ずっとずっと 107
「うーーーーん」
背伸びをする。
10月に入った。
あたしが 宝珠つくし になる日の、カウントダウンが始まった。
今日で、TSUTSUIのセミナーも終わる。
12名のメンバーでの1年間。このメンバーとは、今後も公私に渡って付き合い続けていくのだろう。
いいや、このメンバーだけではない。これから先は、薫の妻、筒井の宝珠の嫁として、TSUTSUIのメンバーとは、付き合っていくのだ。
帰り際、皆が口々に
「明日の打ち上げ楽しみにしてるよ。」
そう言って、帰っていく。
かおるちゃんと悠斗、薫、あたしの4人で、話しながら歩く。
「結婚式、もうじきだな」
「ねぇ〜楽しみ」
「かおるちゃんの結婚式、素敵だったよね」
「うん。悠斗も馬子にも衣装だったしね」
「薫、オメェ、しぃと付き合ってから口悪くなってねぇか」
「あっ、ひどーい。」
笑いながら、TSUSUIをあとにする。
「これから4人で打ち上げっすか?」
悠斗が笑って、言う。
「そうだぁー 今日は家に来てよ」
薫が「どうする?」と聞いてくる。
「新居にお邪魔したーい」
**
「うわぁっー 素敵。」
2人の新居は、とても素敵な空間で、うっとりしていると
「つくしは、こんな感じがスキ?」
「うん。」
「じゃぁ、僕たちの新居もこんな感じにする?」
あたしは、慌てて首を振る。
「い、い、今ので結構です。」
慌てて言うあたしに、かおるちゃんと悠斗が笑う
「しぃが、一言こんな風が良いって言ったら明日には業者が入るもんな。」
「ルゥさん、絶対するよね」
「う‥う‥うん。」
薫が笑いながら
「悠斗だって同じでしょ?」
「まぁな‥」
「「 エッ 」」
機嫌良くグラスを傾ける悠斗と薫。
「あっ、つくしは飲んじゃダメだよ。」
「あっ、うん。明日早いもんね。」
かおるちゃんと2人でキッチンでおつまみを作る。
「グレンダに、会いに行ったの?」
「うん‥」
「道明寺さんとは、会ったの?」
「‥うん‥」
「そっか。」
「うん。」
「辛かった‥よ‥‥ね。」
「‥うん」
「ルゥさんには、言ったの?」
「先に気が付いていたみたい。」
片倉さんが迎えに来た事、発車寸前の新幹線から思わず飛び降りてしまった事を話す。
「片倉さんビックリしてたでしょ。」
「うん。」
ぷっ くくっ
かおるちゃんが笑う、
あたしまで可笑しくなって
ぷっ くくっ あははっ
一頻り笑ったあと
「しぃちゃんが帰ってきてくれて良かった。」
かおちゃんが、優し気に笑う。
「薫もそう言ってくれたの。」
「ルゥさん、しぃちゃんがすぐに電話くれてホッとしたと思うよ。」
かおちゃんが、あたしの頭をポンポンっと、したあとに
「もう大丈夫なんだよね?」
「うん。もう大丈夫。」
何が楽しかったのか?
ほろ酔い加減の悠斗が、嬉しそうに薫の肩に抱きついて大笑いしてる。
屈託のない薫の笑顔。
かおるちゃんと2人で、それを見ながら微笑みあう。
薫と一緒にいると,ほらっ、すぐ隣に幸せが寄り添ってるよ。
あたしの横に、抱きつく悠斗を,丁重にかおるちゃんに引き渡した薫が、腰掛ける。
気分が高揚しているのか、ぴとっとくっ付いて来る。
「うふっ」
「っん?」
「薫がルゥ君になってるから。」
「うん。つくしがいるからね。」
「おっ、お前らいちゃついてんじゃねぇよ」
「あははっ、新婚さんには言われたくないなぁー」
「ククッ、薫が珍しく、酔っぱらってんなぁー」
「ユト君、いい加減にしなぁ〜」
かおるちゃんの家をあとにする。
ペントハウスに入った瞬間‥後ろから抱きしめられる
「つくし‥いなくならないでね‥」
情熱的なキス、熱い熱いキスを受ける。
あたし達2人を、月だけが見ていた‥
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