明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

夢かうつつか……愛し愛され ちゃぷん……ちゃぷん 第十二話

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障子越しの柔らかな陽射しを受けて、目を覚ます。手元の時計を見れば9時半を指している。微睡みの中、俺の右手は隣にいる筈の温もりの主を探す。

「……っん?」

隣にいる筈の愛おしい女の温もりを見つけられずに、眠気が一気に吹き飛び

「つくしっ つくしっ つくし……」

大きな声で何度もつくしの名を呼んだ。

「はーい ちょっと待ってて」

焦る俺とは裏腹に、呑気な声で返事が返って来た。

つくしは、真っ直ぐに俺だけを見つめ愛してくれていると信じているのに……隣にある筈の温もりが無かっただけで狼狽えている。

「……骨抜きって奴なんだ…よ…な」

あいつを失ったら生きていけない。……陳腐な恋愛小説の台詞のような言葉がスルリと出てきて、思わず苦笑した。

「ったくなぁ……
取り立てて美人でもねぇし、胸ねぇのにな。
いやっ、違うか。俺にとっちゃぁ、どんな巨乳美人より唆られるのは、つくしなんだよな」


そう呟いた次の瞬間……この時を待ってましたとばかりに、スッーと襖が開いて

楚々とした美しい女が目の前に現れた。


「ど、ど、どうした」

俺の言葉に、はにかむように女は微笑み

「どうしたって……忘れちゃった?」

つくしの言葉に俺は大きく首を振り

「本当にいいのか?」

「昨日の夜……着るつもりだったんだけどね……なんか、その……」

頬を赤らめ俯き

「なんだか……その……わ、我を忘れたって言うか……アクシデント続きだって言うか……その……ね」

珍道中からの甘く蕩けた夜を思い出し

「まぁ……だな
ってか、それ……よく似合ってんな」

真っ白な地に牡丹の花が舞うように描かれた西門の紋入りの着物。

……西門に嫁ぐ決心がついたら、着て欲しいと頼んで送ったものだ

「総があたしのために……選んでくれたものだから……

あっ、でも…一人で着付けたから……帯とかぐちゃぐちゃになってない?」

弧を描くように、ゆっくりと後ろを向いて帯を見せてくる

「福良雀か」

「うんっ 家元夫人が茶道家の嫁になるには、福良雀とお太鼓ができればいいって」

「ぷっ
お袋がそう言ったのか?」

「うんっ 運転免許も取るように勧めてくれたの。
サプライズ出来るでしょって」

「……サプライズか……
まぁ でもなんだ。お前と居ると全部がサプライズみたいだから……態々狙わねぇでもいいんじゃねぇの?」

「……あははっ
…………って、それってかなり失礼じゃない?」

大きな瞳でジロリと睨まれれば、そんなんもこれまたオツってヤツで、俺の欲が刺激される。

指を伸ばして、スルリとつくしの頬を一撫でしてた。

「ひゃっ」

甘さのいれ混じった声と共につくしの肩が小さく揺れる。

顎を持ち上げ、キスをしようとした瞬間

「ちょ、ちょっとたんま」

「たんま? なにがたんまだ?」

ほんの少し俺から離れたかと思うと、スーッハァーと大きく息をして、畳に正座して……

「お誕生日おめでとうございます
……………… ふぅーー

………………ふぅ」

耳まで赤くしながら

「こ、こ、こ、これからの牧野つくしの人生、西門総二郎にあげます。

……だから、これからの西門総二郎の人生、あたしに下さい」

一気に言い切った。

驚き?
喜び?
感動?

言葉で言い表せない感情が俺の全身を駆け巡る。

カァッー やばい。
なんだか目頭が熱くなってきやがった。

俺は立ち竦んだまま、天を、この場合は天井か……なんて……どうでもいい事を考えながら、上を見た。

そして……口から出た言葉は

「御都合主義の夢……じゃねぇよな?」

そんな無粋な言葉だった。

まさかの俺の返答に

「へっ?」

つくしは心底驚いた顔をしたあ

「もぉう
ロマンティックじゃないんだから」

そう言ってぷくりと頬を膨らませた後

「あたし達には、お似合いか」

そう言って、子供のような無邪気な顔で笑った。


その顔を見て、一気に力が抜けた俺は……つくしの前にペタリと座り込んでいた。

瞳と瞳が出会い、クスクス二人で笑い合う。

「ったくな……お前の前じゃ、ファンタジスタも色男も廃業だよな」

つくしの手が俺の身体をフワリと包み込み、唇が触れる。

つくしと初めて口づけを交わしたあの日のように、俺の心は歓喜に震える。

そんな俺の心を煽るように

「どんな西門総二郎も、あたしにとっては、ファンタジスタな色男だけどね」

殺し文句と共に柔らかく微笑みやがる。

ったくなぁ
……俺は一生この女に、つくしに……身も心も振り回されていくんだろうな。

そしてそれが……俺、西門総二郎にとっての最大級の幸せなんだろうな。



「最高な祝いをありがとうな」

つくしを抱き寄せ熱い口づけを落と…………いや、落とそうとした…………次の瞬間…………つくしは俺に渡すはずのプレゼントを取るために慌てて立ち上がったんだろう……

だろうって言うのは……抱き寄せようとしたところに、つくしの石頭が無防備な俺の顎先にアッパーカットの如くぶつかって……

ハハッ 意識を失った。

夢かうつつか
うつつか夢か…………

まぁ そんなこんなで、俺にとっちゃ、つくしはメガトン級のファンタジスタって奴だ。



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第十三話は15:00〜
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2 Comments

asu  

パールさま

お久しぶりぶり

今年も宜しくねーーー

2019/01/07 (Mon) 22:23 | EDIT | REPLY |   

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2018/12/15 (Sat) 18:13 | EDIT | REPLY |   

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