いつかあなたと陽だまりで 1 司つく
束の間の幸せだけど、あたしはこの幸せを感じる為だけに生きていく。
諦めた、何度も何度も
「仕方ないよ」
このセリフを何度も口にして。
司に、友に、そして‥… あたし自身に。
辛いのに、いつも笑って口にした
「仕方ないよ」
司はあたしを抱きしめてくれた‥…
「すまない」と。
二人で決めて、納得して別れた筈だった。
道明寺財閥を救うため。それしか道がないから‥
あたしは、司への想いを断つ決断をした
‥筈だった‥‥なのに
諦めきれなくて‥…諦めなくちゃいけないのに
やっぱり、想いを断つなんて出来なくて
あたしは、司の愛人になる決意を胸に、結婚したあいつに抱かれた。
あいつは、戸惑い、何度もあたしに
「無理はすんな。お前はお前で幸せになればいいんだ。」
「あたしの幸せは司にしかない。」
そう言って、あいつを押し倒した。
あたしの全ては司だから。司が居なければ、あたしは息が出来ないから。別れていた少しの時間で、いやっと言う程に思い知った。
友も、肉親も、普通の幸せも、お日様の下での生活も、全ていらないとさえ思った。
女としての幸せを、選んだのだから。
もしかしたら、いいえもしかしなくてかぁー あたしは、猾い。
司の奥さんから、司の一部を奪っているんだもんね。
あたしのこの想い、消えてなくなってしまえばいいのに
だけど、あたしの悪魔が囁く
オマエニハ、アイスル ケンリガアル。
そう、悪魔が囁く。
本当? 本当にあたしには権利があるの?
何度も何度も自問する。
誰かの幸せを偉そうに奪える権利があたしにあるの?
そう自問する。
フッ、自問した所で、結末は同じ。
あたしがあいつを愛するのは止められないって事だけ。
それなのに、罪の意識で自問する。
傍にいるのを止めれない癖に、自問する。
幼かったあたしでは、考えられない貞操観で今のあたしは生きている。
厚顔無恥の淫乱女? 司の奥さんに何度も言われて、その度に頬を叩かれた。
だけど、あたしはあたしの想いを捨てれない。
あたしは、司に何も望まない。
ううん。本当は望んでる。幾つも幾つも望んでる。
帰らないで‥
一人はいや‥
ずっとずっと 一緒にいて と。
あれから10年‥ 沢山の沢山の想いの中で生きて来た‥
あたしの命よりも、何よりも大切なあんた。
だけど今日、あたしはあんたの所を出て行く。
「さようなら」
一言書いた手紙を残して‥…
土星のネックレスだけこの手に握り、あたしはあんたの所を出て行く。
ずっと一緒に生きると決めたけど
あんたがいないと上手に息が出来ないけど
あたしは、ここを出て行く。
宝物を手にして、あたしはここを出ていく。
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