明日咲く花

花より男子の2次小説になります。

ずっとずっと 94

西門さんのお手前に、感嘆の声が上がる‥
しだれ桜の風情と、西門さんの容貌が幻想的な一場面を作っている。

ミーハーかおるちゃんが、興奮して
「はぁっ〜、目の保養よねぇ〜」
と、言えば‥優紀が
「西門さんは、ファンタジストですから」
と言い。 桜子がしめに微笑む‥

滋さんがほくそ笑み、
悠斗を筆頭に拓人さん千尋さんコンビは、眉を顰めている‥
その様を、ナダーが他人事とばかりにからかっている。


薫が、あたしの肩を抱き
「つくし、幸せにする。つくしの欲しいものなら何でも与える。だから‥」

欲しいもの? 
あたしの欲しいものって何? 空を見上げる‥
桜の花びらがゆっくりとゆっくりと舞い降りる。

あたしは、空に向って手を伸ばす。


僕は、何がしたいのだろう?
こんなにも辛い思いをするのなら、司君をこの場に呼ばなければいいのに‥
光の森の出来事が気になって、つくしの反応が気になって
彼を桜の野点に呼んでしまった。

彼は、グレンダと仲良さげにやってきた。
それなのに、それなのに、彼の心が、つくしの心が
互いに惹かれ合うのを感じてしまう。


僕の持つ全てのものを、君にあげるから‥ 僕の全てで君を包むから
どうかお願いだ。僕の僕の側にいて。

つくしが空を見上げ手を伸ばす。君は、何を掴もうとしているの?


お手前が終わりを告げ、アレンの演奏が始まる。
心に響くアレンの曲。
Salut d'amour〜愛のあいさつ〜 が響き渡る。
豊かな色彩が目の前に開かれ、甘美な音に酔いしれる。

つくしは、アレンの奏でる音に酔いしれる。彼女の頬に涙が一粒零れ落ちる。
彼女が振り向き‥
「薫、あたしは薫に沢山の我が儘を聞いて貰ってるよ。もうこれ以上あたしが望むものなんて何にもないよ。今日だって、あたしのためにアレンを呼んでくれたんでしょ?ありがとうね。」

一番の望みだけは叶えてあげれないから
彼女が少しでも喜ぶなら、彼女の笑顔が少しでも見れるなら何でも与えたい。

僕の愛おしい愛おしいひと。
狂おしいほどに愛おしいひと。

着替え終えた若宗匠と、類君、あきら君がやってきて、挨拶を交わす。
つくしが笑って受け答えしている。
桜子さん、滋さん、優紀さんも集まってくる。


その瞬間、本来なら僕の場所に、司君が居たんだと感じて、恐ろしくなる。
どんな形にせよ、彼女を得た事に、安堵を感じる。


だって、そうだろう? 
つくしの誕生日に、司君が彼女を手酷く捨てなければ
僕には、彼女を獲るチャンスなど一生なかったんだから。

つくしをボロ布のように捨てた彼を、僕は許せないと感じた。
フッ、本当は違ったんだ。
僕は、彼に心の底から感謝しなきゃいけないんだ。
彼女を手放してくれて有り難うと。


花嵐が吹き荒れ、桜が散り乱れる。





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6 Comments

asuhana  

Re: こんにちはm(__)m

空色さま

いいかな〜? 僕幸せになっても

by 薫

2016/01/21 (Thu) 15:04 | EDIT | REPLY |   

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2016/01/21 (Thu) 11:26 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

Re: (* ^-^)ノこんばんわぁ♪

yukikoさま

正しくそうなんです。
見方によって、善悪が変わってくる。
私の中では、その人の中の尺度で、全てが善になるようには書いているんです(笑)
過ち=悪 では、なくてね。

薫サイドから物事を見るのと、司サイドから物事をみるのと、また変わってくるかな?

2016/01/21 (Thu) 08:03 | EDIT | REPLY |   

asuhana  

Re: シンプルに

yakkoさま

うわっ、直に薫に言わせたい。そのセリフ。
ぐふぅっつーーー 

2016/01/21 (Thu) 07:59 | EDIT | REPLY |   

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2016/01/21 (Thu) 01:27 | EDIT | REPLY |   

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2016/01/21 (Thu) 00:41 | EDIT | REPLY |   

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