まめ太と姫ちゃん 夢の国のお姫さま あきつく

「行くぜっ」
なぜか、そうなぜか‥…　蓮がかけ声かけて張り切っている‥…
ってか、なぜにこうゾロゾロ我が家に集まってきてるんだ‥…
「うふっ、あーのー　滋ちゃん達と夢の国に出発よ～」
司の嫁が何故か悔しそうにしている。

事の始まりは、「夢」
幼稚舎でお絵描きの時に話した夢が全ての発端だ。

「あーののゆめはね、またゆめのくにであそんでポップコーンたべることかな～」

会社の創立祭に、プライベート・イブニング・パーティー　として　夢の国を貸し切った。
その時、初めて行った夢の国に夢中になったあーの。寝ても覚めても夢の国の事ばかり。

渋チン‥…いやいや倹約家のつくしに、勿体ないからと言われ、中々連れて行ってもらえない。特別な日だけのお楽しみ。いざ連れていって貰っても、お土産は一つだけ。だの、双子なのにも関わらず、ポップコーンは一つだけだのもの凄く細かい。

しかもだ、つくしは電車で移動してたって事が判明してからは、父さんと母さんから、珍しく、もの凄い剣幕で怒られ‥…我が家では、今年は夢の国には、もう連れて行きません。発令が出たのだ‥
それから丸々1年‥…あーのは、夢の国に行きたくて行きたくて仕方なかったんだ。

何故バレたかって？　先ずはそこから話そうか。

メルヘン大好き夢乃さん。
今日も今日とて、れおんに王子様ルック。あーのにお姫様ルックをさせている時だった。
「ゆめちゃん。」
「なぁに、れおんくん」
「ゆめちゃんは、ネプチューンじまに　いったことある？」

ネプチューン島？？　って何？？？の母さんが、皆が集まって食事の時につくしに聞いた。
「ねぇつくしちゃん、ネプチューン島ってなに？」
笑いながら、つくしが答えたのが‥…　

夢の国に行く途中、仲睦まじい親子連れと隣り合わせたつくし達。
電車のアナウンスが　えっちゅうじま～　次は越中島～　と流れた瞬間、隣の可愛い男の子がね、「え～　ネプチューン島だって。」そう呟いたらしい。
つくしは、あまりの可愛さに思わずクスリと笑いそうになったらしいけど、男の子が真剣に話していたから耐えたらしい。
で、それを聞いていたれおんは、ネプチューン島に興味津々になって母さんに質問したって言うのが真相。

そこまで話した時‥…　突如　父さんと母さんの血相が変わり
「つくしちゃん、あなた達３人に何かあったらどうするの？」
初めて、つくしに強い口調で詰め寄った。SPの数の確認から始まって、交通手段の確認、夢の国での行動の確認。シドロモドロになるつくし。　珍しく、全部駄目出しくらってしまったのだ。

父さん母さんとしては、SPをきちんと付け、送迎の車できちんと行けば、行くのは全然構わないスタンスだったのだけど‥‥それは勿体な過ぎますので、年に一度のお楽しみにしますと宣言したのだ。

つくしの勿体ない発言が出ると、我が家は、皆がタジタジになるのだ。

あーのの、受難はこうして決定した。　で、口をでた「夢」が　夢の国に行く事だったのだ。

ただの「夢」のお話で終わる筈だった。
聞いていたのが、悪かった。
たまたま、そうたまたま、来ていた滋と滋の旦那が、あーのの夢を小耳に挟み、それなら貸し切りにしようと言い出したのだ。

なんでも、滋の旦那の友達がパリの夢の国を丸一日貸し切った事があるらしく‥…

で、何故か‥…　あーのご一行様と称して、ただ今ぞくぞく我が家に集結中。
ってか、司の嫁は何故来てる？　楓さんが道明寺のジェットを使えと言って、擦った揉んだの末に道明寺ジェットで旅立つ事に決定したよな？　それなのに、なぜ家に集まってる‥…
俺の視線を感じたのか？
「あーのちゃんにいち早く会いたいからに決まってますわよ。」フンっと、ばかりに早口で俺に言う‥…ここの夫婦‥いや、楓さんもあーのの事になると、とち狂う。

ピーンポーン
類ご一行様、西門ご一行様、桜子ご一行様の到着だ。

ぞろぞろぞろぞろ‥…

滋が
「あぁー、奏もなの～？」
なんて不満たらたらだ。

くくっ、類に似てる奏。
あーのの覚え目出たく、一番最後の参戦にも関わらず一歩リード中なのだ。
西園寺家も、花沢家同様で、何故かやる気満々らしく‥…パリの宿泊先は貸し切りだ。

釈然としない西門家は、ホテルに夢の国の住人達を呼んだらしい‥…
遊びに行くんだから必要ないだろう？なんて話しを聞いてくれるわけもなく‥…

はぁっー　それにしてもだ‥…　
あーのの、たった一言で、パリの夢の国貸し切り、宿泊ホテル貸し切りで夢の国の住人がホテルの中を練り歩き、プライベートジェットに乗って行く快適ツアーになるとは、誰が想像しよう？つくしは、勿体ない勿体ないを連呼していたが、桜子に、上手ーく言いくるめられた。

＊＊＊

念願の夢の国。
海が張り切って
「あーの、あーののスキなブラックペーパーのコップポーン買ってきてやる」
と、息巻いていて、売り子のお姉さんに大きな声で
「ブラックペーパーのコップポーン一つ下さい」
流石、夢の国‥…
ブラックペッパーのポップコーンを笑顔で渡してくれる。

得意げに海があーのに渡そうとすると
「くろいかみのコップ？なんてあったの？あれ？ポップコーンじゃん」
なんて奏が、海に突っ込み入れて、リトルプリンスの微笑みであーのと2人で仲良く笑ってる。

くぅっーーー　しかもだ‥…
ブラックペッパーのポップコーン食べたいのは、まめ太だ。まめ太。
まめ太が目キラキラさせてるぞ
姫は、キャラメルポップコーンだ。

ってか、海がキャラメルポップコーン頼む時はなんて言うのか気になんなぁー
いやいや‥うーん、海お前もう少し日本語頑張れ！　


で、もって、あーの‥お願いだから、みんなに平等に優しくしてやれな‥…

後で、皆が俺にグチグチ五月蝿いからよぉ。お願いするよ。

そうそう、桜子のプレゼントは　リアルお姫様ルック＆カメラマン。
このお姫様ルックを来た明菜ちゃんとあーの‥…　うーん　本当に姫そのものだった。

姫そのものの、あーのは、とある大富豪のお孫ちゃんに見初められてたんだ。
まぁー　それはまた別のお話って事で‥…


　

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special thanks　言い間違い
越中島　ブラックペーパーコップポーン


むふふっ♪