明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

総誕イベント・愛と欲望の果て~能登でちゃぷん~第十話 by everyone

第十話


こちらのお話は参加者の合作となります
誰がどの部分を書いたのか?
書いていない人もいるとかいないとか……?
想像しながらお楽しみくださいませ(*´∇`*)




小松空港展望デッキ、良く晴れた空を見上げていた類は目当ての一機の着陸を確認。

相変わらず 派手と呟き、空港のロビーへと踵を返した。


『……あ、司?』
『なんだ珍しいな』

『まぁね、ねぇ総二郎の誕生日祝いしない?』
『は?……俺は忙しいんだよっ!』

『石川の花沢リゾートなんだけど…』
『……だからっ!忙しいっ…』

『牧野も来るよ?』
『……………』

『来るよね♪』
『…………行く…』

『じゃあ、小松空港まで来てよ。迎えに行くから……あっ!あきらも拾って来てね。日時は追って連絡する、じゃ』


一ヶ月程前に親友の一人と交わした会話を思い出したその顔は、
愉しそうに綻んでいた。


***


部屋にある露天風呂のお湯が、高くなった陽の光を反射してキラキラしてる。

……まぁ…正確には、お湯の中の金粉が光を反射してる訳だが……

まだ浴衣姿のつくしは、昨夜…いや…ほんの数時間前の事を思い出して、そこから目を反らした。


「……ここって、チェックアウト 何時だったのかしら?」
「んーー、そのうち受付から連絡くんだろ」

「……にしても、帰りの準備しなくちゃだから、総…起きてっ!もうお昼過ぎてるし
あっ、それより肝心な事忘れてた!」

「肝心な事?」
「うん!だってこれがなきゃ……はい!お誕生日プレゼント♡
一生懸命選んだんだよ?」

総二郎はつくしが差し出したものを受け取り……中身が何となく想像出来たが知らん顔してリボンを解いた。

出てきたのはストラップ……。
なんの石だ?と陽に当ててそれを見る総二郎につくしが説明した。


「これはね、誕生石って言うの。ちゃんと12月3日の石なんだよ?ホワイト・ジェダイトって言ってね、石言葉は『浄化された魂』 なんだって」
「あぁ、ジェダイトって翡翠だろ?へぇ~、サンキュ!で、お前の石は?」

「私のはロードクロサイト。石言葉は『新しい愛とロマンを招く』 だよ~♡」
「ふぅ~ん……で、類は?」

「花沢類はエンジェル・スキン・コラール! 石言葉は『変わらぬ思い』で……はっ!」


ニヤリ……総二郎の目が細くなった。



♪♪~♪♪~

タイミング良くなった部屋の内線の音に慌てて対応するつくし。


『お連れ様が到着致しました』
「え?…お連れ…さま?」
『皆さんお揃いですよ♪』

「ねぇーー総っ!お連れ様だってっ…って、皆さんって誰?」
「はっ?」



誰が…? と思う間もなく、目の前に現れたのは、つくしに向かい手を振る類。なんで俺が…? という表情を浮かべるあきら。
そして、こめかみに青筋を浮かべる司。

「あれっ? どうしたの? みんな揃って…?」
「どうしたもこうしたも……。俺はイギリスに居たんだぞ。それを司が…」「牧野っ!」

それまで憮然とした司の顔が一転。つくしを見つけた途端に笑みを浮かべ、駆け寄り抱きすくめようとする。
総二郎が慌ててその間に割って入った。

「何で邪魔すんだよっ!」
「何でって、当たり前だ!
妻に手ぇ出すのを、許せる訳ないだろうがっ!
大体が、なんでここに居るんだよっ!」
「は? 今日はお前の誕生日だろうが。
だから態々、俺様が来てやったんだ」

どうだ、嬉しいだろうとばかりに、ふふんっと鼻を鳴らす司。

別に来なくていい。
…ってか、つくしと二人きりを楽しみたい。
邪魔しないでくれ。

そんな不満タラタラの総二郎を他所に、つくしは類とあきらに話しかけた。


「ねぇ…。 類…。」
「昨日は、いろいろありがとね。 夕食もお風呂もすごく良かった。」
「あんたの『ありがと』は、聞き飽きたって言ってるだろ? 楽しんでくれたならそれで良いから。」
「うん。」

それなら来るなよ!
来なければ『ありがと』の言葉を聞く事もねぇんだよ!
と、思う総二郎

「美作さん。 わざわざ来てくれてありがとう。」
「あっ、いや…。 まあ、年に一度の総二郎の誕生日だし、こうして皆で祝えるのもなかなかねえしな。」
「皆、忙しいもんね。 そんな中、こうして来てくれて総も凄く喜んでるよ! ねっ!」

とびっきりの笑顔で言われたら、サッサと帰れ!とは言えなくなった総二郎
はぁ〜…と、内心深いため息を吐く

そこに新たな来客が来た

「つっくし〜!」
「先輩! お久しぶりです。」

はあ?
こいつらも?

「えっ? 滋さん? 桜子まで?」
「ニッシーの誕生日パーティーなんでしょ? 司に聞いてさぁ…。 つくし一人で四人の相手は大変かなぁ?と思って!」

いやいや…お前が一番大変なんだよ!
だが、居ねぇよりマシか?
司の相手をして貰えれば助かるし

「先輩! 冷蔵庫の中、見ました? 桜子特製ローションを、置かせてもらっているんですけど。」

ギクッ…
やべぇ…
露天風呂を見られたら一目瞭然なんじゃね?
いや、その前に冷蔵庫を覗かれたらおしまいだ!
空ケースはどこに置いた?


あっ、あんなところに
ま、マジか……

総二郎は微妙な感じの蟹歩きになりながら、空ケースに近付いていく。

「西門さん、どうかされました?」

それを目敏く見つけた桜子が、どこか楽しげに行く手を遮りながら、聞いてくる。

「ど、どうもしねぇよ」

「なんだか随分とお顔の色が優れないみたいにお見受けしましたけど……
でも不思議ですわ。なのになのに、お肌の色艶はバッチリなんて   オホホッ」

オニダ オニダ
オレノメノマエニ、オニガイル

でも、ちょっと待て
俺ら夫婦だ。しかもあのローションは、そういう用途のそういうローションだ
それを使って楽しんで何が悪い。

そうだそうだ。
何が悪い。

「おほほっ 何も悪いことはございませんわ。ただ、使い勝手は、如何だったかと先輩に詳しくお聞きしようかなーと
ついでにココにいる皆さんにも宣伝していただいてもいいですわよね」

オマエ エスパーカ?
って、問題はそこじゃなくてだ
皆んなに宣伝だと?

それだと……

「えぇ そうですわね
それだと先輩は恥ずかしがって、もう二度とお使いにならないかもしれませんわね」

だよな。だよな。
なぁ、俺にもだが、三条オマエにも不利益じゃねぇか?チラリと三条を見れば、ニコリと笑って

「そうそう、本日、同時発売を予定しております金粉入りの美容クリームのサンプルもご用意しましたの。1個十万円とお値段ははりますけど、効果は保障付きですのよ。それに今なら5個に1本、なんとあの特製品もサービスさせてい「買った」」

総二郎は、桜子が全てを言い切る前に予約した。

「20個買うから、今日はもうこの話題に触れるな」

「毎度ありがとうございます」

そう言いながら、それはそれは美しく微笑んだ。その美しい微笑みを見て

「ふぅっーーーー」

総二郎は、大きな大きなため息を吐いた。


「ねぇ……ちょっと。」


桜子特製のアレ♡をお買い上げしている総二郎の隙を突く様につくしに近付いた滋が
服をつまんだ。


「ん?滋さん何?」

「この後にみんなでケーキ食べようと思ってね
用意したのがあるから見て欲しいの!」

つくしの返事を待つつもりもない滋は、さあさあと別の部屋につくしを連れて出た。





「では、すぐにお届けしますわ。」

桜子を黙らせた総二郎はつくしが余計な事に気付かなかったかと見回すが
そこに居たはずの彼女が消えている。

「おい!つくしは?」
「あ?知らねえよ。
つうかよ。態々俺がこんな田舎まで来てやったんだから、少しはもてなせ。」
「司。そのシャンパン牧野の分も残しといてよ。
せっかく俺が一緒に飲もうと思って持ってきたんだから。」


さっき到着したはずの司はいつの間にかにリビングのど真ん中で酒を飲み始め
司の様子に呆れた様な顔をしたあきらの片手にも飲みかけのシャンパングラスが握られている。


こいつら…俺の祝いだとか言って完全につくし目当てじゃねえか!
だいたい、こんな忙しい年の瀬にとか文句言いながら
どんどんシャンパンを飲むなっ俺の祝い用がなくなるだろ。

まあいいさ。肝心のつくしは俺だけのモンだ。
こいつらが今更いくら足掻いたってその事実は変わらねぇ。
つくしがどれだけ俺に惚れてるか見せつけてやるから覚悟しろよ!




「___え?本当にこれでいいの?」
「ばっちりだよ!さすが滋ちゃん♡
つくし超可愛いもん!」
「そうかな?でもちょっと布少ないんじゃ……」


姿が見えないつくしを探そうとリビングを出た総二郎の耳に
そんな声が届き、また滋が余計な事をしているのでは無いかといきなり部屋のドアを開けた。


バーーン!!
「何してやがるっ!!」


開けたと同時に浴衣でバッ!と自分を隠すつくしに、ニヤリと笑った滋…でも、つくしの足元にハラリと落ちたのは……パンツ?
しかも男用で抹茶色じゃなかったか?

つくしは俺の視線が足元に向かってる事に気付いて、今度はガバッ!とその「抹茶色」の上に亀みたいに覆い被さった。

そんでもってつくしが隠してるはずの浴衣からスケスケの抹茶色が見えて、慌ててそれを浴衣の中に押し込んだけど……脳内インプットされた。


「あはっ、あははは!ななな、何でもないから!」
「なぁに?ニッシー、そんな顔しちゃって。いい男が台無しだよぉ?」


はぁ~、そう言う事ね?それはそれで……良いんじゃね?


なんて、腹が立って開けたはずなのに気分は別世界に向かった。
それは「今晩用」だな……。

そうしたら俺と背中合わせに桜子が立ち、呟いたのは……


「あれは1度っきりの特別仕様ですって。生地に特殊媚薬を仕込んであるんですの。
しかも水に溶けるらしいですわよ?滋さんも私以上に素敵な商品を考えるでしょ♥」

「……男用も見えたぞ?」
「勿論同素材ですわ」

「……悪いが俺にはクスリなんて必要ねぇけど?そんなもんに頼るほど……」
「…数㎝、アップですって」
「よし、使う!」


いやいや、なに喜んでるんだ?俺。


つくしはアタフタと「それ」を来たまま浴衣の帯を結び直し、真っ赤な顔で部屋に戻って来た。
問題はつくしがそんなものを着ている事を彼奴らに知られないこと……だな。
そして脱がせる訳にもいかない…。


「じゃあさ、ケーキ食べよっかー!桜子、シャンパングラス出してぇ?」
「滋さん、もう出てますわ。しかも道明寺さんと美作さんは飲んでますし。で、誰が切り分けます?」

「じゃあ美作さん切ってよ♡」
「牧野、俺でも切るぐらい出来るのに……」

「どうでもいいけど早くしろって!で、牧野はこっち座れ♪」
「司、なに言ってんだよっ!つくしは俺の横だろうが!」

「切るぞ~、文句言うなよ~!」


もう誰が何言ってるんだか判んねぇし、俺の誕生日なんてどうでも良くなってる。
主役のはずなのに端っこに追いやられ、3人がつくしに向かってケーキ食ってるのは何故だっ!!


「あっ、牧野。口の横、クリームついてる。取ってあげるね?」
「ありがと~、花沢類」
「触んなっ!!類ーーっ!!」


なんでクリーム取るのに両手で顔を押さえんだよっ!
油断も隙もあったもんじゃねぇっ!



「ねぇ、牧野。なんでいつまでも浴衣なの?着替えたらいいのに」
「えっ?あぁ、そうだよね~、着替えてこようかなぁ~」

「いや、つくしはそのままで。今日もここに泊まるから」
「うそっ!今日も泊まるの?総、私聞いてないけど?」

「じゃあ俺達もここに泊まるか!おい。類、部屋を準備しろ」
「えっ!司、泊まるのかよ?俺は明日の朝早くに仕事があるんだけど、類はどうするんだ?」

「ん?俺は牧野に合わせて……」
「そんなもん、合わせるな!司もあきらも、ついでに類も帰れ!」

「あら、私達は泊まっても宜しいの?」
「やったぁ!露天風呂入ろうよ、つくしーー!」

「お前等も帰れっ!!💢」



こうしていきなり現れた奴らにせっかくの2人きりを邪魔された挙句、テーブルの上を散々汚されたが……極上のプレゼントの効果が出てきたようだ。

「じゃあ、またねぇ、つくし!」
「うん!滋さん、ありがと~!」

「先輩、ご機嫌よう。今度ゆっくり効果の程をお聞きしますわね」
「う、うん、判った!また電話するから!」

「牧野、今度はお前の誕生日に帰国すっからな。今日はおめでとう!」
「道明寺、…だから今日は総の誕生日だってば……」

「おやすみ、牧野。いい夢見ろよ~」
「美作さん、まだ夕方だから。ホントに酔っ払ってんの?」

「……じゃあ本当にこれで帰るね。牧野…またね」
「う、うん…花沢類、ま、またね!」

「どうかしたの?顔が赤くなってるよ?」
「ええっ!ううん、何でもない、なんでも……はははは……」


誰か1人ぐらい俺に言えよ!
……ってのもどうでもいい。彼奴らを部屋の前で見送ったら、つくしがソワソワし始めた。


「あれ」のクスリがジワジワとつくしを……。

自分の身体を抱くように腕を回したり、足をモジモジ擦り付けたりして、真っ赤な顔で俺を見つめてきた。


「総……あの、なんだか私……」
「ん?どうした?」

「ううん、何でもないけど……でも、身体が……」
「身体が昨日を思い出したか?仕方ねぇヤツだな」

「…やだ、そうじゃないんだけど……でも、あの…」
「判ってるって。つくし……滋にもらったもの、出せ」

「…………見えたの?」
「勿論。揃いの……なんて初めてじゃね?」


色にセンスは感じねぇが……よし!試してやる!!
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