Lie 司つく
やっとこやっとこ掴まえた。こいつこそ、俺の運命そのものだと思った。
だけどよぉーー だけどよぉー 変なんだ俺。
クラブのDJの女に一目惚れしちまったんだ‥
切っ掛けは‥総二郎とあきらと共に、行ったクラブ
総二郎お勧めのイカした女のDJが居るんだとかで、連れて来られた。
VIPルームで俺は、あいつらに話す。
「まぁ、何だな‥恋っつーのはよぉー 手に入れるまでが、醍醐味って奴だよな。うん。間違えねぇーなぁ。」
ククッ,まぁよぉー これが、恋の勝者の余裕ってやつか?
なんて、調子こいて総二郎とあきらに語った俺。
「司も、まぁなんだ健全な性少年ってやつか?」
「そうだなっ、やっとこだな。」
「あぁ、だけどなぁー、司の場合は、つくしちゃん一筋だからなぁっ」
酒も入った総二郎とあきらは、俺をからかいやがる。
「そうでもないぜ、総二郎の言う、3回ルールつぅーのも、理解出来るぜ」
牧野が聞いたら、怒りそうな事も口をついて出ちまった。
フロアーの曲調が変わる‥
俄然、盛り上がる‥…
「おっ、おでましじゃねぇか?」
「今日は運がいいな。」
「あぁ、連チャンで通った甲斐があったな」
2人がフロアーに向う。俺もついていく。
ノリの良いポップスが流れている。
プログレッシブに移る。
いい曲をかけやがる。
DJブースを見る。これが噂のDJか‥
真っ白れぇー肌に、栗色の巻き毛に大きめのサングラス。
グラマラスなスタイルで、形の良い唇には真っ赤な唇が塗られてる。
DJ Lie
これが女の名前。
俺は、この女に一目惚れしちまった。
女嫌いで、牧野一筋の俺が‥
ライに一目惚れしちまった。
魅力的で官能的なライ。
俺は、クラブに通いつめる。
DJ Lie は、神出鬼没‥
あれから2週間。ライを見れたのは、あの1回限り。
裏から手を回し、DJ Lie の情報を集めようと思っても‥
ライの情報はシャットアウトされている。
俺様の道明寺をもってしても、情報が出てきやしねぇ‥…
益々募る‥…恋心
「はぁっーー」
溜め息なんて吐いてみる。
「道明寺〜」
「おぉ」
愛しの牧野が、霞んで見え‥
うんっ? やっぱ可愛いなぁ‥
霞んじゃ見えねぇ‥
って、二股か?
俺は、そんな不埒な奴だったのか‥
俺の純情、そんなもんなのか‥
牧野に対する愛は、ぜってぇーだ なんて偉そうに言ってた筈なのに‥
「牧野、スマン」
「っん?」
「いや‥」
「あははっ、まぁお互い様って事で‥」
「あははっ、そうだな」
って、お互い様ってなんだ?って聞こうとしたら
ヤバって、顔しながら消えたあいつ‥
取り残される俺。
疚しさをもつ俺は、追いかけられず
今日も、DJライを求めてクラブに通う。
フロアーが盛り上がり‥
待ちかねてた DJ Lie が登場する。
やっぱり、魅力的で官能的な女だ。
瞬きもせずに、ライを見つめる。
人ごみを掻き分け、近くに寄る。
街灯に群がる蛾のように。
光を求めて、ライによる。
ライのサングラスの中の瞳と、一瞬目があった気がした。
「っん?」
ククッ、笑い死にしそうになるほど笑った。
顔を上げた時には‥ ライが消えていた。
**
牧野のアパートの前で、あいつの帰りを待つ。
でっけー、バッグを提げてあいつが帰って来る。
俺を見て
「‥ぁははっ」
ヤバそうな顔をして、力無く笑ってやがる
「おい」
「‥ごめん」
「いつからだ?」
「3ヶ月前‥」
「隠れた才能だな。」
「あははっ」
俺の恋した、DJ Lie は、牧野だった。
DJ Lie は、あれからどこのクラブにも現れない。伝説のDJとなった。
「ってか、あんた‥ライみたいのが好みだったの?」
「‥‥」
「セクシー好きってか?」
「‥…」
チゲェよ。
俺が恋する女は、いつでも牧野だ。
俺には、倦怠期なんてねぇんだよ。
更新予定、拍手コメント返信は こちら♥をご覧下さい。
↓ランキングのご協力よろしくお願い致します♥

にほんブログ村
♥ありがとうございます。とっても嬉しいです♥
リク頂いた
司にもしも倦怠期があったら? でございます。
ちなみに‥
Lie ‥ 嘘
と、なります。