禁花~愛しいあなた~04
愛している。
愛している。
狂おしいほどにお前を愛している。
時折つくしは、ふっと消えてしまいそうな表情 でどこか遠くを見つめる。俺の側に繋ぎとめるために、俺はつくしを貪るように抱きつぶす。つくしが嬌声を上げ愛液を滴らせるそのときだけは、つくしが俺の側を離れるわけがないと思えるからだ。
許されるならば、自由に飛び立てるつくしの羽を全てもいで鳥籠にしまい込んでしまいたい。
何度も何度もそんな醜い思いに駆られる。
そのたびに、俺はつくしを貪る。
つくしと再会を果たしたのは、東京に帰る新幹線の中だった。自分の座る席に、頭からすっぽりジャケットを被った女が陣取っていた。それがまさかつくしだなんて思いもしなかった。
何度も、あの瞬間を思い出す。
「すいません」
声を掛ければ、俺の席に座った女がジャケットから顔を出す。懐かしい顔だった。
「なっ 牧野じゃん
お前相変わらず慌てもんだな。ここ俺の席、お前席間違ってないか?」
そう声を掛けた瞬間、つくしの目から一筋の涙がこぼれた。涙を流すつくしの顔は無防備な色気を放っていた。思わず見惚れて、見惚れた自分に驚いた。見惚れた自分を悟られないように平静さを装い
「まぁ 二席とも指定取ってるから、このままでいいな」
そう言った。
ビールを飲みながら、会わずにいた月日の話をした。東京駅に着いても別れがたくて、もう一軒飲みに行こうと誘った。
一人になりたい時に行くバーにつくしを連れていった。バーテンダーはほんの少しだけ驚きの表情を浮かべたあとに、美味しいワインとつまみを出してくれた。いつもより旨いと感じる酒だった。5本目のワインボトルを頼もうとした瞬間______closeの時間を告げられた。まだまだつくしと一緒に時間を過ごしたくて、バーからほど近い自分のマンションに誘った。一瞬、誘いを断られたらどうしようと思春期の少年のように考えた。俺の気持ちなんて知らずに、つくしは笑ってついてきた。
「ココ、女の子連れ込まないの?」
そう聞かれて、初めて____この部屋に、いや俺の宝物のようなこの空間に女を入れたんだと気が付いた
「あぁ」
ぶっきらぼうに返答すれば
「そっか______あっ、じゃ記念すべき女の子第一号じゃん」
そんな言葉で茶化されて思わず
「はっ? 誰が女の子だ」
照れ隠しに、つくしのデコを指で弾いた。
思いの外に力が加わったのか、つくしがデコを押さえてしきりにそこを摩っていた。
「えっ マジ 痛かったか? ちょっ、デコ見せてみろ」
心配になってよく見ようと、つくしの手を掴んだ次の瞬間_______つくしは、真っ直ぐに俺を見て天女のように一つ微笑んでから、俺の首に手を回した。
気が付けば、俺は夢中でつくしとキスをしていた。キスだけで余裕がなくなった。つくしに酔いしれ、気が付けば、ただただ夢中につくしの身体を貪っていた。一度果てたあとも、余裕なんて微塵も生まれず。ただただ本能のままにつくしを貪り続けた。
この日、俺はただの雄になった。
つくしが俺の胸の中で眠る姿を見て、俺も幸せな眠りについた。
なのに、次に目覚めた時_____つくしは俺の元から消えていた。部屋中を何度も何度も探したが、メモの1枚も見当たらなかったのには愕然とした。
それがつくしの答えなのか。つくしの中で、俺との一夜は過ちと化しているのか?何度も何度も考えた。色々考えるうちに、ゴールの見えない関係につくしを引きずり込んでしまうのはいけないと自分で自分の気持ちにブレーキをかけた。この気持ちは、月日が解決すると自分に言い聞かせた。
なのに______日一日とつくしへの思いが募っていった。海外出張から戻ったら、つくしの元を訪ねようと決意した。

ありがとうございます
愛している。
狂おしいほどにお前を愛している。
時折つくしは、ふっと消えてしまいそうな
許されるならば、自由に飛び立てるつくしの羽を全てもいで鳥籠にしまい込んでしまいたい。
何度も何度もそんな醜い思いに駆られる。
そのたびに、俺はつくしを貪る。
つくしと再会を果たしたのは、東京に帰る新幹線の中だった。自分の座る席に、頭からすっぽりジャケットを被った女が陣取っていた。それがまさかつくしだなんて思いもしなかった。
何度も、あの瞬間を思い出す。
「すいません」
声を掛ければ、俺の席に座った女がジャケットから顔を出す。懐かしい顔だった。
「なっ 牧野じゃん
お前相変わらず慌てもんだな。ここ俺の席、お前席間違ってないか?」
そう声を掛けた瞬間、つくしの目から一筋の涙がこぼれた。涙を流すつくしの顔は無防備な色気を放っていた。思わず見惚れて、見惚れた自分に驚いた。見惚れた自分を悟られないように平静さを装い
「まぁ 二席とも指定取ってるから、このままでいいな」
そう言った。
ビールを飲みながら、会わずにいた月日の話をした。東京駅に着いても別れがたくて、もう一軒飲みに行こうと誘った。
一人になりたい時に行くバーにつくしを連れていった。バーテンダーはほんの少しだけ驚きの表情を浮かべたあとに、美味しいワインとつまみを出してくれた。いつもより旨いと感じる酒だった。5本目のワインボトルを頼もうとした瞬間______closeの時間を告げられた。まだまだつくしと一緒に時間を過ごしたくて、バーからほど近い自分のマンションに誘った。一瞬、誘いを断られたらどうしようと思春期の少年のように考えた。俺の気持ちなんて知らずに、つくしは笑ってついてきた。
「ココ、女の子連れ込まないの?」
そう聞かれて、初めて____この部屋に、いや俺の宝物のようなこの空間に女を入れたんだと気が付いた
「あぁ」
ぶっきらぼうに返答すれば
「そっか______あっ、じゃ記念すべき女の子第一号じゃん」
そんな言葉で茶化されて思わず
「はっ? 誰が女の子だ」
照れ隠しに、つくしのデコを指で弾いた。
思いの外に力が加わったのか、つくしがデコを押さえてしきりにそこを摩っていた。
「えっ マジ 痛かったか? ちょっ、デコ見せてみろ」
心配になってよく見ようと、つくしの手を掴んだ次の瞬間_______つくしは、真っ直ぐに俺を見て天女のように一つ微笑んでから、俺の首に手を回した。
気が付けば、俺は夢中でつくしとキスをしていた。キスだけで余裕がなくなった。つくしに酔いしれ、気が付けば、ただただ夢中につくしの身体を貪っていた。一度果てたあとも、余裕なんて微塵も生まれず。ただただ本能のままにつくしを貪り続けた。
この日、俺はただの雄になった。
つくしが俺の胸の中で眠る姿を見て、俺も幸せな眠りについた。
なのに、次に目覚めた時_____つくしは俺の元から消えていた。部屋中を何度も何度も探したが、メモの1枚も見当たらなかったのには愕然とした。
それがつくしの答えなのか。つくしの中で、俺との一夜は過ちと化しているのか?何度も何度も考えた。色々考えるうちに、ゴールの見えない関係につくしを引きずり込んでしまうのはいけないと自分で自分の気持ちにブレーキをかけた。この気持ちは、月日が解決すると自分に言い聞かせた。
なのに______日一日とつくしへの思いが募っていった。海外出張から戻ったら、つくしの元を訪ねようと決意した。
ありがとうございます
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