星の数ほど……愛されて~ちゃぷん旅日記~ 第5話


「綺麗 」
そう口にするつくしの方がよっぽど綺麗で、艶かしくて____肩を抱き寄せる腕に力がこもる。
ゆっくりとつくしが俺を見上げる。
やべっ、なんだなんだこの色っぽさ。
時計をチラリと見れば、まだ5時前だ___いくらなんでも、押し倒すには早過ぎか?
いや、誕生日だしな。いいよな?
ヨシッ
なのに、なのに、どこからか
グゥーーーッ
腹の音がして
「テヘヘッ」
舌を出して笑ってやがる。ったく、なぁー
「飯食いに行くか?」
そう聞けば、満面に笑みを浮かべて大きく頷く。
色気より食い気____まさに、まさにだよな。
でもな、この嬉しそうな顔。可愛くて、可愛くてたまらない。
「ねぇねぇ、何食べる? 総は何食べたい?」
俺? 俺の食いてぇもんか? そんなんは、 一つしかないだろうよ
「お・ま・え」
耳元でそう囁けば耳まで赤く染めあげる。
あんな事や、こんな事、アレやコレや、やってるってぇのに、これしきのことで真っ赤になるんだからな。
ったく、ったく、 カァッーーー可愛いよな。
って、俺、かなりイかれてるか?
まぁ、誕生日だしな。あぁ、誕生日だし。いいよな。
それにだ、ココは、北の国。開放的にいかねぇとな。
独り言がついつい口に出てたようで
「北の国? あぁ、ご当地グルメ? うんうん。わかるわかる! やっぱり、ソウルフードよね」
なんていい出した。
ご当地グルメ?
ソウルフード?
って、Aだか、 Bだか、Cだか、知らないが、なんとかグルメってやつか?
「うんとね、まず外せないのが、ホッケフライでしょ。かま栄のパンロールでしょ。揚げいもに、いも餅……」
いやいや、もう少し色気のあるもんを__だな
「あっ、でも、お店屋さんとなると……ラーメン?ぶた丼? スープカレー? エスカロップなんて言うのもいいよねぇーー あっ、ここは豪華にジンギスカンとか?ジンギスカンっていえばね、塩ジンギスカンとか、ラムしゃぶなんていうのもお勧めらしいよ。総のお誕生日、ここはドーンと奢っちゃうからね」
くくっ、ドーンと奢っちゃう。ときたか
にしても、どっからその色んな情報は手に入れたんだ?
「なぁ、つくし」
「うんっ?」
「ソウルフード情報はどこからだ?」
テレビ塔を出て、碁盤目になった街を歩きながら、そう尋ねれば
「西園寺地区長がね、色々教えてくれるのよ。ほらっ、色々なところに行かれてるでしょ。うふふっ、お陰で私のスマホの中には、色んな美味しいもの情報がいっぱいだよ」
「西園寺が…か?」
「うんっ。あっ、九州方面は五島地区長が詳しくて、関西は九雀地区長が詳しいのよ。東京は、お義母様と私に任せたって」
ケラケラと笑いながら話してやがる。
ちなみにだが、今、名前が上がった奴ら全員___つくしとの結婚を猛反対した奴らだ。つくしとて知らない訳じゃなかろうに。いつの間にだ。
はぁっーーー すげぇな、俺の奥さんは。
「ただの腹空かしじゃないな」
「えぇ〜、何それ。もぉう、レディに向かって失礼しちゃうなぁ」
頬を膨らませ唇を尖らせながら、小悪魔のように俺を見上げる。
色んな顔を見せるつくし……
全て全てが愛おしくって
「ラーメンがいいな」
一番早く食べ終える食べ物を選んで口にした。
「おっ、いいねぇー 味噌? 醤油? 塩? やっぱり札幌は、味噌よね〜 濃厚系?あっ、こっさり系なんていうのもあるよ。あっ、でもちょっと遠いかぁ」
瞳の中に星でも入れたか?なんてぐらいに、瞳をキラキラさせて聞いてくる。
こっさりでも、コサックでも、なんでもいい。俺が食いたいのは、食べ物じゃなくて、つくしお前だ。
でもって、ラーメンセレクト___大失敗。いや、美味かった。あぁ、すげぇ美味かった。
ただ、混んでたんだな。
俺の算段、大失敗だ。
「うーーーん、美味しかったね」
でもないか。つくしのこんな嬉しそうな顔見れるんだもんな。
「うん。あとはケーキ屋さんだね」
うんっ?あとは? ケーキ?
いやいやいや、部屋だ部屋だ。
「あっ、いや、ケーキは、もう用意してある」
「ありゃっ、総のお誕生日なのに、本当に何から何までだね」
そりゃそうだ。なんせ本日のメインデッシュだからな。
そこまで考えて、
くくくっ、ついつい顔が綻んでくる。
なのにだ
「ねぇねぇ、明日って何時頃出発? 今晩中にお土産買っておいたほうが良いよね〜」
チッチッチ そんなことにならねぇように
「“おかげさま” を送り済みだ」
「おぉーー すごい! 総、魔法使いみたい」
パチパチと手を叩いて喜んでいる。
って、ガキか?お前は
でもでもだ。すげぇ、すげぇ、可愛い。
丸ごと全部可愛い。
____ハァッ、イかれてんな。
でもな、可愛いんだから仕方ないよな。
「うんっ? 何が仕方ないの?」
キョトンとした顔して聞いてくる。イルミネーションがキラキラ光って、つくしを照らす。
止んだ筈の雪が___空からフワリフワリと舞ってくる。
その様が、あまりにも幻想的で美しくて、考えるより先につくしを抱き寄せ、胸の中にスッポリと抱きしめた。
「そ、総?」
つくしの唇に人差し指をあて、ゆっくりと顎下まで下ろしていく。
クイッと顎先を押して、唇を重ね合わせた。
「ぁっ……」
小さな小さな吐息がつくしの唇から溢れでる。
舌先で歯列をなぞりあげ、舌を絡め取る。
「部屋、行こうか?」
耳元で囁けば、コクリとつくしが俯いた。
カーン、カーン、 時計台の鐘がなる。
夜7時____少し早いが大人の時間に突入だ。
コンシェルジュのいるエントランスホールを通り抜け、専用エレベーターに乗り込んだ。後ろからつくしの身体を抱きしめる。
「まだ、だめ」
「なんで?」
「だって、エレベーター___誰か乗って来たら」
誰も乗って来やしないが、今の状況が面白くって
「乗れないくらい熱い抱擁っていうの見せつけりゃいいよ」
プルプルと激しく首を振り
「だ、だ、だめ」
「じゃぁ、部屋つくまで我慢したら何でもする?」
意地悪な俺の問いにも、この場しのぎとばかりに、つくしはコクンコクンと首を縦に振っている。
って、絶対に誰も乗ってこないんだけどな。まぁ、儲けもんってとこか
「じゃぁ、約束なっ」
約束を取り付けたところで、エレベーターが最上階につく。
部屋の中に入れば、イルミネーションが眼下に広がっているのが見える。つくしは駆け出して窓辺に張り付きながら
「うわっ、すごーい 綺麗」
感嘆した声をあげている。
「テレビ塔に負けず劣らずだろ?」
「うん」
イルミネーションを見下ろしているつくしの後ろから、ダウンコートを脱がし、マフラーを外せば、雪のような真っ白な首筋があらわになる。
黒髪を指先で横に流して首筋に舌を這わせれば、恍惚としたつくしの顔が窓ガラスに映る。耳朶を食みながら、スカートの下から手を滑り込ませ、太腿を割り入るように撫で上げる。
つくしの身体が、ビクンッと小さく動いて
「ぁあっ」
艶かしい声を出す。
もう片方の手で、セーターとブラを捲り上げ、乱暴に胸を弄れば
「ぁあんっ…あっ…あぁっん」
つくしの声が少しづつ大きくなっていく。
窓ガラスには、淫らな格好をしたつくしが映っている。ショーツの上から陰裂に指を這わせながら
「つくしのここ、下着の上からでも濡れてんのがわかるぞ。お前の身体、すげぇ、淫乱だよな」
耳元で囁けば、蜜がジワっと溢れ出す。
つくしの膝がガクガクと揺れ出している。快楽に包まれたつくしの身体を抱きかかえ、カウチに座らせる。
ショーツを脱ぎ取り、両脚を大きく広げさせる。ぷっくりと紅く色づいた花芯を舌で突きながら舐め上げる。
「あぁっ…あっ、あぁ…うっ……総、き、汚いよ」
「汚くなんてねぇよ。それよか、気持ちいいか?」
恥ずかしいのか、イヤイヤをするように首を振る。
「気持ちいいんだろ?」
「…いじ…わ…る」
「うんっ? 意地悪じゃないだろう。だって、つくしのここ、ホラっこんなに濡れてるぞ」
陰裂に指を入れ掬った蜜を、つくしに見せる。恥ずかしさから、
ビクンッ、ビクンッと身体が揺らす。
「気持ちいいって、言ってみな。じゃなきゃ、やめるぞ」
「い…や…いじわるしないで…」
体がビクンッビクンッと揺れるたびに、肉襞が指を締め上げる。
「言えよ」
耳元で囁いて、動きを止めれば
「気…もち…いい。総、やめないで」
頬を染め、恥ずかしそうに口にする。
セーターとブラジャーをたくし上げ、突起した乳首をカリリッと噛めば
「あぁっ」
一段高い声と共に、ビクンッと身体が大きく揺れて強く指を締め上げた。焦らすつもりが耐えられなくて______怒張したペニスを一気に膣内にねじ込んだ。蜜がペニスを絡み取り、肉襞が強く締め上げる。
「つ、つ、つくし……あんまり締めんな」
快楽で頭の中が白くなりそうで____必死にそれに耐えながら、腰を打ち付ける。秘部から漏れた蜜がジュブジュブッと水音を立てている。
甘く濃厚な牝の匂いが、部屋中に充満して、俺の理性を全て奪っていく。
何も考えられずに、ただひたすらに腰を打ち付ける。
つくしは、上半身を起こしながら俺の首に両腕を回し対面座位の形をとった。俺の動きに合わせるように、腰をスライドさせる。
つくしの身体が陸に上がった魚のようにビクンッビクンッと大きく跳ね上がり、プルプルプルとナカを痙攣させながら俺のものを締め付ける。
「あぁ……あぁ……イクぅーいくぅ……あぁあーー」
つくしの声と共に、白い精を放つ。
微睡むつくしを抱きかかえ、シャワーを浴びさせたあと、ベビードールを着せていく。
「えっ? 総、これ?」
困った顔でつくしが聞いてくる。
「今日は、俺の言うこと聞いてくれんだろ? それに、さっき何でもするって」
「えっ?ま、ま、まだ?」
「まだもなにもだろ? あっ、そうだ、その前に、ケーキでも食うか?」
助かったとばかりに、つくしは安堵の表情を浮かべながら大きく頷いている。
俺は立ち上がり、キッチンに向かい二つの箱を持ってきて、つくしの目の前に差し出した。
つくしは、キラキラと瞳を輝かせながら、箱の中身を取り出すのを見つめている。
シュルリッ
真っ赤なリボンを解いて箱を開け、中からホールのケーキを取りだした。
「美味しそう〜、あっ、でも総、お皿忘れてるよ」
そう言いながら立ち上がろうとするつくしの身体を制して
「その前に、両手を出して」
俺の言葉に、首を傾げながらも両手を前に突き出してくる。
もう一つの箱から手錠を出して
つくしの両手に、カチャリと嵌めた。
「そ、総、こ、これ何?」
「あぁ、ファー付きの手錠」
「な、な、なんで?」
「普通の手錠だと痛いと困るだろ」
こともなげにそういえば___
「いやいやいや、そうじゃなくて」
「つくしからの誕生日プレゼント。ほらっ」
真っ赤なリボンを首に巻き、着せたばかりのベビードールの前をはだけさせ、生クリームを塗っていく。
両手の自由を奪われたつくしは、乳首を硬く尖らせ、花芯を真っ赤に充血させてされるがままになっている。ペロリとつくしの身体の生クリームを舐めてみれば、
「ぁっ、あんっ…ぁっ…ぅっ…」
艶かしい声を出しながら、蜜を滴らせている。
「あっ、つくしも食べたい?」
生クリームのついた人差し指を、つくしの口の中に入れ
「美味いよ」
そう言えば
つくしの赤い舌が指先を舐め上げる。
食べるつもりが食べられている。そんな、倒錯した思いが俺の身体の中を駆け抜けていく。
滑稽なほどに……つくしの全てに心奪われていく。
時計の針は、まだ10時を指したばかり_____夜はまだまだこれからだ。

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