明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

ずっとずっと 16

遡る事1週間…

前期休み明けには、KAGURAとの契約も終わりを迎え、
いつもの日々を取り戻す筈だった…


ひと月半ほどですっかりと、慣れ親しんだKAGURAの専務室。
もうすぐバイトの契約も満了を迎える。
右も左もわからない事ばかりで、秘書室の皆さんにも、
祥子専務にも沢山ご迷惑おかけしちゃったなぁ‥…
秘書課の先輩なんて「しぃちゃん就職はうちにしなよ。」なんて優しく言ってくれるし。

沢山のアレレの展開でビックリしたけど‥…
色々な方にお会い出来て、色々な事を見聞き出来て、楽しかったなぁ~

それにそれに、思いがけずの収入を得る事が出来たので、
あいつの都合さえつけば、クリスマスもNYでムフッなんても事もあるなぁ

なんて、感慨深い思いで一杯になっていたら


「しぃちゃん 30分後に会議室にお茶を持ってきて頂戴」
祥子専務に頼まれる。

茶碗に熱湯を入れ、湯冷ましをする。急須に茶葉を入れ茶碗のお湯を注ぐ
待つ事60秒。茶葉が花開いたのを確認して、最後の一滴まで無駄にしないように回し注ぐ。


会議室のドアをノックする。

開けた先には、神楽社長 祥子専務に つぅ爺 他にも経済界の重鎮と呼ばれる面々が座っておられた。 

祥子サロンの常連さん達だ、いつもの皆さんと違いこれぞ経済界のリーダーっていう、眩しいオ―ラを放っている。
何の会議なんだろうか? 余程の案件なんだろう‥…

秘書課の先輩と共にお茶を配り、
会議の邪魔をしないように素早く退散しようと踵を返した瞬間


「しぃちゃんはここに残って頂戴」 
祥子専務に呼び止められ、席に着かされる。 

周りがざわつく。

「ほぉっー」  「しぃちゃんのだったのか」 「こりゃたまげた」 「長生きするもんじゃな」 「楽しみが増えたぞ」 小さく呟く声が聞こえる。

「?????????」 あたしには、何の事だろうかさっぱり解らない。


つぅ爺が口火を切る。

「儂が今まで出していた宿題のレポートをなぁ、しぃちゃんのだと内緒で、先日皆に見てもらったんじゃ。 粗削りで、まだまだ改善の余地は大いにある。だがとても興味深いと、皆が非常に興味を抱きおってな‥… この資料を作成した人物にぜひ会わせろといってきたんじゃ」

「…はぁ、はい。」

「でなぁ その人物に合わせる約束をしたんじゃよ」

「……えっ」

「折角、一同が会するのならば、 “我らの祥子ちゃんとしぃちゃんとを囲む茶話会” を開催しようって事になってなぁ KAGURAで待ち合わせにしたんじゃよ 」

わははっ と、満足げに笑う。

「しぃちゃん 10月から週に3日儂の所に来なさい。」
つぅ爺の鶴の一声。

「えっ、でも…」
言いよどむあたし

「大学の授業より何よりも一番の勉強になると思うんだがなぁ」

深く深く頷く他の面々。

む、む、無理 無理 無理だっつーの 
週に3日もつぅ爺の会社に出向いてたら、完璧に留年だよ 
あたしにとっての一大事に慌てて

「筒井会長 お申し出は大変嬉しいですし、有難いのですが… 私の本分はあくまでも学生だと思っております。週に3日会長の所へとなると留年決定になってしまいます。大変恐縮なのですがお断りさせて頂きます。」

きっぱりはっきり言ったぞぉ~ NOはNOと言えるあたしかっこいいんじゃないの~ルン♪
これだけ言えば、つぅ爺も諦めるだろうとほくそ笑む。
やれば出来る子なんじゃないのーーー  あ・た・し なぁ~んて、 心の中で自分を褒め称えた。

次の瞬間
「学業優先なら仕方がないな」

ほらっ ほらっ あたしの交渉術もこの数か月で格段に上達したんだからね♪
つぅ爺へのプレゼンのお陰かしらぁ つぅ爺様も敵に塩おくりましたね♪
なんて‥…とてつもなくいい気分に浸っていたら。

「通常は週に一度、大学の長期休暇中は毎日来るようにすれば、学業に何の支障もない。学業が大切と言うなら学びながら実践出来るこのチャンスをみすみす見逃しはしまいだろう」

「柏木、契約書を持ってきなさい」

流石、交渉術に優れた古狸… 一枚も二枚も いやいや百枚くらい上手だった。

交渉不可能な難題を持ちかけておいて、周りを固めそのあとに現実的な所で落としてくる。
‥…まんまと策に乗せられてしまった。敗北感があたしを襲う。

『ピーーーッ』 思考回路が停止する。

契約書を前にどんどん話が進んでいく。
唖然茫然のまま思考回路の麻痺したあたし……
秘書の柏木さんにペンを持たせられ、言われるままにサインをしていた。


もう引き戻せない。 ど、どうする ?????




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