曇天 17 あきつく
もう恐れない。何からも‥
今日、あたしは 道明寺に会いに行く。
ごめんね。と 誰よりも好きだった。その2つを伝えるために。
曇天の空‥ はじめて曇天も悪くないと、あたしは思う。
雨が降ったら、濡れてしまえばいいと思う。
雨が降っても、もう怖くない。
あたしは、空を見上げる。
晴れも、曇りも、雨の日も あたしは笑って生きていく。
**
牧野が、俺に会いたいと連絡を寄越す。
空を見上げる。今にも一雨来そうな雨空が広がっている。
雨は嫌いだ。 心が痛むから‥
来訪を告げる、チャイムの音がする。
牧野が立っている、ニッコリと笑って俺に声をかけてくる
「ヨッ!」
「餓鬼じゃねえよ。」
こいつと居ると俺の気持ちは溶けていく。
すぅっーーーーと 溶けて行く。
畜生、俺はこいつが今でもこんな好きだわ。
このまま、こいつを押し倒してぇぐれに。
ソファーに腰をかけ、牧野が口を開く
「道明寺‥ごめんね。」
高校生の時の牧野がだぶる。
俺の唯一愛した女の顔が‥
「道明寺、あたしはあんたが好きだった。一度だって、あんたを、あんた意外の男として見た事なんかなかった‥誰よりも誰よりも好きだった。全てを捨てても良いと思うほど、あんたが好きだった。誰よりもあんたを幸せにしたかった。だけど、ごめん。もう一度、あの日に戻っても、あたしはあんたを選ばない。」
「あんでだよ」
「それが、あたしだから」
力強く牧野が笑う。
その笑顔を見た瞬間、俺の心が溶けていく。
あんなにも頑だった俺の心が溶けて行く‥‥
「だったら、今度は俺を選べ。誰にも邪魔はさせねぇ。お前に世界で一番贅沢をさせてやる」
「あははっ、それは無理。それに‥贅沢なんていらないしね。」
17の時のあいつが、だぶる。
俺は、牧野に手を伸ばし、抱きしめる。
抱きしめて口づけをした。
そうすれば、もう一度やり直せると何処かで期待していたのかもしれねぇ
牧野が、俺を見上げ
「あたしは、10代の牧野じゃないよ。」
俺の前に今立っている女は、俺の死ぬ程好きになった
牧野じゃねんだと。俺は理解した。
俺の腕から力が抜けていく‥
「あたしは、幸せになる。もう誰にも何にも遠慮はしないって決めた。だから、道明寺も幸せになって。」
そっか、遠慮しないのか
ははっ、俺の負けはこの時点で決まりやがった。
「諦めねぇっていったらどうするよ?」
「諦めなくても別に構わない。でもあたしの心は、あきらにしかない。」
真っ直ぐに前を見つめる。
「明日の気持ちなんて、誰にもわかんねぇぞ?」
「そうかも知んないね。でも‥あたしの心に、道明寺が入る隙間は1ミリもないんだ。」
すげぇ、綺麗に笑いやがる。
そっか‥ こいつは、あきらを好きになって、一気に羽ばたいたんだ。
あきらだから、こいつは、もう一度羽ばたく決心をしたんだ。
誰かの為に生きるあいつは、いざとなりゃ、全てのもんから牧野を守ってやんだろうな
「お前、にべもねぇな。」
でっけぇ笑顔で牧野が笑う。屈託なくあいつが笑う。
この笑顔がずっとずっと見たかった。俺の心の澱が溶けて行く。
あぁ、こいつの笑顔をなんであん時守れなかったんだろうな。そんな事をぼんやり思った。
次の瞬間
ふんわりと、牧野が俺を抱きしめた。
「道明寺。大好きだったよ。ありがとう。」
それが、俺と牧野2人同時に、10代の恋にピリオドを打てた瞬間だった。
俺は、愛した女の幸せってやつを願う。
牧野、幸せになれ。
俺も幸せになる。
久しぶりに、心から笑った気がした。
なんでかな、目の縁から、なんか温けぇもんが、零れ出ていた‥
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つくしと坊っちゃんの回になってしまったので(笑)本日アップ。
一度腹を括った、つくしは格好良い。
坊っちゃんも、頑張った
明日は、最終回と曇天番外編 のアップになります。明日はラブラブ。胸をはれるくらいラブラブになったはず
うん。頑張った…はず
今日、あたしは 道明寺に会いに行く。
ごめんね。と 誰よりも好きだった。その2つを伝えるために。
曇天の空‥ はじめて曇天も悪くないと、あたしは思う。
雨が降ったら、濡れてしまえばいいと思う。
雨が降っても、もう怖くない。
あたしは、空を見上げる。
晴れも、曇りも、雨の日も あたしは笑って生きていく。
**
牧野が、俺に会いたいと連絡を寄越す。
空を見上げる。今にも一雨来そうな雨空が広がっている。
雨は嫌いだ。 心が痛むから‥
来訪を告げる、チャイムの音がする。
牧野が立っている、ニッコリと笑って俺に声をかけてくる
「ヨッ!」
「餓鬼じゃねえよ。」
こいつと居ると俺の気持ちは溶けていく。
すぅっーーーーと 溶けて行く。
畜生、俺はこいつが今でもこんな好きだわ。
このまま、こいつを押し倒してぇぐれに。
ソファーに腰をかけ、牧野が口を開く
「道明寺‥ごめんね。」
高校生の時の牧野がだぶる。
俺の唯一愛した女の顔が‥
「道明寺、あたしはあんたが好きだった。一度だって、あんたを、あんた意外の男として見た事なんかなかった‥誰よりも誰よりも好きだった。全てを捨てても良いと思うほど、あんたが好きだった。誰よりもあんたを幸せにしたかった。だけど、ごめん。もう一度、あの日に戻っても、あたしはあんたを選ばない。」
「あんでだよ」
「それが、あたしだから」
力強く牧野が笑う。
その笑顔を見た瞬間、俺の心が溶けていく。
あんなにも頑だった俺の心が溶けて行く‥‥
「だったら、今度は俺を選べ。誰にも邪魔はさせねぇ。お前に世界で一番贅沢をさせてやる」
「あははっ、それは無理。それに‥贅沢なんていらないしね。」
17の時のあいつが、だぶる。
俺は、牧野に手を伸ばし、抱きしめる。
抱きしめて口づけをした。
そうすれば、もう一度やり直せると何処かで期待していたのかもしれねぇ
牧野が、俺を見上げ
「あたしは、10代の牧野じゃないよ。」
俺の前に今立っている女は、俺の死ぬ程好きになった
牧野じゃねんだと。俺は理解した。
俺の腕から力が抜けていく‥
「あたしは、幸せになる。もう誰にも何にも遠慮はしないって決めた。だから、道明寺も幸せになって。」
そっか、遠慮しないのか
ははっ、俺の負けはこの時点で決まりやがった。
「諦めねぇっていったらどうするよ?」
「諦めなくても別に構わない。でもあたしの心は、あきらにしかない。」
真っ直ぐに前を見つめる。
「明日の気持ちなんて、誰にもわかんねぇぞ?」
「そうかも知んないね。でも‥あたしの心に、道明寺が入る隙間は1ミリもないんだ。」
すげぇ、綺麗に笑いやがる。
そっか‥ こいつは、あきらを好きになって、一気に羽ばたいたんだ。
あきらだから、こいつは、もう一度羽ばたく決心をしたんだ。
誰かの為に生きるあいつは、いざとなりゃ、全てのもんから牧野を守ってやんだろうな
「お前、にべもねぇな。」
でっけぇ笑顔で牧野が笑う。屈託なくあいつが笑う。
この笑顔がずっとずっと見たかった。俺の心の澱が溶けて行く。
あぁ、こいつの笑顔をなんであん時守れなかったんだろうな。そんな事をぼんやり思った。
次の瞬間
ふんわりと、牧野が俺を抱きしめた。
「道明寺。大好きだったよ。ありがとう。」
それが、俺と牧野2人同時に、10代の恋にピリオドを打てた瞬間だった。
俺は、愛した女の幸せってやつを願う。
牧野、幸せになれ。
俺も幸せになる。
久しぶりに、心から笑った気がした。
なんでかな、目の縁から、なんか温けぇもんが、零れ出ていた‥
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つくしと坊っちゃんの回になってしまったので(笑)本日アップ。
一度腹を括った、つくしは格好良い。
坊っちゃんも、頑張った

明日は、最終回と曇天番外編 のアップになります。明日はラブラブ。胸をはれるくらいラブラブになったはず
うん。頑張った…はず
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