ねっ?」
「ハァッ? 御園生くん、お前もか!」
「ハハッ、で、でも、お酒はそろそろやめた方がいいよ。ねっ」
「大丈夫、大丈夫。ねっ! 御園生君、アレ欲しいんでしょ?」
つくしの言葉に、御園生君がコクンコクンと頷く。
「じゃぁ、付き合えーーーー」
てな調子で、愚痴って、踊って、ヘトヘトになった御園生くんに抱きかかえられ、タクシーに押し込まれ家路に着いた。
機嫌良くアパートにたどり着けば、階段の前には、ドンと居座る男が一人。足元には何十本もの煙草の吸殻。身の危険を感じたつくしが、回れ右して逃げ出そうとした瞬間、首根っこを捕まえられて、車に押し込まれた。
「ちょっ、何する」
荒々しくも強い口付けがつくしの言葉を封じる。
長い長い口付けは、蕩けそうな程に甘美で、まるで夢でも見ているようで
「道明寺、どぉ、みょうじ…へへっ…おやす…みぃ」
つくしは、司の腕の中でコテンと眠りに落ちた。
司は、つくしを抱きしめながら
「ったく、こんな時に寝んな。 ハァッー」
ピコンっと、鼻の頭を指で突っついた。
それにしても……ったくなぁ、コイツ可愛すぎだろうが____そんなことを思って寝入るつくしを見つめた。
そう、司のぶっきら棒の原因は、つくしの今日の格好だった。
身体の線がクッキリしたミニのニットワンピース。
見た瞬間____胸がドキドキして、ついでにアッチの方も高鳴って、その場で押し倒したくなったのだが、盛りのついた犬猫じゃあるまいしと、必死に欲望と戦っていたのだ。
なのに、タイミング悪く仕事の電話は掛かってきて、どんどんと自分の思い描いていたデートプランから遠ざかっていって、
「道明寺にとって、どうせあたしなんか……なんだよね」
の言葉に、ブチギレていた。
俺がどんだけ、今日を楽しみにしてたんだと思ってるんだ____その言い草はないだろうと。
啖呵を切り出ていったつくしをすぐに追い掛ければ良かったのに、頭冷やしたらすぐ戻ってくるだろうとタカを括って、急ぎの仕事を片付けた。
いつまでも戻ってこないつくしに業を煮やして、電話をすれば____機械音だけが耳に響いて、居ても立っても居られなくなって部屋を飛び出していた。待っている間、つくしに何かあったら___そう考えただけで生きた心地がしなかった。色んな思いがグチャグチャに押し寄せてきて、震えが止まらなかった。
「我ながら、大人気ねぇよな」
横でクゥクゥ眠るつくしを見つめながら、つくしの事になると感情の抑制が効かなくなる自分を恥じる。
「ったくなぁ、お前は信じねぇかもしれないけど、これでも冷徹の貴公子とか何とか呼ばれてんだぞ」
司の喜怒哀楽全ての感情が、つくしの事となると全開する。
愛して、愛して、愛して、狂おしいほどに愛してる。
本当ならば、早く自分の庇護下においてしまいたい。
でも_____愛しているから、夢を叶えさせてやりたい。
「俺だって、すごい我慢してんだぞ。解れなっ」
つくしを抱き上げ、もう一度呟いた。
寝顔を見つめながら、残った仕事を片付けた。全て片付けてつくしのベッドに潜り込んだ。つくしの匂いを胸いっぱいに嗅ぎながら幸せな眠りにつこうとした時……
「うんっ?なんだこれ?」
つくしの匂いと違う匂いが胸元から匂う。
クンクンッ クンクンッ 鼻を鳴らして、もう一度匂いを嗅ぐ。
「やっぱ、違う匂いがすんぞ」
嫉妬と劣情が司の心を支配して、眠るつくしを揺り起こす。
「ううーーーん、 なに? って、ココどこ?アレェーーー道明寺なんで?あれっ、御園生くん達は?」
つくしは、寝ぼけ眼で辺りを見回しながら惚けた事を言い出した。
ピキッ 司の眉間に皺が寄る。
「み…そ…のぉ君だ?」
まだ半分寝ぼけているのか
「あははっ、そうそう、御園生くんってね、凄い背が高いのね。でね」
ピキピキッ 司は顔を引き攣らせながら、つくしの言葉を遮って
「なぁ、お前、昨日どこで誰となにしてたんだ?」
つくしが、なにやらマズイと感じた瞬間_______
司の指がつくしの頰を撫で上げる。
「ヒィッ」
「どこに行った?」
「す、スペイン料理」
「ほぇ、あんな時間じゃ、それだけじゃねぇだろ?」
「……クラブ」
「へぇーーあんな格好でクラブねぇ、で、誰とだ?」
「し、し、司法修習のみ、み、みんなと」
司の指がつくしの唇の輪郭をスゥーっとなぞる。
「皆んなね~、で、そこには、男も居たってことか?」
顎先から、喉元に指を這わせながら
「どうなんだ?」
コクッ と、つくしが息を飲み込む。
「なんか言うことあっか? ねぇよな」
司の手がニットの裾を捲り上げていく。
「ちょっ、ちょっと、道明寺」
「ちょっとじゃないだろうよ。悪さしてねぇか、調べてやるよ」
ブラがたくし上げられ、胸の頂きが捻り上げるように摘ままれる。
「ぁっ」
つくしの口から吐息が溢れる。
「で、あんななるまで飲んだんだよな?」
「そ、それは___」
「それはじゃぁ、ねぇよな。こんなヤラシイ下着履いてよ」
「ち、違う。こ、コレは」
「うんっ?コレは?」
ショーツの上から、スッーーーと撫でる。
「ぁあっ…、こ、こ、コレは、久しぶりに会うから____」
司の片頬がニヤリと歪み、ショーツの脇から花芽を弄れば、つくしのあそこがジュワリと濡れていく。脚を持ち上げ、あっという間にショーツを脱がし、ジュブリッと指をいれた。
「うぅっ…うぅ…うぅ…」
硬く尖った頂きを、司の白い歯がカリッと噛んだ。
「痛っ」
痛さの後に、舌で優しく転がされて、蜜が太腿に滴り落ちていく。肉襞を指が擦り上げていく。ざらりとした箇所を司は執拗に擦りあげられ、つくしはトロトロに蕩かされていく。ナカが燃え盛るように熱をもっていく。
司の長くしなやかな指は、攻めるのはやめない。肉襞が司の指をギチギチと締めていく。
「脚、もっと開けよ」
「いや…あっ…ぁっ…だ、だ、め…」
「ダメじゃねぇだろう」
司の指がつくしのナカから抜かれて、乳首だけをこねくる。
一度、火がついたつくしの秘部は、ヒクヒクと蠢きながら刺激を待ちわびる。
「どぉみょぉじ」
つくしの声が刺激を懇願する。
「自分で、脚開けよ」
意地悪な事を言われているのに、それさえも刺激的で、奥から蜜が湧いて出る。
頬を赤らめ、身体をひくつかせながら、膝を立て脚を開いていく。
「手で開かせろよ」
真っ赤に熟れた花芽が、つくしの指で開かれる。
薄く笑い舌なめずりしたあと、赤い舌が赤く熟れた花芽を軽やかに突く。
「あぁっ」
つくしの身体から無駄な力が抜けていく。
ズブリ
司の二本の指が秘部に再び入り、執拗に花芽とナカのざらつく部分を刺激する。
「ぁぁん…あぁあ…んぁっ…ああ…んぁっ…ひゃぁんっ」
ビクンッ ビクンッ つくしの身体が大きく揺れて ジュワッジュワッと潮を吹く。
「…ど…おぉ…みょうじ…」
つくしの哀願するような声に、司は満足げな微笑みを浮かべて熱い塊をつくしのナカにいれた。つくしのあそこがジュブジュブと音を立て、ギュッと司のモノを締め上げていく。
「うぅっ、つくし、シメンナ」
塊はこれ以上ないくらいに熱を持ち、子宮の奥底を突き上げていく。
「あぁっ、あぁ 、」
最奥を突かれる度に、弾けるような気持ちよさが襲い、ナカをひくつかせながら、つくしは大きく背中を仰け反らせた。
何度も意識を飛ばし___つくしの足腰が立たなくなるまで続けられた。
丁度その頃、つくしのスマホに御園生くんこと、御園生訓子ちゃんからLINEが届いていた。
つくしちゃん、昨日は楽しかったね~また一緒に飲みに行こうね♡
それにしても、つくしちゃんが英徳出身だったなんて超ラッキー♡
約束のF4生写メ楽しみにしてま~す。
そう書かれていた。
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