明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

総誕イベント・愛と欲望の果て~能登でちゃぷん~第九話 by asuhana

第九話 


慌てて食った能登牡蠣がつくしの口の中にスルリと吸い込まれて、咀嚼音と共に喉が上下する。そんななんでもない事なのに……

やべっ
マジ色っぺい。
先ずは、しっかり腹ごしらえさせてからなんて思っていたが、食べる行為はどこかエロティックで、俺の欲を擽りやがる。

「っん?総、どうしたの?
ソレ見せてよ」

「あっ、っん」

そうだ先ずは、コレの存在だ。

透明のボトルの中には、金箔が浮遊した黄金色の液体。

つくしがボトルに手を伸ばす。

「っん?なんだろうね」

ボトルを振りながら灯りにかざしてる。

「あっ! 桜子からの試作品だ」

「三条からの試作品?」

「うんっ。今度のコスメは、金沢名産の金箔と、この辺りで取れるなんとかを使うっていってたんだよね。なんとかがイマイチ思い出せないけど……それよか、ほらっ、このボトル、桜の透かし模様が入ってるでしょ」

「どれどれ」

もう一度つくしからボトルを受け取り、よく見れば、確かに桜の花がエッチング加工されている。

「家にある化粧品と同じマークが入ってるな」

「でしょでしょ。
試作品が間に合えば送るから感想聞かせてとか言ってたんだよね
発売をバレンタインデーに間に合わせたいとか言ってたから急いでるんだろうね」

「あいつもすっかり女実業家だな」

「うんっ 美のカリスマよ」

封を切り、蓋を開ければ……プワーンと甘い匂いが漂う。

「っん? この匂いって……蜂蜜か?」

「あっそう!それよ!それ!
この近くで取れるとかなんとか言ってたんだよね。そうそう、そう言えば今度のローションは食べれるんですよって言ってた
それとね、基本夜用だけど、朝も昼もOKなローションなんだって
それもね、顔も身体も全身使えるんだって。
それだけお肌に優しいってことよね」

つくしが、ウンウン頷きながら語っているのを後目に、俺の頭の中は

三条
全身ローション
食べれる
基本夜で朝昼OK
このタイミング

これらの事がグルグルと回って、一つの結果を導き出していく。

手のひらに数滴落として、感触を確かめれば、唇の端が思わず上がる。

目先の欲に溺れずに、大志を全うしろと俺の脳みそが俺の欲望に伝えてくる。

「どんな感じ?」

呑気に俺の獲物が聞いてくる。

「あぁ すごくいい感じだな」

ぬるり……としてな

「ノビは?」

「っん?ノビ? それも問題ないな」

目の前の獲物にうってつけだ。

「へぇ 楽しみ❤️
あっ、でもお風呂上がりに塗ってみたかったかも
スキンケア製品って、その方が浸透しやすいよね」

「だったらもう一回入って試してみればいいだろうよ」

ニヤニヤが止まらない俺は、冷静に冷静にと言い聞かせながら、爽やかに見える笑顔で応えた。

つくしは、眉間にほんの少しシワを寄せながら

「うわっ、なんか妙に爽やかな笑顔で胡散臭っ」


俺の嫁は、中々鋭い事を言う。


「まぁ 胡散臭いのは、今に始まった事じゃないか」

「ったぁ、その胡散臭い奴のことが好きで好きで仕方のないのは誰だ?」

「好きで好きでって」

「じゃあ嫌いか? あんまり好きじゃないか?」

ジッと目を見つめれば

「……総の、イジ……ワル」

耳まで真っ赤に染め上げ、抑えこんだ俺の欲を煽り立てる。

「意地悪? 俺は、つくしが好きで好きで仕方ないけどなっ

うちの嫁さんは好きの出し惜しみときたもんさ
ったぁ、世知辛い世の中ってのはこんな感じなのかねぇ」

欲を抑え込むために、わざと戯けて言えば

「もうっ ふざけてばっかり」

わざと唇を尖らせ、そっぽ向く。そんな仕草も可愛くて堪らねぇ。なんでだろうなぁ、つくしのぜーんぶ全部が可愛くて堪らない。

「お前、マジ可愛いな」

ポツリと本音を漏らせば、目をパチクリしたあと

「あっ、ありがとう」

礼を言って、どこかぎこちない仕草で再び飯を食い始めた。

照れるつくしを肴に酒を呑みながら、シミジミと思う。昨日より今日、今日より明日……俺はこの女に惚れ込んでいくんだなと。

自然に笑みが溢れだす。


総の目元がふわりと弧を描けば、あたしの心もふわりと温かくなる。

総が好き。心の底から好きが湧き溢れてくる。好きで、好きで、たまらなく好きで……今このときが、幸せで幸せで堪らない。

出し惜しみするって総は言うけど……この思いを全てぶつけたら、重いと思う。 アハっ 真面目に。

だって、沢山愛されてるのに、一片も総の愛を疑ったことなんてないのにも関わらず、いまだに総に片恋中のあたしが、あたしの中にいるんだもん。片恋中のあたしは、総の全てに蕩けきっている。蕩け切ったあたしは、自分で自分に引くくらい、何十回、何百回と、“総、好き好き好き” って叫んでる。

今だって、平静装って食事再開してるけど、心の中じゃ絶賛愛を叫び中だ。

ザ・能登半島で愛を叫ぶだ。

それにしても、それにしても……うちの夫はカッコいい。サラサラの髪、きめ細やかな肌、切れ長な目、高い鼻、形の良い唇。しなやかで引き締まった身体……そして、何よりも魅力的なのは、あの指先。艶やかでいて嫋やかな動きを見せてくれる。

うーーん カッコイイ。

あたしのこの恋は、日々加速している。昨日より今日、今日より明日……あたしは、総を好きになる。

一緒に時を刻める幸せを噛みしめ、総を見る。

「っん? どうした?」

優しい声に包まれて 

「総が好き」

あふれた思いが口から飛び出す。

「じゃ、両思いだな」

嬉しい答えに、ピタッと身体を総の身体にくっつければ

「なぁ この部屋にも、露天風呂ついてたよな」

小さな声で囁かれる。その声にあたしの身体の奥がキュンとして小さな吐息が溢れれば、総の舌がペロリとあたしの耳殻を舐めあげる。

「ぅっ」

その刺激に思わず声が出る。

「一緒に入ろう。今度は最初から二人で」

甘美な誘いにコクンと頷けば、総の指先が、あたしの髪を梳く。唯それだけなのに、痺れるような電流にも似た何かが背中を這う。

「つくし、立って」

機械仕掛けの人形のように、あたしはその言葉に従い立ち上がる。その瞬間……とろりとした蜜があたしの中から湧いてくる。

「浴衣、脱げよ」

薄く笑った唇が、あたしに指示を出す。
恥ずかしくて、恥ずかしく堪らないのに、あたしは帯を解く。総は、胡座をかいたまま

「帯解いただけじゃ、浴衣は脱げないぞ」

優しい口調で意地悪を口にする。



俺の視線から逃れるように、くるりと後ろ向きになったつくしの肩から、浴衣が畳の上に落ちていく。雪のように真っ白な肌があらわになる。
今すぐにでも押し倒したい気持ちを抑え

「下着も脱げよ」

もう一つ指示を出す。

つくしは、真っ白な肌をほんのりと赤らめ、小さく小さく肩を揺らす。

「早く脱げよ」

躊躇いを乗せたつくしの指先がショーツに触れる。片足づつ脱がれたショーツはレースの塊となって、つくしの手に握られる。つくしの背中がビクンッビクンッと細かく揺れる。

「コッチ向けよ」

つくしの羞恥心を煽るように、俺は強く言葉を口にする。

「……は、はずか……しい」

「っん? 気持ちいいの間違いじゃねぇか?」

嫌々をするように、つくしが頭を振る。

「じゃあ ずっと後ろ向いたまま立ってっか?」

頭をゆっくりと傾げた後……舞を舞うように、俺の方に振り向いた。何気ない所作の美しさに、つくしの西門での努力が垣間見える。

「綺麗な所作だな」

思わず口に出せば、つくしがはんなりと微笑む。

エロティズムの中にある優美さが、俺を狂わせる。

つくしの手を引き寄せ、胡座をかいた間に座らせ抱きしめた。

「……あたしだけ裸なんて、恥ずかしい」

上目遣いに俺を見る。

「じゃあ 俺の浴衣を脱がせばいいだろ」

「ぇっ」

「一緒に風呂入るんだろ?」

コクンと頷き、帯に手を掛ける。結び目を解き、浴衣に手を掛ける。脱がすのも好きだが、愛する女に脱がされるのも中々そそられる。

顎先を持ち上げ唇を奪う。歯列をなぞり上げ、歯と歯の隙間から舌を滑り込ませ、つくしの舌を絡めとる。

「んんっ」

つくしのくぐもった声が、俺の欲を痛いほどに刺激する。

激しく深く口中を弄り、優しく舌を絡める。上顎の窪みを舌で回せば、トロリとした目をして、銀糸を垂らす。優美さが淫美に変わり、つくしはただの雌と化していく。

唇から首筋に舌を這わせたところで、テーブルに置いたローションが目に飛び込んでくる。

動きを途中で止めれば、つくしは身体をくねらせ俺に押し付ける。つくしの身体に腕を回しながら、ローションの蓋を回す。つくしの背中にとろりと垂らす。突然の感覚にほんの少し驚きながらも、雌と化したつくしは何も言わずにソレを受け入れる。

片手のひらで、とろりとしたソレを背に伸ばしていく。白い身体の上を金箔がキラキラと輝く。手指を滑らせば金箔がほぐれ肌にスッと馴染んでいく。

「疲れがとれんだろ」

「あっ うん」

言葉をかければ、他の刺激を感じてるのを隠すかのように返事する。

腋の下に手を滑り込ませ、腋の下から乳房全体に手指を這わせる。乳首すれすれの刺激は、気持ち良さへの期待とまどろこしさに

「ぅっんんっ」

吐息を零させる。吐息を合図に舌と指で乳首を転がす。

弓なりに背中を仰け反らせ、艶かしい声を上げる。


なぁ、つくし
もっと乱れろ、もっと欲しがれ

俺なしじゃ、生きていけないほどに骨抜きになれ


仰向けに寝かせたつくしの臍の上にローションを垂らす。両手のひらでゆっくりと下半身に伸ばしていく。太腿に手を這わせれば、脚を閉じようとする。腿の間に指を這わせ子宮の奥を揺らすかのように臍の下を片手で抑え、左右に揺らす。もう片方の手で花芽をいじる。

つくしの息が上がり、切なげな喘ぎ声を上げ身体に力が入った次の瞬間に、すべての刺激を止める。


「そう……あっ 総」

「なんだ?」

「や、やめないで」

「うんっ?
なんでやめないで欲しいんだ?」

意地悪な問いかけにも

「き、き、きも……ちいいの」

本音を漏らす。

「どこが気持ちいいのか、口にしてみろよ」

つくしは、下唇を軽く噛みながら俺を睨む。
そんな顔もたまんねぇ。

つくしの唇の端を指でなぞり、軽く開いた隙間をこじ開けて口中をいじる

「……ぁぐっ ぅぅっ あっ」

睨んでいた目がトロリと溶けて、妙に艶かしい顔をしやがる。

マジたまんねぇな。

「なぁ こんなエロい顔、誰にも見せねぇって約束しろ。そしたらもっともっと気持ちよくしてやるよ」

俺の言葉に、つくしはコクンと頷き、とろんとした目をして俺を見る。

「膝立てて、脚開けよ」

脚をもじもじさせながら、膝を立て、ゆっくりとゆっくりと脚を開いていく。開かれた脚の間から真っ赤なザクロが食べてくれとばかりにテラテラと輝き俺を誘う。

パックリと開かれた肉壺に指を這わせれば、溢れ出した汁が俺の指に絡みつく。薄皮に守られた陰核を指で露わにし、吸い付き舐め上げる。

ジュブリと指を肉壺に挿れ掻き回せば、ピチャピチャと水音がする。

「なぁつくし、聞こえっか?
オマエのココ、すげぇ やらしい音がすんぞ」



総が意地悪を口にする。恥ずかしいはずなのに、意地悪を口にされればされるほど、あたしの身体から蜜が溢れ出す。どうしようもないほどに、あたしの身体は総の与える刺激に感じている。

指が膣壁を擦りあげる。はしたないほどに声を上げ、腰を浮かせる。

下に向けて手を伸ばし、総の髪を掴んで、あたしの雌の部分に押し付ける。

「総、総、きも……ち、いい」

総の舌は、あたしを高い波に乗せる。

「あっ ぁっ あぁ そう、総 あぁーーーー」

ビクンッビクンッと身体が跳ねて、あたしは絶頂に達した。

目を開けたあたしの前に、ローションが転がっている。ソレを手に取り起き上がる。

突然起き上がったあたしに

「んっ? どうした? どうかしたか?」

少し慌てる総が可愛らしくて愛おしい。

総の髪を一つ撫でてから耳元に囁く

「今度は、あたしから……ねっ」

総を寝かして、その上に跨った。総の上にローションを垂らす。引き締まった身体の上をトロリとしたものが垂れる様は何故だかとてもエロティックで、あたしの奥がジュンとなる。抱きつくように密着させた身体を少しずつ動かし、いきり勃つ牡を頬張れば

「うっ ぁっ」

くぐもった声を漏らす淫らで美しいあたしの男。あたしは狂おしいほどに、この男を愛してる。

「ねぇ総、そんな淫らな顔、あたし以外に見せないでね」

独占欲丸出しの言葉をぶつければ……

「じゃぁ 一生俺に付き合えな」

極上の言葉を口にする。


望むところだ!と思ったのは……何時間前の事だろう。朝焼けの露天風呂で、ご機嫌に鼻歌を唄う総を眺めながら、口は禍の元だとしみじみ思う。

ちゃぷ、ちゃっぷん 
お湯が揺れ……あたしはまた、高みに昇る。
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