修羅 10 総つく
何度も何度も抱かれたのに、あたしは喜びに震える。
「総、愛してる」
初めて呟く、愛してるの言葉。
総が、あたしを強く強く抱きしめる。
「つくし、愛してる」
総が、あたしの耳許で囁く。甘い愛の言葉。
その言葉を聞いただけで、あたしの身体は熱く熱く火照る。
総の優しく、力強い口づけが降り注ぐ。
あたしの全身を総の唇が這う。頭の芯が溶けそうに身悶える。
つくしを抱くのは、初めてじゃないのに‥ 俺は15の少年のように、胸をドキドキさせながらつくしを抱く。
つくしが俺を見つめ
「総、愛してる」そう囁く。
この言葉を聞いただけで、俺の身体が熱く熱く漲(みなぎ)る。
「つくし、愛してる」
つくしの全身に、丁寧に丁寧に口づけを落とす。
つくしの口から初めて聞く 「愛してる」
俺の口から初めて囁く 「愛してる」
愛してる。たった5文字の言葉なのに、俺の心臓の鼓動の動きを速くする。殺人的な破壊力をもつ言葉。
ちげぇよな。お前が、つくしが発する言葉だから、こんなにも心躍る言葉なんだよな。
くくっ 俺は中坊かよ‥
中坊より、始末におえねぇか? くくっ
俺は、つくしを抱く。つくしの身体は麻薬のように、俺を誘う。快楽の海に‥
真っ白な部屋に、牡丹の紅い花びらが散っている。
真っ白なシーツの上に、つくしの漆黒の髪が広がる。
お前は俺を求め、俺はお前を求める。
お前と再び出逢ったあの日から,俺はお前を求め続けていた。
俺は、お前の中で何度,果てただろう‥ 何度も何度も俺の身体はお前を求める。
東の空が白み出す。
「なぁつくし、お前、俺と付き合え」
夜が明ける、総と迎える2度目の朝。
さかりのついた獣のように、ただの雌になり、あたしは総を求め続けた。
幾度も幾度も、総を求め、幾度も幾度も絶頂を迎える。
無機質なあたしの部屋に、牡丹の花が咲く。
牡丹の花は、艶やかに鮮やかにあたしの部屋に咲き乱れる。
総が、あたしに向って
「なぁつくし、お前、俺と付き合え」
そう言う。
この期に及んでも、傷つくのが怖くて、あたしは戸惑い、黙り込む。
しびれをきらした総が‥
「付き合うのが怖いなら、結婚しろや。」
「えっ” それって、飛躍しすぎ‥」
「じゃぁ、付き合え。ってか、付き合ってくれ」
くらくらする程綺麗な横顔が、紅く染まっている。
紅く染まった頬が愛おしくて愛おしくて、頬にキスをして、小さく頷いた。
総が大きく笑って、あたしを抱きしめた。
総との明日は、何が待っているか、どうなるか解らない。そもそも明日なんて来ないかもしれない。
だけどあたしは、もう一度、本気の恋をしようと決めた。立ち止まらずに前に進む為に。もう一度、誰かを愛そう、そう決めたんだ。
総‥それがあなたで良かったよ。あたしは幸せだよ。
うふふっ
牧野つくし‥本日、遅刻致します。
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