明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

総誕イベント・愛と欲望の果て~能登でちゃぷん~第八話 by plumeria

第八話


「痛いってば!総、手がっ…!」
「…………💢💢」

「やぁ~~ん!離してぇ!」
「…………💢💢」


簡単に許せる訳がないっつーんだよ!
まぁ、大体の事は想像出来るが俺の誕生日イブに他の男と同じ湯に……💢
それがたとえ足だけでも許せるかっ!

つくしの手を引っ張ったまま特別室に戻り、そこのドアを開けて先につくしを放り込んだ。
そしてドアを閉めると目の前には怯えたようなつくしの顔……。


「…………判ってんだろうな、つくし」
「な、なにが?やだっ、どうして怒ってんの?」

「……今日はどうしてここに来てるんだっけ?」
「どうしてって…総のお誕生日だから、そのお祝いに?」

「ほぉ…その祝いの旅に別の男と足湯?俺がそれを許すと思ってんのか?」
「他の男って……花沢類じゃない!半分は中性的な…」
「残りの半分は悪巧みで固められた男なんだよっ、あいつは!!💢」


入り口すぐ横の壁にへばりついてるつくしをバンッ!と両手で押さえ込み、アワアワしている顔をひと睨み。
勿論こんな場所に来て本気で怒るとかはしねぇけど、このぐらいやらないと判んねぇからな…。

この俺が独占欲の塊だって……!


「……この前類の車に乗ったな?」
「…………う、うん。でも、あの……」

「まぁ、いい……で、その後にも屋敷の前であいつに会ったな?」
「…………あ、あれはね……その……」

「さっきはキスされたな?」
「あっ、あれはおでこじゃない!ここよ、ここ!」


つくしは片手で前髪を上げ、もう一つの手の指で自分の額をつんつんしてるが…そこに目をやる気にもならない!
そもそも油断しすぎだっつーの!!💢


「旦那の目の前でそんな事をされた罰だ。俺に『ごめんなさい』のキス…してもらおうか」
「えぇっ?!私が悪いの?!」

「9対1で類に腹立つがお前も悪い!さっ、してもらおうか(実は少し楽しい♪)」
「えぇ~……ここで?」

「そう、ここで」


モジモジしながら入り口に目をやり誰かが入ってこないかを確認。そんなの入って来る訳がないって。
その次には両方の指を絡ませながら瞬きばっか……今更ながらこんな仕草をするつくしが可愛くて、すげぇ睨んでるのに笑いが込み上げていた。

でもやっと気持ちを決めたのか「ごめんね?」の声と共に両腕が俺の首に巻き付いて、背伸びをしながらのキス……。

少しだけ触れたかと思ったら、もう離そうとする。
だから今度は俺が思いっきり抱き締めて、その続きに噛み付くように荒々しいキスをしてやった。

「……んんっ!」


唇をこじ開けるようにして舌を入れ込み、逃げようとするこいつの舌を絡め取る。
そうしたら1度は逃げるけど、すぐにつくしからも絡めてくる…ってか、そもそも逃げる気なんてねぇくせに!

そうやって何度もお互いの歯列を舐め合って、つくしの膝がカクン!と折れた瞬間に離してやった。


「…………んっ、はぁはぁ…!」
「ばーか!キスってのはこのぐらいすんだよ!」

「く、苦しかったぁ……!」
「じゃ、お前の待ってた飯だな」

「……うんっ♪」


ま……飯の前はこのぐらいで許してやるか。



部屋に入ったら既に夕食の準備は出来てて、すげぇ豪華な料理がテーブルを埋め尽くしていた。
途端、それまでの甘い空気はつくしが何処かに吹っ飛ばす。
「きゃああぁ~っ!美味しそうーっ!」で、俺まで突き飛ばしてそこに駆け寄った。


まず目に入ったのは……プラチナ金箔の『輪島塗夫婦箸』
開店記念だと書いてあるが、まさかあいつからか?すげぇ古風な箸なのに、よく見たら「Sojiro」「Tsukushi」って文字が入れてある。

まぁ、こんなので許す訳ねぇけど。


料理は食前酒の加賀梅酒に前菜で伊賀栗、筋子醤油漬けに蓮根煎餅と車海老西京煮。
ドーンと造り盛り合わせがテーブルのド真ん中にあって加賀料理の合鴨の治部煮。カニのシーズンだからカニ料理がずらりと並び、当然能登牛のステーキとのど黒杉板焼も。


「うわっ!もう最高~!総、こんなに魚貝類がある~!カニも丸ごとだよ?」
「ははっ、能登が初めてなのはお前じゃね?」

「あはは!そうかも~!早く食べよ?」
「…だな。俺も早く食いてぇ(お前を)」

「へぇ、珍しい~!総もお腹空いたの?これだけあったらお腹いっぱいだね!」
「朝まで掛かるかもな(お前が何回出来るかによるけど)」

「そんな馬鹿な!そうしたら朝ご飯来ちゃうって!」
「俺はそれでもいいけど(朝イチってもの気持ちいいぜ?)」


じゃあ、って俺の向かい側に座ろうとしたつくしに手招きしたら「どしたの?」って無邪気な顔して真横に来た。
その手を掴んでニヤリと笑うとつくしの目が急に怯え始める……くくっ、察しやがったな?


「な、なに……?」
「今日ぐらい俺の向かい側で食うこともねぇだろ?テーブルの距離感って好きじゃねぇんだわ」

「は?何言ってんの?じゃあ横で食べるの?」
「そんなオトモダチみたいな食い方も好きじゃねぇな」

「どうしろって言うのよ……」
「俺の前でどうよ?食わしてやるから」

「…………はい?」
「まぁ、そう変な顔すんな。明日は俺の誕生日だからな」


そのままつくしの腰を引き寄せて、蹌踉けたと同時にドカッと座り、こいつは俺の膝の上。
そこに座らせたら真っ赤な顔して「こんなんで食べられないじゃん!」。
ついでに俺の浴衣の腰紐を解いてこいつの腕を縛ったら「やだぁ!手が使えないじゃん!」。


「だから食わせてやるって。まずは食前酒からか?ほれ、口開けろ」
「え?え?どうすんの?」

「飲みにくいか?んじゃ、こうするしかねぇよな」


ってんで、食前酒は口移し。
俺が含んだ酒をゴクン、と音を鳴らして飲み込んだら「ゴホッ!」って噎せてやがった。

「いやぁだ!普通に飲みたい~!」
「ダメ。少し甘くなってたろ?」

「総、意地悪~!」
「ほら、バタバタすると浴衣が捲れるぞ?汚れる前に捲ってやろうか?」

「きゃああっ!わかった、わかったからそれは止めて!」


俺の両足の中でガキみたいな白くて華奢な足がチラリ…。
……でもさっきこの足を類が見たんだな?と思うと、再びあの時の『突っ立ってないで、座れば』のしたり顔が浮かんできてムカついた。


いや、忘れろ、俺。
この通り、俺は隣どころかこいつを膝に座らせることが出来る立場だっ!
そして足湯じゃ見られない部分も俺のものなんだから!


「どうしたの?総、怖い顔してる…」

「いや、何でもない。次は何食べたい?」
「……自分で食べたい…」

「は?もう俺が食いたい?そっかぁ……」
「違うっ!自分で食べたいっ!」

「いいからいいから。車海老、いこうか?」
「あっ……美味しそう♡」

「くくっ、口開けてみ?」
「あ~~ん♡」

ぽってりした唇が開いて車海老を咥え、この状態なのに美味そうに食って、次は…ってテーブルに目をやった。
ぷりっぷりのカニの身を顔の前に垂らしてやると、また「早く~」って口を開け、赤い舌がそいつを欲しがるのを見ると俺の真ん中がどんどん熱を溜める……ってまだ、我慢だっ!

同じように能登牛のステーキを口元に持って行くと、その汁がつくしの喉下にポトリと垂れた。


「あっ!やだ…、総、紐解いて?浴衣まで汚れちゃう……」
「なんで?俺が拭いてやるから気にすんな」

「だ、だって…」
「食いもんだろ?こうすりゃいいだけ…」

「ひゃああっ…!!」


随分乱れてきた浴衣の胸元をグイッと広げて、その汁が垂れたところをペロリ……ムワッとしたこいつの匂いが超エロくて、またムクムクと……いやいや、まだだ!

そしてギリギリ胸が見えねぇところで止めて、つくしが恥ずかしがるのを愉しむ♪
「もうっ!」って怒ってもやっぱり怖くも何ともねぇから、そのまま食事は続いて、なんやかんや言ってテーブルの上は綺麗に片付いていった。


「総、手が痺れた……」
「そっか?じゃあ解いてやる。楽しかっただろ?」

「たっ、楽しかったのはそっちでしょ!面白がってタチが悪いんだからっ!」
「ははっ!確かにすげぇ面白かった。つくし、その寿司食っとけよ。俺は酒を見てくるから」

「はーい!や~ん!このお寿司も美味しそう~♡」


少し惜しい気はしたけどつくしの腕を自由にしてやったら、少し赤くなった手首を摩ってるくせにもう寿司に手が伸びる。
まぁ、食わせとかなきゃ朝まで持たねぇしな~、と呟きながら浴衣の帯を結び直して冷蔵庫に向かった。

極上のウィスキーにブランデー、ワインはその横のワゴンに並べてあり、冷蔵庫を開けるとその中にはビールに日本酒に……


「……あれ?なんだこれ」


そこには見慣れないボトルがある。


「おーい、つくし。これ何だかわかるか?」
「ん?なぁに?」


片手に能登牡蠣のにぎり寿司を持ったつくしのところにそいつを持って行った。




つづく♡
関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

Add your comment