総誕イベント・愛と欲望の果て~能登でちゃぷん~第四話 by 河杜 花
第四話
「つくし…。」
つくしの唇はすでにほんのりと淡く濡れていて、
俺が下唇を甘噛みすると、大きな瞳をトロンとさせた。
その小さな口から漏れてくる吐息は、甘い。
つくしの顔を左手で包み、深くて激しい口付けを施す。
逃げる舌を舌で追いかけながら、
白い胸元に右手を滑らせ、柔らかい乳房を揉みしだいた。
「あ…あぁぁぁ…。」
ピクッと躰が反応したと思うと、つくしの手が俺の胸を押す。
「ダ…ダメだって。」
「…でも、ここが嫌がってないぜ?」
「ち、ちがくって。離してくれないと…、はぁっ、はぁっ、
…はぁっっくしょん!!」
つくしのくしゃみは見事に俺の顔面直撃。
慌てたつくしはごめんなさいといいながら、
俺の顔をタオルでぐしゃぐしゃふきまくった。
「本当にごめんなさい!ちょ、ちょっと湯冷めしちゃったかも。
明日も早いし、風邪ひかないようにもう寝よ?」
あは♡としなをつくって素早く俺から離れると、
布団のなかに入り込んでしまった。
あまりの速さに呆然としていると、
超寝つきのいいつくしはもう寝息をたてていた。
こうなってしまうと、つくしは朝まで絶対に起き上がらない。
おいおいおいお~い!
この盛り上がったジュニアをどうしてくれるんだよ?!
蛇の生殺しってやつじゃねぇ?
仕方なく布団の中に潜りこんだはいいが、悶々としてなかなか寝付けなかった。
その原因をつくった女は、天使の顔をしてムニャムニャと熟睡中。
だけど惚れたものの弱み。
可愛い寝姿に癒やされてしまうんだから、俺も大人になったものだと思う。
だけどそれとエロは別。
今回の分はもちろん、俺の気が済むまでたあ~~~~っぷりと
旅先で可愛がってやるからなと、決意をしたのだった。
__________
「うわぁ…。雪がちらついている!やっぱり寒いね。」
朝早くから空港に連れていかれ、降り立った先は冬の小松空港だった。
そこからリムジンバスに乗るのだとおお張り切りだったつくしだが、
バスを待つ俺をみつけた女どもがキャーキャー騒ぎはじめだしたので、
やむを得ずタクシーで出発することになった。
つくしは何処へ向かおうとしているのか教えてくれない。
だけど、まあなんとなく、車窓から見える景色で
どこへ向かおうとしているのかはわかる。
幼い頃から、伊達に金沢には何度も足を運んでいたわけではないからだ。
だからって愛する妻の計画に口出しするなど、けして野暮なことはしない。
せっかくつくしが俺の為にと、考えてくれたプランだからだ。
結婚してから、なかなか二人きりで出かけることが少なかったからかもしれない。
ややテンション高めなつくしとタクシーの中で、
恥ずかしがりがられながらも手を繋いだり、お互いの顔を見つめあったりと、
普段なかなかできないことをした。
よし。
やっぱりつくしにおかしなところどころか、俺以外の男の影なんか見当たらない。
今年の流行りを取り入れたラベンダー色のモヘアと白のスカート、
ベージュの最高級ダウンなんて、色白なつくしにピッタリで、
思わずゴクンと喉が鳴るくらい可愛らしい。
愛する妻へのコーディネートがこんなにも見事にハマるなんて…。
あああ、畜生!
俺の為に連れてきた旅先の観光なんてやめて、早くしっぽりとしてぇ~!!
そして貸し切り露天風呂なんかでイチャイチャしてまくって、あんなことやこんな技をつくしに…。
「お義母様からお聞きしていたけど、金沢は奥深い土地柄だから勉強になるわよって。
私、実は金沢は初めてなの!
だから本当に今回の旅行は楽しみ……って、
なんか総ってば、またエロ門になってるんだけど?!」
どうやら、俺の下心が顔全面にでていたらしく、
さっきまでのお淑やかな身のこなしから一転、お転婆娘へ早変わり。
そのプンプンと怒るその顔もめちゃくちゃそそるんだけどなぁ…。
しかし、ここで愛するつくしのプランを台無しにするわけにはいかない。
我慢。我慢。
そんな俺のエロ門ぶりが吹きとんでしまうほど、
今回つくしの計画はよく考えられたものだった。
金沢市民の台所と呼ばれている近江町市場、
前田利家が祀られている尾山神社、金沢の武家文化が色濃く残る長町武家屋敷、
新しい金沢の一面と評される金沢21世紀美術館を案内されるなど、
ツボをおさえたコースばかり。
いや、スムーズなのはいいことなんだが、
今までの旅行がドタバタと珍道中すぎていて、
なんか逆に落ち着かないというかなんというか。
予想だにつかないハプニングが必ず起きていたからか、
そうじゃないとダメな体質になってしまったのだろうか。
………笑えねぇ。
まさか、誰かの要り知恵?
ふと、類の顔が脳内にちらつく。
んな訳ねえ。
あいつはそんなに金沢は詳しくねぇはずだし。
お袋から色々教えて貰っていたって言っていたし。
うん、そうに違いない!
美味しいお肉が食べられるということで、
お袋が勧めたという一元さんお断りの能登牛ステーキの店に行った。
歩き疲れた足を休めながら、ゆったりのランチをしていると、
俺達の部屋の隣にいた客が襖をあけて、部屋を去っていく音が微かに聞こえた。
その際、店の人間とその男の会話で「…沢様」「おひとり」というのが耳に入ったのだ。
ん?
花沢?!
パッとつくしをみると、極上の料理に舌鼓中の顔は満面の笑み。
パクパクと美味しそうに食べ物を頬張るその姿はいつも通りだ。
なんかわからないが、その客のことが気になった。
「…悪ぃ。ちょっと手洗い。」
食事を中座して、男が歩いて行った方へと行く。
すると男は既に店を後にしたらしく、女将が客を送り出したところだった。
「あら。西門様。どうなされましたか?」
「いや…。女将、今の男性はどちら様ですか?」
「まあ。あの方は東京の井沢様です。」
「井沢…。そうですか。大変失礼いたしました。」
なぜかほっとしてしまった。
…そうだよな。
アイツがこんなところまでくるわけがない。
ま、夫婦水入らず乗り込む旅に割り込むほど、
そんな暇なわけねぇんだ。
すっかり安心して個室にもどり、美味しい和牛を堪能した。
食事の後は前田家の庭園である兼六園、金沢城址公園、
ひがし茶屋街へ盛りだくさんに観光をした。
そしてすっかりそんな事があったことを忘れて再びタクシー乗り込み、
本日泊まる温泉がある能登半島へむかったのだった。
「つくし…。」
つくしの唇はすでにほんのりと淡く濡れていて、
俺が下唇を甘噛みすると、大きな瞳をトロンとさせた。
その小さな口から漏れてくる吐息は、甘い。
つくしの顔を左手で包み、深くて激しい口付けを施す。
逃げる舌を舌で追いかけながら、
白い胸元に右手を滑らせ、柔らかい乳房を揉みしだいた。
「あ…あぁぁぁ…。」
ピクッと躰が反応したと思うと、つくしの手が俺の胸を押す。
「ダ…ダメだって。」
「…でも、ここが嫌がってないぜ?」
「ち、ちがくって。離してくれないと…、はぁっ、はぁっ、
…はぁっっくしょん!!」
つくしのくしゃみは見事に俺の顔面直撃。
慌てたつくしはごめんなさいといいながら、
俺の顔をタオルでぐしゃぐしゃふきまくった。
「本当にごめんなさい!ちょ、ちょっと湯冷めしちゃったかも。
明日も早いし、風邪ひかないようにもう寝よ?」
あは♡としなをつくって素早く俺から離れると、
布団のなかに入り込んでしまった。
あまりの速さに呆然としていると、
超寝つきのいいつくしはもう寝息をたてていた。
こうなってしまうと、つくしは朝まで絶対に起き上がらない。
おいおいおいお~い!
この盛り上がったジュニアをどうしてくれるんだよ?!
蛇の生殺しってやつじゃねぇ?
仕方なく布団の中に潜りこんだはいいが、悶々としてなかなか寝付けなかった。
その原因をつくった女は、天使の顔をしてムニャムニャと熟睡中。
だけど惚れたものの弱み。
可愛い寝姿に癒やされてしまうんだから、俺も大人になったものだと思う。
だけどそれとエロは別。
今回の分はもちろん、俺の気が済むまでたあ~~~~っぷりと
旅先で可愛がってやるからなと、決意をしたのだった。
__________
「うわぁ…。雪がちらついている!やっぱり寒いね。」
朝早くから空港に連れていかれ、降り立った先は冬の小松空港だった。
そこからリムジンバスに乗るのだとおお張り切りだったつくしだが、
バスを待つ俺をみつけた女どもがキャーキャー騒ぎはじめだしたので、
やむを得ずタクシーで出発することになった。
つくしは何処へ向かおうとしているのか教えてくれない。
だけど、まあなんとなく、車窓から見える景色で
どこへ向かおうとしているのかはわかる。
幼い頃から、伊達に金沢には何度も足を運んでいたわけではないからだ。
だからって愛する妻の計画に口出しするなど、けして野暮なことはしない。
せっかくつくしが俺の為にと、考えてくれたプランだからだ。
結婚してから、なかなか二人きりで出かけることが少なかったからかもしれない。
ややテンション高めなつくしとタクシーの中で、
恥ずかしがりがられながらも手を繋いだり、お互いの顔を見つめあったりと、
普段なかなかできないことをした。
よし。
やっぱりつくしにおかしなところどころか、俺以外の男の影なんか見当たらない。
今年の流行りを取り入れたラベンダー色のモヘアと白のスカート、
ベージュの最高級ダウンなんて、色白なつくしにピッタリで、
思わずゴクンと喉が鳴るくらい可愛らしい。
愛する妻へのコーディネートがこんなにも見事にハマるなんて…。
あああ、畜生!
俺の為に連れてきた旅先の観光なんてやめて、早くしっぽりとしてぇ~!!
そして貸し切り露天風呂なんかでイチャイチャしてまくって、あんなことやこんな技をつくしに…。
「お義母様からお聞きしていたけど、金沢は奥深い土地柄だから勉強になるわよって。
私、実は金沢は初めてなの!
だから本当に今回の旅行は楽しみ……って、
なんか総ってば、またエロ門になってるんだけど?!」
どうやら、俺の下心が顔全面にでていたらしく、
さっきまでのお淑やかな身のこなしから一転、お転婆娘へ早変わり。
そのプンプンと怒るその顔もめちゃくちゃそそるんだけどなぁ…。
しかし、ここで愛するつくしのプランを台無しにするわけにはいかない。
我慢。我慢。
そんな俺のエロ門ぶりが吹きとんでしまうほど、
今回つくしの計画はよく考えられたものだった。
金沢市民の台所と呼ばれている近江町市場、
前田利家が祀られている尾山神社、金沢の武家文化が色濃く残る長町武家屋敷、
新しい金沢の一面と評される金沢21世紀美術館を案内されるなど、
ツボをおさえたコースばかり。
いや、スムーズなのはいいことなんだが、
今までの旅行がドタバタと珍道中すぎていて、
なんか逆に落ち着かないというかなんというか。
予想だにつかないハプニングが必ず起きていたからか、
そうじゃないとダメな体質になってしまったのだろうか。
………笑えねぇ。
まさか、誰かの要り知恵?
ふと、類の顔が脳内にちらつく。
んな訳ねえ。
あいつはそんなに金沢は詳しくねぇはずだし。
お袋から色々教えて貰っていたって言っていたし。
うん、そうに違いない!
美味しいお肉が食べられるということで、
お袋が勧めたという一元さんお断りの能登牛ステーキの店に行った。
歩き疲れた足を休めながら、ゆったりのランチをしていると、
俺達の部屋の隣にいた客が襖をあけて、部屋を去っていく音が微かに聞こえた。
その際、店の人間とその男の会話で「…沢様」「おひとり」というのが耳に入ったのだ。
ん?
花沢?!
パッとつくしをみると、極上の料理に舌鼓中の顔は満面の笑み。
パクパクと美味しそうに食べ物を頬張るその姿はいつも通りだ。
なんかわからないが、その客のことが気になった。
「…悪ぃ。ちょっと手洗い。」
食事を中座して、男が歩いて行った方へと行く。
すると男は既に店を後にしたらしく、女将が客を送り出したところだった。
「あら。西門様。どうなされましたか?」
「いや…。女将、今の男性はどちら様ですか?」
「まあ。あの方は東京の井沢様です。」
「井沢…。そうですか。大変失礼いたしました。」
なぜかほっとしてしまった。
…そうだよな。
アイツがこんなところまでくるわけがない。
ま、夫婦水入らず乗り込む旅に割り込むほど、
そんな暇なわけねぇんだ。
すっかり安心して個室にもどり、美味しい和牛を堪能した。
食事の後は前田家の庭園である兼六園、金沢城址公園、
ひがし茶屋街へ盛りだくさんに観光をした。
そしてすっかりそんな事があったことを忘れて再びタクシー乗り込み、
本日泊まる温泉がある能登半島へむかったのだった。
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