明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

無花果 ~過去03~ 類つく

16の最後の日、あたしは彼のもとにいた。彼にとっては、いつもと変わらない日だったのだろうけれど、誕生日の朝を一緒に迎えられると思っただけで、心が華やいだ。


いつものように、カードキーで鍵を開け、お邪魔しますと声をかけながら部屋の中に入った。
ソファーで寛ぐ彼は、振り向きもせず

「ねぇ、冷蔵庫にケーキ入ってるからコーヒー淹れてよ」
声をかけてくる。

「はい」

返事をして、キッチンに立ちコーヒーを淹れて、冷蔵庫からケーキの箱を出す。中には色とりどりのケーキが入っている。

「美味しそう」
小さく呟いてから

「花沢さん、どれ召し上がられます?」
声をかければ

「俺はコーヒーだけでいい。あんた好きなの食べなよ」

あたしは沢山悩んでから、ピンク色したフランボワーズケーキを箱から取り出してお皿に置いた。

彼の前に、コーヒーを置いたあと、ソファーの片隅に座ってケーキを食べる。

「ふっ、美味しい?」

彼が優しく聞いてきて、あたしはコクンコクンと首を縦に振る。

時折、こんな風に彼は優しくて、静さんの身代わりなんかじゃなくて___ここにいるんじゃないかと勘違いしそうになる。

ほんの少しの時間、夢を見る。

RRR……
ポケットに入れっぱなしになっていた携帯が音を立てた。慌てて音を消そうとすれば

「出ていいよ」

優しく言われたが、タイミングの悪いことに電話の相手は、千暁さんだった……

「早く出な」

「あっ、はい」

あたしは彼から背を向けるように立ち上り、歩きながら通話のボタンを押した。千暁さんは、大きな声で明日の場所と時間の変更を伝えてくる。

口元に手を添え、なるべく小声で返事をしながら廊下に出た。

『うん。わかった。6時だよね。うん。この前のワンピース……紺の方だよね?えっ、ピンク?うーん、紺じゃだめ?』

『……うん。わかった。
じゃ、5時にコレットでいい?
……うん。あっ、家には電話しないでね』

通話終了のボタンを押してマナーモードに設定した。

ソファーに戻れば

「ねぇ、あんた、まだ御堂の元に通ってんの?」

突然の質問に思わず息を呑む。

「…………ば、バイトを頼まれてて」

「へぇーバ、イ、トでね。そうなんだ。 ねぇ、この髪切らないの?」

髪を弄りながら聞いてくる。返事の代わりに首を振る。

「ふーーーん」

彼は一言そう言ってから、おもむろに立ち上り

「ねぇ、今日は口でしてよ」

前髪を乱暴に掴み、あたしの目の前に彼自身を突き出してくる。無理矢理のように口に含ませられて喉奥まで入れられる。

「ゴホッゴホッ」

大きなソレを喉の奥まで突き立てられ、咳き込んでも彼の動きは止まらない。髪を掴み上げ、腰を前後に振り続けながら

「ちゃんと咥えてよ」

冷たい瞳で一瞥される。

虐げられるような行為なのに、彼のモノだと思うと、いつしかその行為に没頭していた。

「全部、飲んでね……
ウッ、ウッ…ウッ…」

彼の声と共に、口の中に生暖かくて苦い味が広がっていく。

ゴクリと嚥下したあと、彼のモノをもう一度綺麗に舐め上げる。

彼はあたしの頬をひと撫でして

「あんた、こんな風にされても濡れちゃうんだね」

意地悪くクスクスと笑う。


道具のように扱われて、欲望のまま抱かれる。静さんと千暁さんが付き合う切っ掛けを作ってしまったあたしが出来る彼に対する唯一の贖罪だ。

あたしが、彼を好きにならなければ
あたしが、彼のそばに居たいと願わなければ

彼は静さんと幸せで居られたのだから

なのに、罪深いあたしは……道具のように扱われることさえも、甘美なモノとして受け取ってしまっている。

好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで、好きを百万回唱えても足りないほど好きで堪らなくって、彼の与えてくれる全てのモノが、あたしにとっては、甘い毒なのだ。

甘い毒は少しずつ、でも確実に全身に広がっていく。


17才……抱き潰されて迎えた。何度も潮を吹き、何度も絶頂を迎え、何度も気を失い、それでも執拗に抱かれた。

温かな感触が身体から離れた瞬間、無意識に手が彼を探して、目が覚めていく。

彼は、あたしの頭を膝にのせながら

「ねぇ、今日は、どこか遠くに行こうか?」

ビー玉のように澄んだ瞳で、あたしの顔を覗き込み聞いてくる。

頷きたい。でも、頷けなくて、あたしは、首を横に振る。

「なんで?」

彼が聞く。

「なんで?」

もう一度、彼が聞く。
答えられずに彼から目を逸らす。

彼は、あたしの顎を持ちながら

「御堂と会うんだ」

ポツリと呟いた。

「た、た、誕生日だから……」

答えにならない答えを、あたしは口にする。

「ふーん。誕生日だから、御堂と会うんだ」

「ま、前から、決まってて……花沢さん、いつも昼過ぎまでだし……」

「時間差で問題ないってっか?フンッ……
ねぇ、御堂と静って、付き合ってるんだよね? それでも、あんたは御堂に会い続けるんだ。静に悪いとか、静が可哀想とか考えないんだ?」

「……」

「ねぇ、やっぱり、この髪、短くしなよ。なんなら俺が切って上げようか?」

彼の狂気に染まった瞳を見ながら……思い知らされる。

あたしは、静さんの身代わりにさえなれていなかったんだと。

どんなに足掻いても
どんなに好きになっても、あたしじゃ無理なんだって。

泣かないと決めていた涙が溢れ出す。

「……ゴメンナサイ。髪は、髪は、無理…です……」

彼は無言で立ち上り、バスルームに入っていった。

打ち捨てられた仔犬のように、あたしは怯えた。道具でも何でも構わない側にいさせて欲しいと。

「ねぇ、こっちに来て」

優しく彼があたしを呼んだ。立ち上りバスルームに向かう。

「お出で」

浴室の椅子に座らされる。

「お風呂の時は、ショーツは脱がなきゃ」

キラリと光るハサミでショーツを切られる。

「先ずは、ある程度切ってからじゃないとね」

楽しそうに、あたしのアンダーを切っていく。

「花沢…さ…ん、」

「ダメだよ動いちゃ。危ないから、ジッとしてて」

両脚を閉じようとすれば

「髪の毛が切れないなら、仕方ないだろ? ねっ」

極上の笑みを浮かべて、大きく脚を開かされた。

粗方切り終えた所で、ハサミが置かれ、泡立てたシェービングクリームをのせられる。

ジョリ……
ジョリ ジョリ

ひんやりとしたカミソリの感触と毛を剃る音が、明るいバスルームの中に響いている。


「いい子だ。つくしは、いい子だ。今度は、こっちのビラビラの周りも剃るからね。もっとちゃんと脚を広げて」

初めて “つくし” と名を呼ばれ、陶酔感が訪れる。

言われるがままに、あたしは大きく脚を広げた。温かい彼の指と冷たいカミソリの刃が同時に触れて、あたしの奥から、トロリトロリと蜜が流れ出す。

シャワーで泡を流したあと、彼が後ろから、あたしを抱きしめながら

「つくし、鏡を見ててごらん」

耳元で優しく囁く……あたしは顔をあげ鏡を見る。

「つくしのここ、子供みたいで可愛いね。ほらっ」

子供のようにツルツルした、でも、大人のあそこが鏡には映っている。

「よく見て、ほらっ、ピンク色して、とても綺麗だろ……それにほらっ」

彼の長く美しい指先がテラテラとした蜜を掬う。

「剃られただけで、こんなにグッショリだよ」


気の狂いそうな辱しめを受けながら、蜜が溢れだしていく。

「立ち上がって、鏡に手をつけて」

立ち上がり、手をつける。

「腰を持ち上げて。そう。くくっ、後ろから見ても、毛がないって、卑猥でいいよね。ふふっ、淫乱なつくしにはお似合いだね」

彼の熱い塊があたしのナカを激しく掻き回す。

激しいほどの快感に意識が薄れていく中で、彼が口にする。

「俺は、誰かとあんたをシェアするなんて、真っ平ごめんだからね」



つづく
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8 Comments

asu  

yukiちゃん

うんうん。まさしくなのだぁ。
むふふっ

さてさてこの次は? うくくっ

2017/11/26 (Sun) 02:46 | EDIT | REPLY |   

asu  

ないないさん

むふっ、ありがとうございまーす
って、剃毛ってね、SM以外に浮気封じなんていう意味もあるのですぅ。

むふふっ

2017/11/26 (Sun) 02:44 | EDIT | REPLY |   

asu  

凪子ちゃん

おぉー。どうだった?
袴姿、きゅんきゅんするよね。

おっ、兄は、シンガポールなんだ。いいなぁー
マーライオン、小さくてびっくりで帰ってくるかな?w


うふふっ、類、歪んでるww
むふふっ

2017/11/26 (Sun) 02:42 | EDIT | REPLY |   

asu  

さとちゃん

くくくっ、「類」と書かれていたら___想像して一人笑ってしまった。

類はなんのために?
うふふっ、なのだ。

2017/11/26 (Sun) 02:39 | EDIT | REPLY |   

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2017/11/24 (Fri) 05:05 | EDIT | REPLY |   

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2017/11/24 (Fri) 00:45 | EDIT | REPLY |   

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2017/11/23 (Thu) 22:18 | EDIT | REPLY |   

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2017/11/23 (Thu) 17:13 | EDIT | REPLY |   

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