無花果の花は蜜を滴らす 12
その様が、あまりにも可愛くてクスリと笑えば
「ひゃー つくしちゃんマジ可愛い♡
桜子、桜子、私、キュンキュンし過ぎて萌え死しちゃうかもだよぉ くぅうーーー 可愛い♡」
「あー、はい。はい。萌え死でもキュン死でもお好きなだけなさってください」
「ェェーーー 冷たすぎぃ
本当、友達甲斐無いよねぇーーー」
「あらっ、友達甲斐ない者が、大切な友達を紹介しますかしら?
まったく もぉ」
桜子に大切な友達って横で言われて、何だかこそばゆいような気持ちになれば
「あっ、つくしちゃんも桜子も真っ赤になってる! 二人でお揃いなんてズルイ!
滋ちゃんも一緒が良いぃーーー」
「ま、真っ赤になんてなってませんからっ! あぁ もう、本当に滋さんは、訳の分からない事ばかりおっしゃいますわ」
「「プッ」」
滋さんと目を目を見合わせ、吹き出した。
「あぁ もう本当にお二人と付き合ってると私のイメージが崩れますわ」
桜子は、ジロリとあたし達を睨んだ。その後、三人揃って笑った。
櫻之宮では出すことのない本当の本当の笑い声を出して。
その後、沢山沢山お喋りをして、お腹の底から沢山沢山笑って……あたしは、泣いた。
桜子と滋さんは、あたしが泣き止むまで、ゆっくりと待ってくれた。
顔を上げたあたしに、
「花沢さんに会いたい?」
滋さんが聞いた。コクンと一つあたしは頷いた。
「今はまだ、いつって約束は出来ないけど、花沢さんに会わせてあげる」
あたしの目を見て『ねっ』と微笑み
「まぁさコレは、ただの私怨になっちゃうけど……
無花果みたいな大傑作を廃番にした櫻之宮万里は、私にとっては、赦すまじなのよ。
だって、私にとって無花果は特別なの。
無花果の女の子を通して私は、知らない世界を見て一緒に経験して、一緒に成長したの。
無花果の女の子は、一人っ子の私の姉妹で、かけがえのない友達で憧れの女の子だった。
女の子の成長を見る度にドキドキしてワクワクして、何度も何度もページを捲った。
賞を獲ったあの写真……魂を揺さぶる相手に出会ったんだって、直ぐに分かった。私的には、カメラマンの御堂先生とくっついて欲しいって思ってたけど、それは無いなって言うのも分かってたから、どんな相手なんだろう、どんな風に恋に落ちたんだろうって、色々考えてたの。
無花果のモデルがつくしちゃんだって知ったのは、本当に偶然。
つくしちゃんのことは、元々桜子の友達って桜子に聞いて知ってたんだ。普段、桜子の口から友達の話しなんて出たことなかったから、普通の顔して聞きながらも、実は物凄くビックリしてたんだよね。
桜子のお部屋でね、たまたま2人の写った写真を見たの。見た瞬間に解った。無花果の子だって。想像通りだった。ううん、想像以上の子だった。
知ってても、知らなくても嫌かなって思ったから桜子には何も聞かなかった。
まぁ、私も無花果の写真集の話しはした事あっても、私の人生のバイブルだなんて話した事はなかったしね。
縁があれば、いつか会えるかなって。
と言うか……私の代になったら大河原のイメージモデルになって貰って、親交をあたためる。なんてことを前々から計画してたの。出会えば絶対に仲良くなれるって。だから、早いか遅いかの差だけかな?って。
だったんだけど、だったんだけど……無花果が廃番になるって聞いて居ても立っても居られなくなっちゃったの。
それでも、つくしちゃんが幸せなら良かったの。仕方ない事だから諦めようって思ってたの……
同じ社交界に居れば、出会いのチャンスなんて幾らでもあるからね。
櫻之宮にとって、大河原は魅力的な筈だし。
でも、つくしちゃん……ちっとも幸せそうじゃなかった」
「あたし……幸せそうに見えなかった?」
「つくしちゃんを良く知らない人には、幸せそうに見えたと思うよ。
でも……私には、そうは見えなかった。
で、櫻之宮万里が写真集を廃番にした理由に思い立ったの。ちっぽけなプライドに彩られた醜い嫉妬。
そんな男をつくしちゃんが好きになる筈ないって思ったのよ」
「ぉほほっ 滋さん、ニコニコしながら、随分と痛烈な毒を吐かれますわね。
まぁ、男たるもの女の過去も現在も未来も全部を引っくるめて愛せでございますから、間違いではありませんけどね。
万里様は、ケツの穴がお小さいと申しますか……ですわね」
「ケツって……桜子のがニコニコしながら凄い事言ってるよ」
滋さんと桜子は目を見合わせ、とてもいい笑顔で微笑みあったあと
「……というわけで、私達二人ともつくしの望んだ未来への手助けをするつもりですの」
声高々と言い切った。
あたしの望んだ未来……?
あたしは、まだナニカを望んでもいいの?
「ひゃー つくしちゃんマジ可愛い♡
桜子、桜子、私、キュンキュンし過ぎて萌え死しちゃうかもだよぉ くぅうーーー 可愛い♡」
「あー、はい。はい。萌え死でもキュン死でもお好きなだけなさってください」
「ェェーーー 冷たすぎぃ
本当、友達甲斐無いよねぇーーー」
「あらっ、友達甲斐ない者が、大切な友達を紹介しますかしら?
まったく もぉ」
桜子に大切な友達って横で言われて、何だかこそばゆいような気持ちになれば
「あっ、つくしちゃんも桜子も真っ赤になってる! 二人でお揃いなんてズルイ!
滋ちゃんも一緒が良いぃーーー」
「ま、真っ赤になんてなってませんからっ! あぁ もう、本当に滋さんは、訳の分からない事ばかりおっしゃいますわ」
「「プッ」」
滋さんと目を目を見合わせ、吹き出した。
「あぁ もう本当にお二人と付き合ってると私のイメージが崩れますわ」
桜子は、ジロリとあたし達を睨んだ。その後、三人揃って笑った。
櫻之宮では出すことのない本当の本当の笑い声を出して。
その後、沢山沢山お喋りをして、お腹の底から沢山沢山笑って……あたしは、泣いた。
桜子と滋さんは、あたしが泣き止むまで、ゆっくりと待ってくれた。
顔を上げたあたしに、
「花沢さんに会いたい?」
滋さんが聞いた。コクンと一つあたしは頷いた。
「今はまだ、いつって約束は出来ないけど、花沢さんに会わせてあげる」
あたしの目を見て『ねっ』と微笑み
「まぁさコレは、ただの私怨になっちゃうけど……
無花果みたいな大傑作を廃番にした櫻之宮万里は、私にとっては、赦すまじなのよ。
だって、私にとって無花果は特別なの。
無花果の女の子を通して私は、知らない世界を見て一緒に経験して、一緒に成長したの。
無花果の女の子は、一人っ子の私の姉妹で、かけがえのない友達で憧れの女の子だった。
女の子の成長を見る度にドキドキしてワクワクして、何度も何度もページを捲った。
賞を獲ったあの写真……魂を揺さぶる相手に出会ったんだって、直ぐに分かった。私的には、カメラマンの御堂先生とくっついて欲しいって思ってたけど、それは無いなって言うのも分かってたから、どんな相手なんだろう、どんな風に恋に落ちたんだろうって、色々考えてたの。
無花果のモデルがつくしちゃんだって知ったのは、本当に偶然。
つくしちゃんのことは、元々桜子の友達って桜子に聞いて知ってたんだ。普段、桜子の口から友達の話しなんて出たことなかったから、普通の顔して聞きながらも、実は物凄くビックリしてたんだよね。
桜子のお部屋でね、たまたま2人の写った写真を見たの。見た瞬間に解った。無花果の子だって。想像通りだった。ううん、想像以上の子だった。
知ってても、知らなくても嫌かなって思ったから桜子には何も聞かなかった。
まぁ、私も無花果の写真集の話しはした事あっても、私の人生のバイブルだなんて話した事はなかったしね。
縁があれば、いつか会えるかなって。
と言うか……私の代になったら大河原のイメージモデルになって貰って、親交をあたためる。なんてことを前々から計画してたの。出会えば絶対に仲良くなれるって。だから、早いか遅いかの差だけかな?って。
だったんだけど、だったんだけど……無花果が廃番になるって聞いて居ても立っても居られなくなっちゃったの。
それでも、つくしちゃんが幸せなら良かったの。仕方ない事だから諦めようって思ってたの……
同じ社交界に居れば、出会いのチャンスなんて幾らでもあるからね。
櫻之宮にとって、大河原は魅力的な筈だし。
でも、つくしちゃん……ちっとも幸せそうじゃなかった」
「あたし……幸せそうに見えなかった?」
「つくしちゃんを良く知らない人には、幸せそうに見えたと思うよ。
でも……私には、そうは見えなかった。
で、櫻之宮万里が写真集を廃番にした理由に思い立ったの。ちっぽけなプライドに彩られた醜い嫉妬。
そんな男をつくしちゃんが好きになる筈ないって思ったのよ」
「ぉほほっ 滋さん、ニコニコしながら、随分と痛烈な毒を吐かれますわね。
まぁ、男たるもの女の過去も現在も未来も全部を引っくるめて愛せでございますから、間違いではありませんけどね。
万里様は、ケツの穴がお小さいと申しますか……ですわね」
「ケツって……桜子のがニコニコしながら凄い事言ってるよ」
滋さんと桜子は目を見合わせ、とてもいい笑顔で微笑みあったあと
「……というわけで、私達二人ともつくしの望んだ未来への手助けをするつもりですの」
声高々と言い切った。
あたしの望んだ未来……?
あたしは、まだナニカを望んでもいいの?
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