マッパネェ 司つく
初めて乗ったのは、あいつとだった。あの頃は、切符の買い方が解んなかったっけなぁ
今は、スマホっつー便利なもんがあっからな。
文明のなんだっけか? 文明の利口?いやいや、あぁー文明の嬉々って奴だな。 うん、それだそれ
それにしてもあいつ遅せえなぁー あにやってんだかな。
帰りがけに、また仕事でも頼まれたか?
それとも道でも聞かれってか?
いやいや、男に口説かれてでもしってか?
あいつ、ボケボケしてっからなぁー
なんて事をつらつら考えてると‥…
♪♬♪♬♪
メールが入る。
っん?なになに‥…
次の山の手線に乗れ?3番線の緑の電車ってか?
あん?俺一人で電車に乗れって事か?
しゃぁねぇ。今日はあいつの言う事を何でも聞くって約束だ。
指定された電車の一番前の車両に俺は乗る‥…
♪♬♪♬♪
っん?
窓の外を見ろ?
っん?っん?っん? 銀の車体に水色の線の電車が‥…俺の乗る電車と並走してる???
よくよく目をこらすと‥‥ あいつが乗っている。
小さく小さく手を振る、あいつ。
♪♬♪♬♪
うふふっ 見えた?
俺はメールにコクンと頷く。
電車は並走しながら 抜きつ抜かれつだ。
あいつが見えたり、見えなくなったり‥…
俺の電車が先に着いたり、あいつの電車が先に着いたり‥…
♪♬♪♬♪
浜松町で降りて待て‥…
コクンと頷く
俺が、浜松町で降りると同時に、あいつが水色の車両から降りてくる。
ニコッと微笑む つくし。
軽く手を挙げながら、笑って近づいてくる俺の女。マッパネェほど綺麗な女。
手を握りあい、駅のホームを歩く‥…
「うふふっっ ビックリした?」
「あぁ‥違う電車に乗っても、目的地は一緒ってことか?」
「うふふっ。」
「俺は、同じ乗るならずっと一緒がいいなぁー」
「うん。あたしもそう思いながら乗ってたよ。」
握った手にギュッと力を込める。
俺の可愛い恋女房。
マッパネェほど可愛い恋女房。
今日は俺等の珊瑚婚式。
なぁ知ってか?
珊瑚は、長い年月を経て美しく成長するんだぞ。
まるでお前みたいだ。
まぁ、お前は元から、マッパネェほど綺麗だけんどな。
年々綺麗に輝いていくお前、俺は幾つになっても心配で目が離せねぇ。
なぁ知ってか?
俺が、マッパネェほど昔も今も惚れてるって事。
「なぁ、俺がいま何考えってかわかるか?」
「っん?ーーーーんお腹空いたとか?」
「お前じゃねぇーよ」
そっかーとか何とか言いながら、相変わらず、ゲラゲラ笑うお前。
俺は耳許で囁く
「お前を抱きてぇーそんだけだ」
耳まで真っ赤になるつくし。
幾つになっても可愛い可愛い俺の恋女房。
マッパネェほど惚れ抜いてる俺の女。
**おまけの司くん**
「そういやぁー スマホって便利だな~ 流石、文明の嬉々だな…」
「利器ね。利器...」
「はぁっー 力入れてどうすんだ力入れて...」
「あははっ...相変わらずで嬉しいよ」
マッパネェ=半端ないを強調した若者の言い方になります。
珊瑚婚式=結婚35周年
田端から品川区間の山手線と京浜東北線は、同時刻に発車して、並走する電車がたまにみうけられるので、鉄ちゃん鉄子さんには有名だったりします。
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