明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

夢かうつつか……愛し愛され ちゃぷん……ちゃぷん 第六話

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「……ぁっ…あんっ」

唇の端からつくしの吐息が溢れる。
幾度も見た夢の中に再び潜り込んだようで、翻弄させるように動かしていた舌は、つくしの舌をただただ夢中に貪っていた。

いつもそうだ。
コイツとこうしていると、俺は、何者でもないただの男に戻ることが出来る。


吐息と共に、つくしの指が俺の背中に回ろうとした瞬間

RRRRR

スマホのタイマーの音と共に、つくしが〝うつつ〟に 引き戻されていく。
暖かな温もりが唇から遠ざかると同時に、フゥッーと大きな息を吐き出したつくしが、俺を跳ね飛ば……

「って、痛てえぇな」

「ごめん、ごめん、でも本当に時間だから
総、急いで」

〝うつつ〟に引き戻されたつくしは、そう言うが早いか、スクッと起き上がりスカートを叩くと、ほんの少し乱れた髪を手櫛で整えた。

「急げねぇ」

態と拗ねて口にすれば、耳元にフワリとつくしの唇が寄り

「こ、こ、今晩は、総の、お、お、お気に入りのだから……
よ、夜までのお楽しみってことで 」

恥ずかしそうに口にした。

「サービス付きか?」

にやけた顔で聞けば

「ば、ば、ばかっ」

真っ赤に耳を染め上げて、バシンッと肩を叩かれた。
照れた姿に唆られながら、小出し小出しに攻め立てていくのも前戯みてぇで悪くねぇな。なんてオヤジ発想が頭をよぎって思わずクスリと笑っちまった。

「そ、その顔……もぉ、反則だから」

「反則?
反則は、つくしだろうがっ
俺を散々その気にさせといて……待てだろう?
だったら、サービスだよな?」

つくしの手首を取り、螺旋を描くように指の腹で撫で上げれば

「……わ、…わ、わ、分かったから、
その怪しい手はやめぇー」

大きな目をウルウルさせて、睨まれた。

クゥー〜っ そそりやがる。

って、俺、ちょっとした助平オヤジか?
いやっ 至ってまともな二十代男性だよな?

「じゃぁ 約束なっ
俺の誕生日だしトリプルサービスってことでな」

「なぁっ なっ」

「嫌なら出かける前のお楽しみでも、いいんだぞ」

「…くだらない事言ってないで…もぉ、早く早く」

いやいや、早くの前に言質だ

「早くして欲しいなら、約束な」

そう言いながら、ゆっくりと微笑めば

「……対処致します
その代わり、本当に急いでね」

どこかの役所のような答えが返ってきた。


とりあえずヨシとして、ベッドから飛び起きて、唇を差し出しながら

「じゃあ
約束守りますのキス」

ジッとつくしを見つめれば……背伸びしたつくしの唇がそっと触れる。

欲情はマックスだが……ショートケーキの苺は最後に食うのに、意味がある。

とは言え、そんなんを知ったのは、コイツと付き合ってだけどな。

柔らかい思いが俺の中に広がっていく。


……で……

「この車は?
ってか、お前、免許いつ取った?」

俺の前には、シルバーの四駆

「あははっ
まぁ それはそれで
ほらっ、総にいつも運転ばっかりさせてちゃ悪いし……」

それは100歩譲って俺のためと受け止めよう
だがだが……

「この車は?」

「家元夫人の……で……す」

です。って
ちょっ ちょっ ちょっと待て

「まぁ とりあえず、乗り込んでよ」

頭ん中がこんがらがったまま、行き先も教えられずにつくしの運転する車に乗り込んだ。

「……免許は、いつだ?」

「あははっ 乗り込んだら、早速?」

「早速?
早速じゃねぇよ
なんで言わねぇんだよ」

「折角なら、驚かせようかなぁ〜なんて
サプライズ!って言うの?」

「助手席……」

「っん?助手席?」

「一番乗りは誰だ」

「あぁ、それがね、なんと、なんと類なのよ!
偶然会ってね。車で送ってくれるって話になったのね。で、あたしも免許取ったって話しをしたら、運転代わってみなよって言われてね」

唐突に類の名前が出てきて、俺は奥歯を噛み締めた。

「運転上手いねーだって
類に比べたら猿でも上手いよね」

俺の気持ちなんて、知ったこっちゃなくケラケラ大口開けて笑いながら話すのは、つくしの心に一欠片の疚しさが無い証拠だとしてもだ。

類だってことが……いや、俺じゃネェってことが気に食わねぇ

「お仕置きポイント10な」

「なっ なにそのポイント」

「じゃ 20ポイントだ」

「ちょっ なんで増えんのよ」

「30ポイント」

「はぁっー もう。なんでお仕置きよ」

もうは俺だ。せめて楽しいことに変換させろ。

「一言も相談なしに免許とっただろうよ」

「それは、ほらっ 家元夫人には相談したし」

「なんで俺じゃなくてお袋だよ」

「はははっ
たまたま? 成り行き?」

「それにだ……一番初めの助手席が俺じゃネェ」

「総、それって……もしかして、ヤキモチ?」

小せえ男で恥ずかしいと思った瞬間……

「なんか、ちょっと嬉しいかも」

つくしがハニカミながら口にした。

不意打ちの可愛さに
ったぁーー ノックアウトだ。
多分、いや絶対に、俺、耳まで赤い。

恥ずかしくなって目を閉じた。


恥ずかしさで、ちょっとだけ目を閉じただけの筈なのに……いつの間にやら寝ていたようで、風景が変わっていた。

「うふふ
もう一度おはよう」

運転するつくしに微笑まれて、幸せ気分で時計を見れば、デジタル時計は10:07から10:08に変わる瞬間だった。

随分と寝ちまったようだ。





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next 12.03.13:00〜
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2018/12/04 (Tue) 08:31 | EDIT | REPLY |   

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