ずっとずっと 127
俺の目は、あいつに釘付けになった。
瞬きもせずに、あいつを見つめた。
俺の全細胞が、あいつを求めやがる。
喉から手が出るほどあいつが欲しい。
手に入れられねぇもんだったからか?
いいや、違う。
あいつは、俺の半分だからだ。
俺は、あいつ無しでは生きれねぇ。
傍に居なくても構わねぇ。
あいつがこの世に居てくれりゃそれで構わねぇんだ。
ははっ、俺も形無しだよな。
どんだけ、純愛なんだよな。
グレンダを見る。
ニッコリと微笑みを返し、俺の腕に腕を絡ませる。
まるで、頑張れ と言うように、グレンダが微笑んだ。
正面から、つくしがやってくる。
目が合った瞬間‥
あいつが俺を求めているのがわかる。
思い上がり? いいや違う。
理屈なんてねぇんだ。俺にはわかんだ。
俺があいつを求めるように、あいつは俺を求めてるってぇのが。
俺の中の魂が、あいつの中の魂が 一つになりたいと訴えんだ。
駆け出しそうになる俺を、グレンダは止める。
俺は、正気に戻り、宝珠とつくしに挨拶をする。
**
司が真っ直ぐに歩いて来る。
愛おしい愛おしいあたしの男。
目が合った瞬間、あたしはあいつを求める。
目が合った瞬間、あいつがあたしを求めてるのがわかった。
あたし達は元は一つだから。
会えば、魂が共鳴してしまう。
鋭敏な魂の片割れは同士は、お互いにお互いを傷つけ合う。
なのに、陰と陽が一対の様に、半月を重ねると満月になるように、一つになりたいと訴える。
あいつに駆け寄りたい。そう思った瞬間、お腹の子がグニュリと動いた。
あたしは、薫の腕に手を絡ませる。
薫が、あたしを振り向き、優しく笑う。
あたしの夫は、この美しい男(ひと)
**
つくしと司君が真っ直ぐに見つめ合う。
光が二人の周りに輝く。
美しい光景だと思う。
次の瞬間は、嫉妬で気が狂いそうになるのに‥
この2人が美しいと思う。
僕は、憧れる。
何に? 二人の求め合う姿に。
僕は、羨望する。
二人の絆に。
僕は、嫉妬する。
二人の愛に。
僕は、狂う。
つくしと言う、満開に咲き誇る美しい女に。
つくしが、僕の腕に腕を絡ませる。
心の痛みに蓋をして、つくしに微笑む。
司君が、僕等に挨拶をする。
僕は自分に言い聞かせる‥
大丈夫、彼女のお腹には僕等の子供がいる。
大丈夫、彼女はそんなに馬鹿な真似はしない。
そう言い聞かせる。
司君、僕は、つくしを絶対に手放さないよ。
どんなに君らが求め合おうとも、つくしは、僕の命そのものだから。
厳かに、優美に。宴が開かれる。
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